猫がかかる『治療費が高くなりやすい』病気5選

猫の治療費が高くなるのは、大きな手術を受ける場合だけではありません。1回ごとの費用はそれほど大きくなくても、長期間の投薬や定期検査が必要になれば、医療費は継続してかかります。
1.慢性腎臓病
慢性腎臓病は、特に高齢の猫で注意したい病気のひとつです。腎臓の機能が徐々に低下し、進行すると水を飲む量や尿量の増加、食欲低下、体重減少、嘔吐などが見られることがあります。
失われた腎機能を元通りにすることは難しいため、病気の進行度や猫の状態に合わせて療法食や投薬、点滴などを取り入れながら、長期的に管理していくケースがあります。
また、状態を把握するには血液検査や尿検査、血圧測定などを定期的に行うこともあります。治療が数年にわたる場合もあるため、1回の診療費だけではなく、継続して必要になる医療費を考えておくことが大切です。
2.尿路疾患
膀胱炎や尿石症、尿道閉塞などの尿路疾患も、猫では注意が必要です。症状や原因によって、投薬や療法食などによる治療が行われます。尿石の種類や大きさ、場所などによっては手術が検討される場合があり、尿道閉塞を起こして尿が出なくなれば、緊急処置や入院が必要になることもあります。
特にオス猫では尿道が細いため、尿道閉塞に注意が必要です。何度もトイレに入るのに尿がほとんど出ない、排尿姿勢のままいきむ、痛そうに鳴く、ぐったりするといった異変があれば、速やかに動物病院へ相談しましょう。
3.糖尿病
猫の糖尿病では、水を飲む量や尿量が増える、よく食べているのに体重が減るといった変化が見られることがあります。治療では食事管理に加え、状態によってインスリン投与が必要になります。
適切な治療内容を判断するため、血糖値などを確認する検査や定期的な通院が必要になることも少なくありません。重症化し、全身状態が悪い場合は入院による管理が必要であるケースも多いです。
インスリンや注射器などを継続して準備する必要があるほか、血糖値が安定するまでは通院や検査の回数が増える場合もあり、長期的な費用負担につながることがあります。
肥満は猫の糖尿病のリスクを高める要因のひとつとされているため、普段から適切な食事管理を行い、愛猫に合った体型を維持することも重要です。
4.がん(悪性腫瘍)
猫にも、リンパ腫をはじめとしたさまざまながんが発生します。治療方法は、がんの種類や発生した場所、進行度、猫の年齢や健康状態などによって異なります。手術や抗がん剤治療、放射線治療などが選択肢となる場合があり、複数の治療を組み合わせるケースもあります。
CTなどの画像検査や病理検査、高度な手術、入院、継続的な抗がん剤治療などが必要になれば、治療費が大きくなる可能性があります。しこりがある、体重が減ってきた、食欲が落ちた、嘔吐や下痢が続くなどの変化だけでがんとは判断できませんが、いつもと違う状態が続く場合は早めに動物病院へ相談しましょう。
5.甲状腺機能亢進症
甲状腺機能亢進症は、主に高齢の猫で見られる内分泌疾患です。食欲があるのに体重が減る、活動的になる、水をよく飲む、嘔吐や下痢などの症状が見られることがあります。治療には内服薬による管理などがあり、選択した方法によって必要になる費用は異なります。
内服薬で管理する場合は、薬を継続して与えるだけでなく、甲状腺ホルモンの値や腎機能などを確認するために定期的な血液検査が必要になることがあります。長期間にわたって治療を続ける場合、その分だけ通院費や検査費、薬代が積み重なります。
愛猫の健康を守るために準備したいこと

高額な検査や治療が突然必要になったとき、費用面だけを理由に治療の選択肢が大きく制限されないよう、愛猫が元気なうちから備えておくことが大切です。準備の方法としては、次のようなものがあります。
- ペット保険の補償内容を確認する
- 猫の医療費として貯蓄しておく
- 毎月かかる飼育費とは別に緊急用の資金を準備する
- 普段から通えるかかりつけの動物病院を見つける
- 夜間や休日に受診できる病院を確認しておく
- 愛猫の持病や服薬内容を把握しておく
ペット保険は商品によって加入できる年齢や補償割合、対象となる診療、年間の限度額などが異なります。すでに発症している病気や既往症については補償対象外になることもあるため、加入を検討する場合は条件をよく確認しましょう。
また、保険に加入していても、すべての診療費が補償されるとは限りません。保険とは別に一定額を貯蓄しておけば、急な検査や入院などにも対応しやすくなります。どの方法を選ぶ場合でも、「病気になってから考える」のではなく、健康なうちから家計に合った備え方を決めておくことがポイントです。
まとめ

慢性腎臓病や尿路疾患、糖尿病、がん、甲状腺機能亢進症などは、長期的な投薬や検査、入院、手術などによって治療費が高くなる可能性があります。ただし、実際にかかる費用は病気の進行度や必要な治療、通院期間、動物病院によって大きく異なるため、「この病気なら必ず高額になる」と一律に考えることはできません。
万が一のときに備え、愛猫が元気なうちからペット保険の検討や医療費の貯蓄など、自分に合った方法で経済的な準備をしておきましょう。そして、お金の備えと同じくらい大切なのが、日頃の健康チェックです。愛猫の「いつも」を把握し、気になる変化があったときに早めに動物病院へ相談できるよう、健康面と経済面の両方から準備しておきましょう。