猫と暮らして初めてわかる意外な習性

1.雪解けはある日突然
猫を迎え入れたばかりの頃、筆者は猫の頑なさに心が折れそうになりました。初めての場所、初めて会う筆者を警戒し、固まり、物陰に隠れて出てこないという状況が、1週間は続きました。猫との暮らしを諦めなければいけないかもしれないと、悩んだものです。
しかし、適度な距離を保ちながら必要最低限の世話を続けていると、ある日突然猫の方から近寄ってきてくれました。猫の飼い主初心者さんも、無理に距離を縮めようとせず、猫のペースに合わせて気長に見守りましょう。
2.想像以上の身体能力
猫が助走もせずに冷蔵庫や戸棚、レンジフードなどに軽々とジャンプするのを見て、その身体能力の高さに驚きました。猫は、1.5〜2m程度の高さまで、垂直にジャンプできるといわれています。
音もなく肩に飛び乗られたことも数えきれません。そのまま歩いたりかがんだりしても、絶妙にバランスを取って平然としている姿にも驚きました。
3.驚異の聴覚でお出迎え
筆者は普段一人暮らしですが、たまに両親が遊びにきます。その時に「何の前触れもなく、突然猫たちが玄関に向かっていったらお前が帰ってきたのでびっくりした」と言われたことがあります。
これは、玄関に近づく足音などを耳にし、それが筆者のものだと聞き分けた結果でしょう。待ってくれていたという嬉しさと共に、驚異の聴覚に驚きを禁じ得ませんでした。
4.激しい夜の運動会
就寝時に寝室の扉を開放しているため、初めての夜の運動会では、息をのむような思いをしました。3匹の猫たちが、次々と筆者のお腹にダイブしながら追いかけっこをしたのです。それ以来、就寝前に猫たちとおもちゃでしっかりと遊ぶのを習慣にしました。
5.猫の爪とぎは止められない
玄関脇や部屋の壁紙、普段猫たちがくつろいでいる椅子の脚などは、爪とぎの跡でボロボロです。しかし、爪とぎには、古くなった爪の外層をはがす、マーキング、ストレス発散などの役割があるため、猫にやめさせることはできません。
大切な家具は猫が入れない部屋に置く、よく爪とぎをする場所に防護シートを貼ってその近くに猫用の爪とぎ器を置くなどの対策で、愛猫に思う存分爪とぎができる環境を整える方が、飼い主さんのストレスも減らせるでしょう。
研究の知見から見えてくる奥深い猫の生態もご紹介

6.猫もやっぱり留守番は寂しい
本来単独で暮らしていた猫は、留守番に強いと言われていますが、本当でしょうか。長時間家を空けることの多い飼い主さんは、気になるところでしょう。スウェーデン農業大学の研究チームは、飼い主さんと猫が離れている時間が、猫にどう影響するのかを調査しました。
その結果、留守番中の猫の行動に大きな差はなく、帰宅後の行動に違いが見られました。外出時間が長いと、猫は帰宅した飼い主さんに喉をゴロゴロ鳴らしたりストレッチをしたりして、社会的交流を求めたのです。
この結果から、飼い主さんは猫の大切な社会的パートナーであり、長く離れた後には、より多くの交流を求めるようになることがうかがえます。
7.やっぱり猫は液体?
2017年に「猫の流動学について」という物理学の論文がイグ・ノーベル賞を受賞したことで、「猫は液体」という言葉が流行しました。猫は一定の体積をもちながら、容器に合わせた形に変化します。論文では、この様子を流動学の観点からユーモラスに考察しています。
これは、骨格が柔軟な構造であること、毛がふんわりしているため壁との間に隙間ができないこと、皮膚が伸びやすいことなどで生じる現象だと考えられています。
また、オランダのユトレヒト大学の研究チームが「シェルターの猫に隠れ場所を提供するとストレスが軽減されるか」を調査したところ、隠れ家用の箱が提供された保護猫は、提供されなかった保護猫よりもストレスが低いことがわかりました。
段ボール箱などの隠れ家は、家庭で暮らす猫にも安心できる環境を提供することにつながるでしょう。
8.ゆっくり瞬きで猫と仲良しになろう
猫は、相手からじっと見つめられると緊張や警戒を示すことがあります。しかし、目が合った場合にゆっくりと瞬きをすると、仲良くなれるともいわれています。
サセックス大学とポーツマス大学の研究チームは、「猫と人のコミュニケーションにおける目を細める動作の役割」について調査を行いました。その結果、飼い主がゆっくりと瞬きをした時の方が、猫もゆっくりと瞬きを返すことがわかりました。また、見知らぬ人がゆっくりと瞬きをした場合も、猫はポジティブな反応を示しました。
さらに、ゆっくりとした瞬きに反応する猫の方が、保護施設で新しい飼い主を見つけるのが早いという論文もあります。新しく猫を迎え入れる時は、早く仲良くなれるよう、ゆっくり瞬きを試してみてください。
9.汚いトイレは断固拒否!
猫は汚れたトイレを使いたがらないため、飼育頭数+1個のトイレを設置することが推奨されています。しかし、猫は何に嫌悪感を抱くのでしょうか。
アメリカミズーリ州にある、ネスレ・ピュリナ・リサーチの研究チームは、キレイな猫砂のみが入ったトイレと、知っている猫の排泄物(尿とふん)や、生理食塩水やゼラチンで作った人工の排泄物が入ったトイレを使い、多頭飼育の猫のトイレの好みを調査しました。
予想通り、一番人気は何も入っていないキレイなトイレでした。意外だったのは、排泄物のニオイや、自分のものか他の猫のものかについては、トイレの好みに影響しなかったことです。また、ニオイがしない人工の排泄物も、トイレ内にあることで猫の好みを左右しました。
猫は、誰の排泄物かやニオイよりも、トイレの中に「邪魔なもの」があることを気にしているのかもしれません。
まとめ

今回は、猫と一緒に暮らして初めてわかる猫の意外な習性や、研究で明らかになってきた猫の奥深い生態をご紹介しました。猫に対する好奇心を全開にしながら観察し、猫に関連した知見を集めることで、ますます愛猫への愛情が深まっていくのではないでしょうか。どうぞ、素敵な猫ライフをお過ごしください!