『ペットホテル』に預けられた猫が思っていること5つ 環境の変化による影響や帰宅した後の接し方まで

『ペットホテル』に預けられた猫が思っていること5つ 環境の変化による影響や帰宅した後の接し方まで

旅行や帰省などで、愛猫をペットホテルに預けることもあるでしょう。飼い主としては、「寂しがっていないかな」「怒っているかも」と気になるものです。猫にとってペットホテルは、においも音も人も普段とは違う環境です。そのため、滞在中に緊張したり戸惑ったりするだけでなく、帰宅してからもしばらく普段と違う行動を見せることがあります。ここでは、ペットホテルに預けられた猫に考えられる心理や、環境変化による影響、帰宅後の接し方について解説します。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

『ペットホテル』に預けられた猫が思っていること5つ

ペットホテルの猫

猫は慣れた環境を好む傾向があるため、突然知らない場所へ移動すると、まず周囲の安全を確認しようとすることがあります。滞在中の様子には個体差がありますが、次のような気持ちが隠れている可能性があります。

1.「ここはどこ?」

猫は自分の縄張りを大切にする動物なので、突然知らない場所へ連れてこられると、まず「ここは安全なのか」と周囲を警戒することがあります。

ペットホテルには、自宅とは異なるにおいや音、照明、食器、トイレなどがあり、猫にとっては多くの情報が一度に変化します。そのため、すぐに動き回るのではなく、ケージの奥でじっとしたり、隠れようとしたりすることもあるでしょう。

これは必ずしも強い恐怖を感じているとは限らず、まずは環境を観察して安全を確認している可能性もあります。慣れるまでに必要な時間は猫によって異なるため、無理に外へ出そうとしないことが大切です。

2.「知らない人や動物がいて不安…」

ペットホテルでは、普段とは違うスタッフがお世話をするほか、施設によってはほかの猫や犬の鳴き声、におい、気配を感じることがあります。

人見知りをする猫や、ほかの動物が苦手な猫にとっては、それだけでも緊張する原因になります。知らない人が近づくと体をこわばらせる、食事をすぐに食べない、排泄を我慢するなどの変化が見られることもあるでしょう。

特に普段静かな環境で暮らしている猫では、鳴き声や人の出入りが多い環境を刺激的に感じることがあります。事前にホテルの環境や猫の預かりスペースについて確認しておくと、愛猫に合った施設を選びやすくなります。

3.「いつものおうちに帰りたい」

慣れ親しんだ寝床やお気に入りの場所、飼い主のにおいがないことで、落ち着かない猫もいます。

猫が人間のように「あと何日で帰宅できる」と理解しているとは考えにくいため、「帰りたい」と具体的に考えているというより、いつもの環境との違いに戸惑い、安心できる場所を求めていると考えたほうがよいでしょう。

ホテルへの持ち込みが認められている場合は、普段使っている毛布やタオルなど、自宅のにおいがついた物を用意すると安心材料になることがあります。ただし、施設によって持ち込みできる物は異なるため、事前に確認してください。

4.「そっとしておいてほしい」

緊張している猫が、必ずしも人へ甘えて安心しようとするとは限りません。

不安なときほど、できるだけ目立たない場所でじっとしていたり、人が近づくと奥へ下がったりする猫もいます。これはスタッフを嫌っているというより、「今は刺激を増やさず静かにしていたい」という気持ちの表れである可能性があります。

無理に撫でたり抱き上げたりするより、自分から近づいてくるまで必要以上に構わないほうが落ち着ける猫もいます。ホテルを選ぶ際は、その猫の性格や触れ合いの好みをスタッフへ伝えておくとよいでしょう。

5.「やっと帰ってきた!でもちょっと疲れた…」

自宅へ帰ったからといって、すぐにいつもの様子へ戻るとは限りません。

帰宅するとすぐ隠れる、飼い主に対してそっけなくなる、長時間眠るなどの変化が見られることがあります。反対に、飼い主の後をついて回ったり、普段以上に体を寄せたりして、甘えるようになる猫もいるでしょう。

こうした行動は、「ホテルに預けたから飼い主を嫌いになった」というより、慣れない環境や移動で疲れ、自宅で再び安心できる状態へ戻ろうとしている可能性があります。帰宅直後の反応だけで関係が悪くなったと判断せず、愛猫が自分のペースを取り戻すまで見守ってあげましょう。

環境の変化は猫にどんな影響を与える?

ごはんを食べない猫

猫は環境の変化に敏感なため、ペットホテルへの移動や滞在がストレスになることがあります。特に、知らない場所や音、人、ほかの動物の気配など複数の変化が重なると、普段とは違う行動や体調の変化が見られることがあります。

  • 食欲が落ちる
  • 水を飲む量が変わる
  • 隠れている時間が増える
  • 睡眠時間や活動時間が変わる
  • 過剰に毛づくろいする
  • 排泄を我慢する
  • 下痢や嘔吐が見られる
  • 普段より鳴く、または静かになる
  • 帰宅後に甘え方や距離感が変わる

また、多頭飼いの場合は、ホテルから帰宅した猫に自宅とは異なるにおいがついていることで、留守番していた猫が警戒することがあります。普段は仲の良い猫同士でも、威嚇したり距離を取ったりすることがあるため注意が必要です。

その場合は無理に近づけず、必要に応じて一時的に別室で過ごさせ、においや雰囲気が落ち着いてから少しずつ再び対面させましょう。

ペットホテルから帰宅した後の接し方

隠れる猫

帰宅した愛猫を見ると、「寂しかったでしょう」とたくさん構いたくなるかもしれません。しかし、まずは猫が安心できる自宅の環境でゆっくり休めるようにすることが大切です。

キャリーから無理に引っ張り出さず、扉を開けて自分から出てくるのを待ちましょう。いつもの水やフード、トイレ、寝床などを用意し、できるだけ普段通りの生活環境とリズムへ戻してあげます。

猫が自分から近づいてきたら、様子を見ながら声をかけたり、好む場所を優しく撫でたりして構いません。一方で、ベッドの下などへ隠れた猫を追いかけたり、無理に抱き上げたりするのは避けましょう。

また、帰宅後は食事量や飲水量、排尿・排便、嘔吐の有無なども確認してください。食べない状態が続く、尿が出ない、何度も吐く、下痢が続く、ぐったりしているなど、明らかな異常がある場合は「ホテルで疲れただけ」と決めつけず、早めに動物病院へ相談することが大切です。

まとめ

旅行の準備

ペットホテルに預けられた猫は、知らない場所や人、ほかの動物の気配など、普段とは異なる環境に戸惑ったり警戒したりすることがあります。隠れて過ごす猫もいれば、比較的早く環境へ慣れる猫もいるなど、反応には大きな個体差があります。

帰宅後にそっけなくなったり、長く眠ったりしても、飼い主を嫌いになったとは限りません。反対に、普段以上に甘えることで安心しようとする猫もいます。

大切なのは、帰宅したからと急に構いすぎず、愛猫が自分のペースで「いつもの生活」に戻れるよう見守ることです。普段通りの環境と生活リズムを整えながら、食事や排泄、行動に異常がないかも確認してあげましょう。

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