シニア猫が『ご飯を食べたがらない』ときに疑われる原因3つ 見逃せないサインや取るべき対処法

シニア猫が『ご飯を食べたがらない』ときに疑われる原因3つ 見逃せないサインや取るべき対処法

今回は、シニア猫がご飯を食べたがらないときに疑われる主な原因を3つ紹介します。あわせて、注意したいサインや、飼い主さんが取るべき対処法についても見ていきましょう。

SupervisorImage

記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

1.口内トラブルや内臓疾患

猫の口の中

高齢の猫は、加齢によって口の中の環境が変化し、口内炎などを起こしやすくなることがあります。歯周病やウイルス感染症がきっかけになる場合もあり、痛みから食事を嫌がるケースも。よだれが増えた、口臭が強くなったなどの変化があれば、口の中を確認してもらうことが大切です。

また、消化器や腎臓、肝臓の病気、感染症、貧血、肺炎、熱中症など、病気が潜んでいる可能性もあるでしょう。特に慢性腎臓病では、初期から食欲が低下し、進行すると嘔吐や体重減少が見られることもあります。

さらに、十分に水分を取れず脱水状態になると、元気がなくなったり食欲が落ちたりする場合もあります。食べる量だけでなく、水を飲む量や体重、元気の変化にも目を向けてあげましょう。

2.加齢による生理的な変化

苦そうな顔の猫

年齢を重ねた猫は、歯や顎の力が弱くなり、これまで問題なく食べていたフードが噛みにくくなることがあります。また、体力が落ちて食事中の姿勢を保つことが負担になり、食べることを避けてしまう場合も。

さらに、嗅覚の衰えも食欲に影響します。猫はにおいを手がかりに食べ物を確認するため、嗅覚が鈍くなるとフードを魅力的に感じにくくなることがあるからです。加齢に伴って基礎代謝が低下すると、若いころほど多くのエネルギーを必要としなくなり、食べる量そのものが減る傾向も。

胃腸の働きがゆっくりになり、消化や栄養の吸収が落ちることもあるでしょう。以前と同じ量を食べると胃がもたれたり、不快感を覚えたりするのです。

3.ストレスや好みの変化

白黒猫とご飯

高齢猫が急にごはんを食べなくなったときは、病気だけでなくストレスも原因として考えられます。引っ越しや家族構成の変化、新しいペット、大きな物音などは、猫にとって負担になります。特にシニア猫は環境の変化に敏感で、落ち着いて食事できなくなることも。

触れ合いが減った寂しさや、動物病院へ行った後の緊張が影響する場合もあります。

また、フードへの不満が原因かもしれません。開封後に時間がたって香りや風味が落ちたり、食器のにおいが気になったりすることも。おやつの与えすぎで、普段のごはんを食べなくなる場合もあります。

見逃せないサイン

皿の前で佇む猫

食欲が落ちたときは、ほかに体調の変化がないかも確認しましょう。24時間以上まったく食べない、お水も飲まない、嘔吐を繰り返す、ぐったりしている、急に痩せたといった場合は、できるだけ早く動物病院へ相談してください。

特に24時間以上の絶食は注意が必要です。食べない状態が続くと、肝臓に脂肪がたまる「肝リピドーシス(脂肪肝)」につながることがあります。「高齢だから仕方ない」と考えず、早めに対応しましょう。

取るべき対処法

やわらかいフード

食欲が落ちたシニア猫には、まずフードを少し温めて香りを立たせる方法があります。嗅覚が衰えていても、食べ物に気づきやすくなるでしょう。

ドライフードが硬くて食べづらそうなら、ぬるま湯でやわらかくするのも一案です。

さらに、食器は猫が無理なく食べられる高さに調整し、首や関節への負担を減らしてあげましょう。

1回分を少量にして、1日3~4回に分ける「少量頻回給餌」も役立ちます。獣医師さんと相談した上で、好みの猫用トッピングを少量加えてもいいでしょう。

また、食事場所は静かで落ち着けるところを選び、食器も毎食後に洗って清潔に保ちましょう。

まとめ

老猫と飼い主

シニア猫がごはんを食べないときは、口腔内のトラブルやストレスなど、さまざまな原因が考えられます。「年齢のせいかな」と様子を見すぎず、食欲不振が続いたり、体重減少や元気の低下が見られたりした場合は、早めに動物病院へ相談しましょう。

日頃から食事量や体調の変化を確認しておくことが、愛猫の健康を守ることにつながります。

スポンサーリンク