1.日本:ジャパニーズボブテイル

古代からいる日本原産の希少種が、ジャパニーズボブテイルです。最大の特徴は、個々の猫でそれぞれに異なる形をしたポンポンのような短い尾です。他にも、つり上がった目、ピンと立った耳、エレガントな細身でありながら筋肉質で運動能力の高い身体と長い脚を持つ、中型の猫です。白、黒、茶、白黒、サビ、三毛などさまざまな色があります。
元々の日本に土着の猫はおらず、6世紀頃までの間に、中国や韓国から入ってきたと考えられています。それ以降の美術品には、短尾の猫が数多く登場します。中国や日本では、猫は幸福と繁栄の象徴とされており、江戸時代頃から作られ始めた「招き猫」は、ジャパニーズボブテイルがモデルになったと言われています。
2.中国:ドラゴンリー(チャイニーズリーファ)

ドラゴンリーは、古代に中国で自然発生したと考えられている希少種です。物静かで愛情深く、知能の高い猫です。革命家のチャオ・シャンツァイは、新聞を取ってくるようにしつけていたという逸話も残されています。
ずんぐりした筋肉質で、がっしりした長方形の胴と幅の広い胸部を持つ中型の猫です。色はブラウンとマッカレル・タビー(縞模様)のみです。ドラゴンリーは古代からいた猫ですが、アメリカや中国国内で1品種として認められたのはごく最近で、2003年に北京で開催されたキャットショーでデビューを果たしました。
3.タイ:サイアミーズ(シャム)

日本でも高い人気のサイアミーズは、タイでは一般的によくみられる猫で、古代の王室(当時の国名はシャム)で大切に育てられた猫種です。1350〜1767年のアユタヤ王朝時代に書かれた「猫の詩」が、サイアミーズが登場する最も古い文献です。
筋肉質ですが全体的にスレンダーで、細い脚と先端が細い長い尾を持つ、エレガントな容姿と気品のある雰囲気が魅力的な中型の猫種です。光沢のある密生した短毛を持っていますが、認められている色は登録団体によって異なります。性格は気難しいものの、遊び好きで寂しがり屋、そしてよく鳴く愛情深くて賢い猫です。
4.タイ:コラット

コラットは、元々はシャム(現在のタイ)でよく見られた猫でしたが、現在では希少な存在になりました。短くて艶やか、光沢のあるシルバーブルー1色の被毛で、体は胸部の幅が広くて少しずんぐりした体型の、小型〜中型の猫種です。
タイではシ・サワットと呼ばれることもあります。シは色、サワットは幸運やグレーと淡いグリーンが混じった色を表す言葉です。とても愛情深くて賢く、遊び好きで活力あふれる性格をしています。
5.ミャンマー:バーマン

バーマンは、古代のビルマ(現在のミャンマー)の寺院で飼われていた猫が祖先だという説が有力な、ミャンマーでは一般的によく見られる猫種です。がっしりとした体型に、つま先から第2または第3関節まで見られる「グローブ」と呼ばれる白い模様と「レース」と呼ばれる後肢裏側の白い模様が特徴の、中型〜やや大型の猫種です。
生まれた時は全身が白の1色だけで、成長するまでしばらくは模様が出てきません。性格はとても穏やかでおとなしい猫です。要求するようなことはあまりなく、家族と一緒に遊んでもらいながら楽しく過ごすことが大好きな猫です。
6.ミャンマー:バーミーズ

近現代の猫種で、バーミーズとしての起源は1930年代のアメリカになります。しかしそもそもの祖先にまで遡ると、アユタヤ王朝時代に書かれた「猫の詩」に、サイアミーズやコラットと共に登場しています。
中型のサイズで、がっしりした筋肉質で引き締まった体をしています。まっすぐで中位の長さの尾を持っています。被毛はとても短く光沢を持ち、サテンのような滑らかな手触りがします。濃い茶やチョコレート、ライラック、ブルーなどの色が認められています。
7.シンガポール:シンガプーラ

近現代の猫種で、シンガポールに生息していた野良猫から自然発生した、希少な猫種です。イエネコの中では最も小さいと言われる猫種で、まるで天使を思わせるような愛らしい姿をしています。
代表的な色はセピア・ティックド・タビーという、地の深いアイボリーの色にセーブルの差し色が入った毛並みをしています。とても好奇心が強く、知的な猫で、イタズラや遊びが大好きな愛情深い猫です。
まとめ

一口に「アジアの猫」と言っても、その姿は実に多彩です。短い尾を持つ猫や、ほっそりと優雅な体型の猫、世界最小とされる愛らしい猫など、特徴はさまざま。しかし、いずれも知的で活発、そして愛情深い性格を持つ猫が多いといえるでしょう。
旅行でアジア各地を訪れる際には、街中で出会う猫たちにも目を向けてみると、新しい発見があり、旅の楽しみがさらに広がるかもしれません。