猫が「舌打ち」に反応する5つの理由

1.小動物や虫の音に似ているから
猫はもともと、ネズミなどの小さな動物や虫を捕まえて暮らしていたハンターです。舌打ちの「チッ」という高く短いはじける音は、小動物が落ち葉を踏む音や、虫が動く音によく似ています。
そのため、猫はこの音を聞くと「近くに獲物がいるかもしれない!」と本能的に思い、パッと反応してしまいます。
飼い主がイライラして出した音であっても、猫にとっては狩りのスイッチが入る音に聞こえていることもあるのです。
2.高くて急な音が苦手だから
猫の耳は、とても高い音を聞き取るのが得意です。しかしその反面、急に響く高い音にはとても敏感で、恐怖や不快感を感じやすい特徴があります。
舌打ちは予告なく急に「チッ」と高い音がでるため、猫にとっては突然近くで大きな風船が割れたかのような強い刺激になることも。
人間でいうと、耳元で急に口笛を吹かれたようなショックを受けるため、驚いて逃げ出したり、体をこわばらせたりしてしまうのです。
3.嫌な出来事を思い出してしまうから
猫は自分の記憶と音を結びつけて覚えるのが得意です。もし過去に、舌打ちの音を聞いたあとに怒られたり、嫌なことをされたりした経験があると、その記憶が強く残ってしまいます。
すると「この音が鳴ると嫌なことが起きる」と学習してしまい、舌打ちを聞いただけで不安や恐怖を感じるようになります。
トラウマのような状態になり、音を聞いただけでビクビクと怯えて隠れてしまうようになるのです。
4.警戒心を刺激されるから
猫はとても警戒心が強い生き物です。縄張りの中で暮らしているため、聞き慣れない音や変な音がすると「自分の陣地に敵がきたのかな?」「危険が迫っているのかな?」と警戒します。
舌打ちは自然界にはあまりない不自然な音なので、猫を無駄に緊張させてしまうのです。音の正体が分からないあいだ、猫は「何か悪いことが起きるかもしれない」と強い不安を感じて、まわりをキョロキョロと見渡すようになる場合もあります。
5.飼い主の怒りやイライラを感じ取るから
猫は飼い主の表情や部屋の雰囲気をよく観察しています。人間が舌打ちをするときは、無意識のうちに体に力が入ったり、イライラした空気がでるものです。
猫はその空気の変化を見逃しません。音そのものだけでなく「大好きな飼い主が怒っている」「なんだか部屋の空気がこわい」と感じ取り、怖がって反応してしまうのです。
飼い主の気持ちが不安定になると、猫も同じように心を痛めてしまいます。
舌打ちの音で発作が起きるケースとは?

単に驚くだけなら良いのですが、音などの刺激が発作につながる持病を持っているケースもあります。
これは「聴原性てんかん」と呼ばれるもので、高くて急な音を聞くことで脳がパニックを起こし、体に異常が出てしまう状態です。
舌打ちや鍵のカチャカチャする音、ビニール袋をシャカシャカ鳴らす音などがきっかけになります。
発作が起きると急に体が震えたり、倒れて足をバタバタさせたり、ボーッとして返事をしなくなったりすることも。てんかん発作を起こしたことのある猫やシニアの猫に多く見られるため、愛猫が高齢でてんかんを持病に持つ場合は特に注意してあげましょう。
愛猫の健康を守るために飼い主ができる対策

愛猫が音で苦しまないようにするためには、まず飼い主が生活の中で出す音に気をつけることが一番大切です。
無意識に出てしまう舌打ちは意識して減らし、鍵やスプーンなどがぶつかる「カチャカチャ」という高い音もなるべく出さないように工夫しましょう。
もし猫が音に驚いて発作を起こしてしまった場合は、あわてずに静かに見守ることが大切です。大きな声を出すと余計に興奮してしまうので、部屋を暗くして静かにし、危険な家具を遠ざけて猫がケガをしないように守ってあげてください。
まとめ

猫が舌打ちに反応するのは、狩りの本能や高い音が苦手な耳の仕組み、飼い主の気持ちを感じ取る賢さがあるからです。
そして何より、舌打ちのような高い音は、猫にとって大きなストレスになるだけでなく、急な発作を引き起こす危険さえ秘めています。
愛猫が安心して暮らせるように、日ごろから静かでやさしい環境を作ってあげましょうね。