救いを求めた猫
出会い
メリーランド州ボルチモア在住のローラ・キャシディさんが、月曜朝、犬の散歩中に1匹の猫と遭遇しました。
その猫はローラさんを見て鳴き始めました。
猫は、犬を連れたローラさんを追いかけてきて、家のポーチまでついてきたそうです。
「私が家の中に入ると、猫はスライド・ドアをひっかいて中に入りたいと意思表示をしてきました。この近所では見かけない猫だったことと、外は雨が降っていたことで、私はその猫が何を求めてついてきたのか、ちゃんと確かめてみることにしました。」とローラさん。
酷い状態
近づいてよく見てみると、その猫は衰弱した状態だった事が判りました。
「猫は歳をとっており、毛はかなり汚れていて、毛玉もできており、骨と皮状態でノミだらけ、口に問題を抱えており痛そうでした。」
ローラさんは既に仕事に行く時間に遅れていました。
でも、このまま寒くて雨が降っている中に弱った猫をそのまま置いては行けないと思い、部屋の中に入れる決意をしました。
ローラさんは、快適なベッド、水、フードを用意し、猫のために部屋を作りました。
そして”ボーンズ”と命名しました。
ボーンズ
ローラさんは、先日、地元のシェルターから26歳の”トーマス”という名の高齢猫の里親になったばかりでした。
「私は、別の猫を保護するつもりは正直なかったのですが、こんな状態の悪いボーンズを再び外に出すことはできませんでした。」とローラさん。
ローラさんはSNSにボーンズの事を載せました。
すると近所の人達から、この子はもう何年も前からこの辺りで見かけていたノラ猫である事が判りました。また、アニマルコントロール(日本の保健所みたいな所)が、この猫を過去に避妊手術(TNR)していたこともわかりました。
治療
ボーンズには治療が必要でした。
そこでローラさんは、彼女がボランティアとして所属していたFeline Rescue Association (FRA)に助けを求めました。
「ボーンズは、この冬を乗り越えられるかどうかわかりませんでした。もうボーンズは外の生活に戻りたくはないんだと思います。」とローラさん。
FRAは、ボーンズを助けることには躊躇せずに承諾しました。
その結果、ボーンズに必要な医療は、FRAが負担することになりました。
ローラさんは、ボーンズに里親が見つかるまでの間、一時預かりをすることにしました。
ボーンズは、推定年齢10歳くらいで、5ポンド(約2.26㎏)しか体重はありませんでした。
マイクロチップの装着はありませんでした。
ボーンズは尿路感染症で、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)ではないかと思われました。
また、関節炎も患っていたため、抗生物質と痛み止めを投与されました。
「彼女はとても良い子で、診療と診療の合間に診察台の上でお昼寝をして待っていました。」とローラさん。
脱・路上生活
「私の事を必死で追いかけてきて救いを求めた状態が悪い猫を、私はそのまま見て見ぬふりはできませんでした。私がきっかけとなったことで、この子が長くて辛い路上生活から脱することができた事は本当に良かったと思います。」とローラさんは最後に語りました。
最後に
猫が後をついてきてミャ~ミャ~鳴いて何かを訴えてきた体験をした人はいますか?
それは彼らの最期の「どうか助けて下さい!」という懇願の可能性があります。
あなたに助けてほしい!と必死で訴えているのかもしれません。
今回のように、猫の状態が悪い場合はたぶんそうだと思います。
もし、そのような子に遭遇したら、どうかあなたに出来る限りの事をしてあげて下さい。
※この記事及び写真の掲載につきましては、写真提供元の”The Adventures of Thomas the 26-year-old Cat”さん(ローラさん)に承諾を得て行っております。