猫が「決まった人」だけ避ける理由

1.声や動きが猫にとって「ちょっと怖い」と感じるから
猫が特定の人にだけ近寄らない場合、その人の声の大きさや動き方を苦手に感じている可能性があります。
たとえば、猫からすると、急に大きな声で呼ばれたり、後ろから勢いよく近づいてきたりする人は「何をされるかわからない相手」に見えることがあります。
人間にとっては普通の行動でも、体の小さな猫にとっては、突然大きな物体が迫ってくるようなものです。
猫が逃げるときに追いかけてしまうと、「やっぱりこの人は怖い」という印象が強まりかねません。まずは猫が自分から近づいてくるまで、静かに過ごすことが大切です。
2.過去の「嫌だった経験」と結びついているから
猫は、嫌な出来事と、そのとき一緒にいた人や場所を結びつけて覚えていることがあります。
たとえば爪切りや投薬、シャンプーなど、猫にとって苦手なケアをいつも同じ人が担当しているケースです。
飼い主としては「猫のためにやっている」つもりでも、猫からすれば、その人が近づく=嫌なことが始まる、となってしまう場合があります。
病院へ連れて行く係が決まっている家庭でも、似たようなことが起こるでしょう。「この人を見るとキャリーケースが出てくる!」と学習してしまえば、姿を見ただけでスッと離れていくこともあります。
これはその人が嫌いというより、猫なりに身を守っている行動と考えたほうが自然です。
3.においや生活習慣などが猫の好みと合わないから
人によって違う体臭や香水、整髪料、衣類についたにおいなども、猫が相手を避けるきっかけになることがあります。
人より嗅覚が優れている猫は、私たちには気にならない程度のにおいでも、強く感じる可能性があります。
とくに香りの強い製品を使った直後だけ猫が離れていくなら、においが関係しているかもしれません。
さらに、外から帰ってきたときに他の動物のにおいが衣服についているなど、普段とは違う「知らないにおい」に警戒することもあります。猫は意外と細かな変化を見ているのです。
猫との距離を縮めるための改善策

猫との関係を変えたいなら、無理に触ろうとせず「この人がいても嫌なことは起こらない」と感じてもらうことから始めましょう。
まずは猫のほうをじっと見つめず、少し離れた場所で静かに過ごします。目が合ったら、ゆっくりまばたきするのもよい方法です。
そのうえで、おやつやお気に入りのおもちゃを使い、「この人の近くに行くと良いことがある」という経験を少しずつ増やしていきます。最初は手から与えず、猫との距離が縮まってきたら徐々に近づけても構いません。
爪切りや投薬などを担当している場合は、できる範囲で別の家族と役割を分けるのも一案です。大切なのは、猫のペースを急かさないこと。仲良くなろうと頑張りすぎるより、「何もしないでそばにいる」くらいの気持ちが、かえって近道になることがあります。
まとめ

猫が家族の中で「この人だけ避ける」という行動を見せても、必ずしも嫌われているとは限りません。声や動きへの警戒、過去の嫌な経験、においなど、猫なりの理由が隠れていることがあります。
「せっかく一緒に暮らしているのに、なぜ自分だけ…。」と寂しく感じるかもしれませんが、焦らなくても大丈夫です。猫にとって安心できる距離を守りながら、楽しい経験を少しずつ積み重ねていけば、関係が変わる可能性は十分にあります。
猫から近づいてきてくれる日を楽しみに、まずは「追いかけない・無理に触らない」ことから始めてみましょう。