飼い主死亡で保健所に持ち込まれた猫
猫の未来より自分の欲望
飼い主死亡で保健所に親族から持ち込まれる子は後を絶ちません。
猫は長生きすれば25年も、生きることがあります。
しかし、日本のペットショップでは、たとえ年配者でも、命をお金さえ払えば買えてしまいます。
自分が寂しいから?子猫が可愛いいから?人生最後に猫をもう一度飼ってみたいから?
自分の欲望が満たされれば、それで満足できるのかもしれません。
でも、あなたよりたぶん、ずっと長生きするであろう子猫の将来を考えたことはありますか?
あなたがいなくなった時、その子はどうしたらいいのでしょうか?
そんな事を想像すらしないで、自分の欲望だけに支配されて、買ってしまう年配者が後を絶たないのです。
命を何のためらいもなく…そんな年配者にお金さえ払ってもらえば、売ってしまうようなこの社会は…何か間違っていませんか?
飼い主死亡
1人暮らしだった飼い主さんが他界され、1匹のチンチラが残されてしまいました。
近所の人が一時的に預かっていましたが、飼育費用がかかるため、最終的に保健所に持ち込んでしまいました。
審査
その後、譲渡対象の審査が行われたのですが、10歳という年齢から収容中に健康が保てるかどうかわからないという不安から、命の期限付きで、私達の団体に里親探しが依頼されました。
私たちは、この子を仮に『ティファニー』と命名しました。
最初で最期の里親探し
”★命を懸けた最初で最期の里親探しを始めます★ 山口県下関市
~これは命の期限付きの里親探しとなります~
【最終期限は2018年11月18日(日)17時まで】 その後、処分されます。”
ディ・アンクのフェイスブック(当時の投稿)
★命を懸けた最初で最期の里親探しを始めます★...
ディ・アンクさんの投稿 2018年10月23日火曜日
このFBの投稿には2万1千件を超えるアクセス数がありました。
たくさんのコメント
- 処分だけは勘弁
- 命が繋がりますように…
- シェアするから処分やめて!
- 繋がって!広がって下さい!どうか、新しいお家で天寿を全うできますように!
- まだまだ高齢という年齢ではないですよね。飼い主さん、さぞや心残りで逝かれたことでしょう。どうか、命を繋げてください!
- どうか殺処分だけは、のがれますよう。
- 優しい里親さんにご縁が繋がりますように!
- 絶対処分されないようにしたいです。私が遠方まで、届けてもよいです。飼うことは難しいので。良い方に。
- お迎えに行ける距離ではないですが良い里親さんが見つかりますように。
- 引き取りたいですがなかなか遠いですね。早く里親様が見つかりますように。
- 投稿読みました。近場のかた限定ってニュアンスですよね?かなり厳しい募集ですね。
沢山のコメントが入りました。皆、なんとかティファニーに助かってほしいというコメントでした。助けたいけど、遠方すぎるという声も上がりました。
メッセージ
ジモティでも里親探しを同時に始めました。
すると投稿して翌日に、こんなメッセージが届きました。
『東京の単身者でも可能ですか?
去年の12月に飼っていたチンチラを腎臓病で亡くしました。
推定20歳でした。
3歳くらいで知り合いのボランティアさんから世話して頂いて、17年一緒に暮らしました。
東京でも可能なら引き取りに行きたいと思っています。』
里親候補
その後、複数の里親希望者が現れました。
私たちが活動しているのは山口県です。
県内でも里親希望の方がいらっしゃったのですが、この子にとって一番幸せになれそうな環境を提供していただける方を私たちは厳選させていただきました。
その結果、一番最初にメッセージを送ってくださった東京の女性に、ティファニーの里親さんになっていただくことになったのです。
東京からお迎えに
その女性は、本当に東京からティファニーを助けるために駆け付けて下さいました!
それだけでなく、両手に荷物いっぱい抱えて…。
それはなんと、私達の団体で保護している子たちへのプレゼントでした。
センターへ
駅にお迎えに行って、センターまで私の車で一緒に向かいました。
この方は、ティファニーちゃんとは初対面です。
センター管理棟から出てきたティファニーちゃんは長い間ブラッシングをされていなかったため、毛は汚れ、毛玉だらけになっていました。更にしっぽには排便がくっつき、固まっていました。
それをこの女性は、持ってきたウエットナプキンで優しくふき取ってくれました。
ティファニーに必要なものを、わざわざ東京から持って来られていたのです。
女性は、優しく抱きしめ、優しく話しかけ、優しく手入れをその場で始めたのです。
辛くて孤独な日々
ティファニーの飼い主さんがいつお亡くなりになられたのかはわかりません。
その後、ティファニーがどんな環境にいたのかもわかりません。
唯一の家族だった飼い主さんが突然いなくなり、住み慣れた家を追われ、最終的に保健所に持ち込みされてしまったティファニー。
10歳という年齢で、殺処分されなかったのは、チンチラというブランド猫で、とても人懐っこい性格だったおかげかもしれません。
ティファニーは、殺処分寸前の所で幸せ切符を掴むことができました。
新幹線で東京まで
女性は、日帰りでした。
この女性には、先住猫が2匹います。
18歳と推定10歳の保護猫です。
その子たちの事が心配なのでと、日帰りにされました。
12:50着で、帰りは16:40発。わずか3時間50分の滞在時間でした。
遥々東京から山口まで、ティファニーを助けるためにだけ来られたのです。
新幹線では、キャリーケースの中で、ティファニーは殆ど寝ていたそうです。
その後
ティファニーはその後、”ねね”ちゃんと改名されました。
ねねちゃんのその後の様子です。
里親さん提供
最後に
遠いからとか、猫(犬)に負担がかかるからとかよく言われますが、遠くても国内です。
遠方では体に負担がかかるからと諦められると、殺処分になってしまいます。
交通費がかかるからと迷いがあるうちは、命を助けることは到底できません。
本気で助けたいという気持ちがあれば、迷いなど一切なくその子のためだけに駆け付けることができるのだと思います。
私はそういう方を里親様としていつも選ばさせていただいております。
これまで鹿児島、福岡、大分、東京と県外の方が小さな命を助けるために、すべて日帰りで、その子のためだけに駆け付けて下さっております。
本来は、地元で助けていただくのが一番いいのですが、中々…難しいものですね…
里親様提供
※この記事及び写真の掲載は、里親様の承諾を頂いております。
女性 匿名
先住猫ちゃんとも相性が良いといいなぁ。よくなくても、飼い主さんがちゃんとストレスにならないようにしてくれそう。
本当に良かった。
ねねちゃんの第二のニャン生が幸せでありますように☆°.*