猫が感じることができる4つの「味覚」

人間は「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」「旨味」の5つの味を感じますが、猫がはっきりと感じているのは、そのうちの4つだけです。
1.酸味:食べ物が腐っていないか判断する
猫にとって「酸味」は、単においしいかどうかを決めるものではなく、その食べ物が安全に食べられるかをチェックするための重要なアンテナです。
野生の世界では、放置された肉はすぐに腐敗が始まり、酸味を帯びてきます。猫は酸っぱさを敏感に察知することで、「これは古くなってバイ菌が増えているから食べてはいけない」と本能的に判断しているのです。
そのため、あまりに酸っぱい匂いや味がするものに対して、多くの猫は警戒心を持って避ける傾向があります。
2.苦味:毒や危険なものを見分ける
「苦味」もまた、猫が生きていく上で欠かせない拒絶反応のひとつです。自然界に存在する毒物や植物の多くは強い苦味を持っているため、猫は舌で苦さを感じると「これは体に毒だ!」と判断して吐き出そうとします。
猫が薬を飲むのを嫌がったり、泡を吹いて吐き出そうとしたりするのは、この生存本能が非常に鋭いためです。
飼い主が良かれと思って与えるサプリメントなども、苦味が強いと猫にとっては命の危険を感じるサインになってしまうことがあります。
3.塩味:体に必要なミネラルを感じる
「塩味」は、体内の水分バランスを保つミネラル分を摂取するために必要な感覚です。ただし、猫は人間ほど塩分を強く欲しがることはありません。
獲物となる小動物の血液や肉から、生きていくために必要な分だけの塩分を自然に摂取できているからです。
人間がおいしいと感じる味付けの食べ物は、猫にとっては塩分が強すぎて腎臓や心臓に大きな負担をかけてしまう可能性があります。
猫が感じる塩味の範囲は狭いため、専用のキャットフード以外の味付けされた食事は与えないよう注意が必要です。
4.旨味:お肉などのタンパク質を感じる
以前の研究では、猫は「旨味」を感じないと考えられていた時期もありました。しかし、最新の研究によって、猫の舌にも旨味をしっかりと感じ取るセンサーがあることが判明したようです。
猫にとっての旨味とは、お肉やお魚に含まれるアミノ酸などの栄養そのものです。特に肉食である猫にとって、タンパク質が豊富に含まれていることを教える「旨味」は、食事の満足度を左右する最も大切な要素と言えます。
現在は、この旨味成分を活かした美味しいキャットフードがたくさん作られています。
猫が「おいしい」と判断するポイント

猫がごはんを目の前にして「おいしそう!」と決める基準は、実は味だけではありません。最も影響を与えるのは「におい」です。
猫の嗅覚は人間の数万倍とも言われ、まず鼻でクンクンと匂いを嗅ぎ、それが自分の食べ物かどうかを確認します。次に大切なのが「舌触りや形」です。ザラザラした舌で舐めとったときの感触や、噛みごたえが好みでないと、プイッと横を向いてしまうこともあります。
また、冷蔵庫から出したての冷たいものより、獲物の体温に近い「人肌程度の温かさ」があるものを好む傾向があります。
猫が好みやすい味の傾向

猫が好む味の代表は、やはり肉や魚に含まれる「旨味」です。本能的に高タンパクな食事を求めているため、良質な動物性タンパク質がたっぷり入ったごはんを喜びます。
また、意外なことに、ごくわずかな「酸味」をアクセントとして好む猫もいます。さらに、効率よくエネルギーを摂取するために、脂質のコクや香りも大好きです。
反対に、植物由来の甘い味には興味を示さないことが多いので、無理にフルーツやスイーツを与える必要はありません。
愛猫が「食べ飽きた」様子を見せるときは、味そのものよりも香りの強いものを選んであげると良いでしょう。
食欲がないときの工夫

もし愛猫の食欲が落ちているときは、猫の感覚を刺激する工夫をしてみましょう。一番効果的なのは、ドライフードを少しだけ電子レンジで温めたり、ぬるま湯をかけたりして「香りを立たせる」ことです。
匂いが強くなることで、食欲のスイッチが入りやすくなります。また、パウチなどのウェットフードを少し混ぜて、舌触りを滑らかにしてあげるのもひとつの手です。
味を濃くするのではなく、猫が本能的に好きだと感じる「匂い・温度・食感」を調整してあげることが、美味しく食べてもらうための秘訣です。
まとめ

おいしさの判断は味覚だけでなく、鋭い嗅覚や食べ物の温度、食感に大きく左右されます。
飼い主が猫特有の味の好みや習性を理解し、五感を刺激する工夫をしてあげることで、愛猫の毎日の食事をより豊かで楽しい時間にしてあげましょうね。