猫にも人にも脅威となる『重症熱性血小板減少症候群(SFTS)』主な症状や感染経路、予防策を解説

猫にも人にも脅威となる『重症熱性血小板減少症候群(SFTS)』主な症状や感染経路、予防策を解説

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、マダニが媒介するウイルス性の感染症で、猫や犬などのペットだけでなく、人間にも感染する「人獣共通感染症」の一つです。国内でも感染者が報告されており、重篤化すると死に至ることもあります(致死率は60%)。そこで今回は、猫のSFTSの主な症状や感染経路、効果的な予防策について詳しく解説します。愛猫と自分自身を守るため、正しい知識を身につけましょう。

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

猫の重症熱性血小板減少症候群の症状は?

.カーペットの上に寝転ぶ猫

発熱・食欲不振

SFTSに感染した猫は、高熱が続いたり食欲が著しく低下したりすることがあります。

元気がなくなり、ぐったりとした様子が見られるため、普段と異なる行動が続く場合は注意が必要です。

症状が急速に進行することもあるため、早めに動物病院を受診しましょう。

嘔吐・下痢

消化器症状として、嘔吐や下痢が現れることがあります。これらの症状が続くと脱水状態に陥る危険があり、猫の体力を急激に奪います。

他の消化器疾患と症状が似ているため、マダニへの接触歴がある場合は獣医師にその旨を伝えることが大切です。

神経症状・出血傾向

重症化した場合、ふらつき・けいれんなどの神経症状や、血小板が減少することによる出血傾向が見られることがあります。

歯茎や皮膚からの出血、血便などが確認された場合は、速やかに動物病院を受診してください。

猫の重症熱性血小板減少症候群の感染経路は?

首を掻いている猫

マダニによる感染

SFTSの主な感染経路は、SFTSウイルスを保有するマダニに咬まれることです。

猫が屋外を自由に歩き回ることでマダニが付着し、吸血の際にウイルスが体内に侵入します。

特に春から秋にかけてマダニの活動が活発になるため、この時期は特に注意が必要です。

感染動物との接触

感染した猫や野生動物との直接接触によっても感染する可能性があります。

感染した動物の血液・唾液・分泌物などにウイルスが含まれているため、外猫との接触や野良猫との喧嘩なども感染リスクとなります。

多頭飼育の場合は特に注意が必要です。

人への感染

SFTSは人獣共通感染症であり、感染した猫から人間に感染した事例が国内でも報告されています。

感染猫の血液・体液・排泄物などに触れることで飼い主にも感染するリスクが生じます。

感染が疑われる猫に触れる際は、手袋やマスクを着用するなど十分な注意が必要です。

猫の重症熱性血小板減少症候群の予防策は?

薬を食べる猫

マダニ予防薬の使用

SFTS予防の基本はマダニ対策です。

動物病院で処方されるスポットオン製剤や経口薬など、マダニ忌避・駆除効果のある予防薬を定期的に使用しましょう。

特に春〜秋の活動シーズン前から対策を始めることが効果的です。使用する薬剤については獣医師に相談して選んでください。

屋外への外出制限

猫を完全室内飼育にすることで、マダニに咬まれるリスクを大幅に減らすことができます。猫は室内で飼育しましょう。

どうしても猫が外に出る場合は、必ず駆虫薬での予防を行い、外から帰った際はマダニが付着していないか確認する習慣をつけることも重要です。

飼い主自身の感染予防

猫の体調異変に気づいた際は素手で触れることを避け、使い捨て手袋を着用しましょう。

猫の世話をした後は必ず石けんで手をよく洗い、目や口を触らないよう注意してください。

また、人間もマダニ対策として野外活動時には長袖・長ズボンを着用し、肌の露出を最小限にすることが大切です。

まとめ

猫を抱きしめる女性

SFTSは、猫にとっても飼い主にとっても命に関わる重大な感染症です。

猫が感染すると発熱や嘔吐から始まり、最悪の場合は命を落とすだけでなく、猫を通じて人にもウイルスがうつるリスクがあります。十分注意が必要です。

それでは今回の記事のまとめを見てみましょう。

  • 初期症状(発熱・食欲不振・嘔吐)を見逃さない
  • 猫の場合、致死率は60%と高い
  • マダニが主な感染源であり、猫から人へもうつる
  • 動物病院での駆除薬と完全室内飼育が最大の予防策

もし猫にマダニが付着しているのを見つけても、無理に素手で引き抜こうとせず(頭部が残る恐れがあるため)、動物病院を受診してください。

正しい知識を持って、大切なパートナーとの安全な暮らしを守りましょう。

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