子猫の未来を守る『8週齢規制』とは?必要な理由と知っておきたい基礎知識2つ

子猫の未来を守る『8週齢規制』とは?必要な理由と知っておきたい基礎知識2つ

ふわふわで愛らしい子猫。「できるだけ早くお迎えしたい」と思う気持ちは自然です。しかし、生後すぐ親元を離れると心と体の成長に影響を与えることも。子猫を守るための「8週齢規制」について学んでいきましょう。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

「8週齢規制」とは

鉢植えに入る2匹の子猫

生後8週(56日)に満たない子猫や子犬を販売したり、販売のために展示したりすることを禁止したルールです。2021年6月1日から、日本の動物愛護管理法に基づいて正式に施行されました。

この規制の対象となるのは、ペットショップやブリーダーなどの登録業者(第一種動物取扱業)です。一般の飼い主が子猫を知人に譲る、保護活動をしているボランティアから引き取るといったケースには、このルールは適用されません。

規制が必要な理由

母猫と子猫

免疫・栄養を獲得する

母猫の母乳は、タンパク質やタウリンといった栄養素の宝庫。特に、生後24時間以内に飲む母乳(初乳)には、母猫の抗体も含まれています。

生後4~8週間の「離乳期」までに子猫が母乳を十分に飲めないと、体が十分に成長しなかったり、感染症にかかりやすくなったりする恐れがあります。そうした事態を防ぐために、8週齢までは母猫から引き離してはいけないとされています。

社会性を身につける

子猫は、母猫や兄弟と生活する中で、社会性や猫としての行動様式を学んでいきます。母猫からトイレの使い方やグルーミング(毛づくろい)の仕方などを教わります。

また、兄弟とじゃれあったりケンカをしたりして、他の猫との適切な距離や噛む力を加減するといったコミュニケーション能力を身につけていきます。この時期に親元を離れると、極端に攻撃的になったり臆病になったりするなど、親猫や兄弟猫と長く一緒にいた猫と比較して性格に変化が見られる可能性があります。

基礎知識2選

遊ぶ子猫たち

1.すでに定着している国も

ドイツやスウェーデンといった諸外国では、8週齢規制がすでに導入されています。さらに、フランスでは2024年以降、ペットショップで猫と犬を販売することが禁止されています。

今回行われた改正によって、日本も国際的な水準に追いついたことになりますが、世界的に見ると、生体販売に関するルールは厳しさを増しているといわれています。

2.飼い主としてできること

まずは、ペットショップやブリーダーから迎え入れる際に、生後8週間を経過しているか確認しましょう。ルールを守っていない業者から購入しないという選択も一つの手段です。

迎え入れた後には、人間と触れ合ったり、掃除機やテレビなど生活音に慣れさせたりして社会化が進むよう、無理ない範囲でトレーニングを行うと良いでしょう。

ワクチン接種や爪切りなどのケアも含めて、分からないことや心配事を気兼ねなく相談できるよう、獣医師や動物福祉施設などと連携を取っておくこともおすすめします。

まとめ

子猫を抱く手

「8週齢規制」は、生後56日未満の子猫の販売を禁止することで、心と体の成長を促すための大切なルールだとお分かりいただけたでしょうか。

母猫や兄弟と過ごす日々は、健康な体を作り、社会性を育むかけがえのない時間です。しかし、規制はあくまでも一定の基準を示したものであり、重要なのは私たちがその意味をしっかり理解して行動すること。

「子猫を家族に迎え入れたい」と思ったときには、急がず、焦らずにその子の成長を尊重することが、将来の穏やかで幸せな日々につながります。

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