猫が『健康かどうか』を判断するポイント4選 見逃せないサインや異変に気付いたときの対処法

猫が『健康かどうか』を判断するポイント4選 見逃せないサインや異変に気付いたときの対処法

猫は体調不良を隠す傾向があるため、飼い主さんが日頃から健康状態をチェックしておくことが大切です。この記事では、家庭で確認しやすい4つのチェックポイントについてご紹介します。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

︎健康かどうか判断するポイント4選

水を飲む猫

1.飲水量

猫の飲水量は、腎臓病や糖尿病、甲状腺機能亢進症などの病気に気付くきっかけの一つです。

猫に必要な水分量は、一般的に1日あたり体重1kgにつき約44~66mLが目安とされています。ただし、これは飲み水だけではなく、食事に含まれる水分なども含めた総水分量の目安です。ウェットフードを食べている猫は、ドライフードを中心に食べている猫よりも、飲み水の量が少なくなることがあります。

そのため、「体重×○mLを飲めば正常」と一律に判断するのではなく、普段と比べて明らかに飲水量が増えていないかを確認することが大切です。

特に、飲水量の増加とともに尿量も増えている場合には、腎臓病や糖尿病、甲状腺機能亢進症などが隠れている可能性があります。

水を飲む量が以前より明らかに増えた場合は、ほかに元気や食欲の変化がなくても、一度動物病院で相談しましょう。

2.体重

体重の変化も、猫の健康状態を知る重要な指標です。

特に高齢猫では、食欲があるにもかかわらず痩せてきた場合には注意が必要です。

例えば甲状腺機能亢進症では、代謝が亢進することで、食欲が旺盛なのに体重が減少することがあります。また、多飲多尿、活動性の増加、嘔吐などが見られることもあります。

甲状腺機能亢進症では高血圧や心臓への負担などの合併症が起こることがあり、心疾患や血栓塞栓症につながる場合もあります。

また、猫では心筋症、特に肥大型心筋症に関連して血栓が形成され、動脈に詰まる「動脈血栓塞栓症」が起こることがあります。後肢に血栓が詰まると、突然の強い痛みや後肢の麻痺などが見られ、緊急治療が必要になる場合があります。

「年を取ったから痩せてきたのかな」と考えず、体重の変化が続く場合には動物病院を受診しましょう。

特に高齢猫では、月1回程度を目安に体重を測定しておくと、わずかな変化にも気付きやすくなります。

3.排尿

排尿の回数や量、トイレでの様子を確認することも大切です。

猫では、膀胱炎や尿石症などの下部尿路疾患が起こることがあります。

例えば、トイレに行く回数が増えた、何度も排尿姿勢をとる、少量しか尿が出ない、排尿時に鳴く、血尿がある、トイレ以外の場所で排尿する、といった変化が見られる場合には注意が必要です。

特に、何度もトイレに行って排尿姿勢をとるのに、ほとんど尿が出ない、あるいは全く出ない場合は緊急性があります。

尿道閉塞は特にオス猫で起こりやすく、完全に閉塞すると尿を排出できなくなり、電解質異常などを起こして急速に状態が悪化する可能性があります。尿道閉塞が疑われる場合は、しばらく様子を見るのではなく、すぐに動物病院へ連絡してください。

なお、膀胱が張っているかどうかを飼い主さんが自宅で触って判断しようとするのは危険です。排尿できていない可能性がある場合は、自分でお腹を強く押したりせず、動物病院で診察を受けましょう。

4.行動や居場所

猫は体調不良を隠す傾向があるため、いつもと違うという変化そのものが重要なサインになることがあります。

例えば、いつも行かない狭い場所に長時間隠れている、飼い主さんのそばに来なくなった、触られるのを嫌がるようになった、食事や遊びへの反応が悪くなった、じっとして動かなくなった、いつもより鳴くようになった、体を丸めた姿勢でじっとしている、呼吸が速い、苦しそうにしている、などの変化です。

ただし、狭い場所に入ること自体は猫の正常な行動でもあります。重要なのは、普段のその猫と比べて変化があるかどうかです。

「なんとなくいつもと違う」という飼い主さんの気付きが、病気の早期発見につながることもあります。

︎異変に気がついた時は

キャリーに入る猫

猫は不調を隠す傾向があるため、飼い主さんが明らかな異変に気付いた時には、すでに病気が進行していることもあります。

そのため、「少しおかしいかな?」と感じた段階で、動物病院に相談することが大切です。

また、猫は体調が悪いときだけでなく、動物病院へ連れて行かれることを察してキャリーケースに入るのを嫌がることがあります。

普段からキャリーケースを部屋に置いておき、寝床として使えるようにしておくと、いざというときにも入りやすくなります。

猫が狭い場所に隠れている場合には、無理に引っ張り出そうとしないことも大切です。痛みや恐怖から、普段はおとなしい猫でも飼い主さんを引っかいたり、噛んだりすることがあります。

どうしても捕まえる必要がある場合は、状況に応じて厚手のタオルなどを利用し、安全を確保しながら対応しましょう。自力での対応が難しい場合は、動物病院に相談しましょう。

︎まとめ

獣医師と猫

猫の健康状態を把握するためには、毎日の「いつも通り」を知っておくことが大切です。

飲水量や体重、排尿の様子、行動や居場所などを日頃から観察しておくと、小さな変化にも気付きやすくなります。

特に尿がほとんど出ない、呼吸が苦しそう、急に後肢が動かなくなったなどの症状は、緊急性が高い可能性があります。

また、猫は食べない状態が続くと、肝リピドーシスなどの問題につながることがあります。特に肥満傾向の猫では注意が必要です。

「もう少し様子を見よう」と自己判断せず、心配な症状があれば動物病院へ相談しましょう。

夜間や休日に備えて、かかりつけの動物病院が休診の場合に受診できる救急動物病院の連絡先や場所を、あらかじめ確認しておくと安心です。

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