猫が顔の近くで寝ようとする理由

飼い主さんの顔の近くで寝るということは、寝ている自分の姿を飼い主さんに無防備に晒すということです。つまり、顔の近くで寝たがる猫は、少なくとも飼い主さんのそばを安心して眠れる場所だと感じていると考えられます。その上で、さらに顔の近くで寝たがる理由を考えてみましょう。
1.甘えたい
書籍やテレビで動物のユニークな生態をわかりやすく解説している動物学者の今泉忠明氏によると、猫は「野生猫気分」「飼い猫気分」「子猫気分」「親猫気分」という4つの気分をクルクルと入れ替えながら暮らしているそうです。
また一般的に、「無防備な寝姿が丸見えになる顔の近くで寝る猫は、飼い主さんに甘えたい気持ちが強い」と考えられています。つまり、飼い主さんの顔の近くで寝たがる猫は、子猫気分でいる時間が長い猫だと言えるかもしれません。
2.安心したい
顔の近くは、飼い主さんの息遣いやニオイを強く感じられる場所です。そのため、飼い主さんの存在を強く感じながら、心から安心して寝たい猫も、顔の近くで寝たがるでしょう。
3.枕が欲しい
顔の近くで寝ると、飼い主さんの枕に自分の頭を乗せたり、飼い主さんに腕枕をしてもらえたりと、猫自身も心地よい体勢で寝られることが多いです。寝心地の良さから、顔の近くを好むケースもあるでしょう。
4.朝すぐに起こしたい
顔の近くにいれば、飼い主さんが目覚めたことにすぐ気付けるだけでなく、鳴いたり顔に触れたりして起こすこともできます。そのため、朝に弱い飼い主さんを起こして、朝食やトイレ掃除などの要求をすぐに伝えたいという目的で、顔の近くで寝たがるケースもあるようです。
猫は薄明薄暮性といって、夕暮れ時や明け方に活動が活発化しやすい行動パターンを持っています。そのため、一度起きていろいろ活動した後に、飼い主さんの起床時間を見計らって顔の近くに戻り、待機しているケースもあるようです。
5.寝相の被害が少ない
中には、かなり大胆な寝返りを頻繁に打つ飼い主さんもいることでしょう。その場合、いくら暖かくても布団に潜り、飼い主さんのお腹や股の間などで寝ると、被害を被る場合があります。
そこで、過去の経験から、寝返りの影響を受けにくい顔の近くを選ぶようになった猫もいることでしょう。
顔の近くで寝ようとする猫への応え方と注意点

基本的には受け入れてあげましょう
子猫気分が強く、甘えたい気持ちが絶好調の猫の場合、顔の近くで寝ていると、飼い主さんの顔を舐めたり覆い被さるような姿勢になったりと、寝苦しいと感じる飼い主さんもいるようです。
しかし、大好きな愛猫が目の前で寝てくれることを、愛猫からの愛情表現だと受け取る飼い主さんもいます。もし、愛猫が顔の近くで寝ることが嫌でなければ、ぜひ受け入れて一緒に寝てあげましょう。
猫の爪はこまめに切っておきましょう
ただし、猫と一緒に寝る場合には、注意すべきこともいくつかあります。特に顔の近くで寝たがる猫には、こまめに爪切りを行いましょう。猫が目を覚ました直後の伸びなどの際に、爪を伸ばして飼い主さんの顔を傷つけてしまうこともあり得るためです。
衛生管理はしっかりと
顔の近くにかかわらず、愛猫と一緒に寝る場合は、寝具類の衛生管理やノミ・マダニなどの寄生虫予防、ワクチン接種による感染症予防にも気を遣いましょう。
完全室内飼育の場合でも、外からノミやマダニなどが持ち込まれる可能性はゼロではありません。また、暖房などで年間を通して暖かい室内では、ノミなどが季節を問わず繁殖できる場合もあります。愛猫のためにも飼い主さん自身のためにも、衛生管理と感染症予防をしっかりと行いましょう。
自由にトイレに行ける環境を確保すること
愛猫が夜中に自由にトイレに行けるよう、寝室の扉は開けておくことをおすすめします。ただし、家電品の音が気になるなどで、扉を閉め切って眠りたい飼い主さんもいることでしょう。その場合は、寝室内にトイレを設置してあげましょう。
長時間トイレに行けずに排泄を我慢するような環境は、猫の大きなストレスになります。また、我慢しきれず寝具などへ粗相してしまう可能性もあります。愛猫のためにも飼い主さんのためにも、夜中の愛猫のトイレは優先事項です。
顔の近くで寝てほしくない場合の対処法

妊婦さんがいるなど、人の顔の近くや一緒の布団では寝てほしくないというケースもあるでしょう。その場合は、寝室を出入り禁止にして、別室に猫用の快適な寝床を用意しましょう。また、夜間の就寝時に愛猫をケージ内で過ごさせるのであれば、十分な広さや必要な設備を確保しましょう。
最初は寝室に入りたがるかもしれません。しかし、夜間は別の場所で寝ることを習慣化すれば、自分の寝床で落ち着いて過ごせるようになることもあります。また、夜間は別々に過ごしても、昼間の時間帯にしっかりとコミュニケーションを取ることで、良好な関係を築いていくことはできます。
まとめ

猫は、家の中で最も居心地の良い場所を探す天才だと言われています。真冬の寒い夜は飼い主さんの布団に潜り込み、真夏の暑い時期には冷たい床の上で寝るなど、猫が環境やその時々の気分で寝る場所を変えることは、ごく当たり前の行動です。
ですから、基本的には猫の気持ちを尊重しながら、愛猫と飼い主さんの双方が心地よい睡眠を取れるような環境を整えましょう。いくら愛猫と一緒に寝たいからといって、間違っても愛猫を無理やり布団の中に引きずり込むような真似はやめましょうね!