1.食欲不振や飲水量の低下

猫の夏バテは、人間の夏バテの症状とよく似ています。代表的なのは、食欲の低下です。夏は人間も食欲がなくなることがありますが、猫もまた普段より食べなくなることがあります。
ご飯を食べる量が減ると、当然ながら体力も落ちてしまいます。体力が落ちると余計に食べることが億劫になり、どんどん悪循環に。フードを柔らかくしたり、トッピングしたり、なるべく食べやすい形状にしてみましょう。
また、飲水量が減ることもあります。飲水量が減るとおしっこの量も減り、猫がなりやすい泌尿器系疾患のリスクも上がります。中には脱水症状まで起こすケースもあるため、注意が必要です。
2.嘔吐や下痢がある

猫の夏バテは、消化器系の症状として現れることもあります。高温多湿な環境が、消化器官に負荷をかけることがあるためです。嘔吐や下痢が何日か続いた場合、夏バテを疑ってみてもいいでしょう。もちろん他病気の可能性も高いので、勝手な判断はせずすぐに病院に連れていきましょう。
下痢や嘔吐が続くと、体重減少にもつながります。当然ながら、消化器官が不調だと食欲も出ません。ご飯を食べられず、深刻な栄養不足に陥ることも。猫は吐きやすい動物ではありますが、普段以上に嘔吐しているようなら動物病院に連れて行きましょう。
3.ぐったりしている

夏バテが進むと、体力がなくなってぐったりしてしまうこともあります。寝てばかりいたり、ご飯の時間になっても起きなかったり…。明らかに普段より動きが少ない場合は、夏バテになっている可能性があるでしょう。
もちろん、猫はもともと長時間寝る習性があります。ぐったりしているのか、寝ているだけなのか、判断が付かないこともあるかもしれません。そんなときには、大好きなオヤツやオモチャを出してみてください。それでも動く気配がなければ、不調を感じているかもしれません。
熱中症など、様々な病気でもぐったりしますので、様子を見ないで必ず病院に相談するようにしてください。
猫の夏バテの対処法

室温を快適に保つ
夏バテの大きな原因として、室温が高すぎることが挙げられます。猫が快適に過ごせる温度は25℃前後。エアコンや扇風機を活用して、室温が上がり過ぎないようにしましょう。また、夏バテを防ぐには湿度も重要です。定期的に部屋の換気をして、湿度を50~60%に保ちましょう。
寒すぎたり暑すぎたりしないよう、家の中でも自由に移動出来るようにすることが理想です。普段過ごす場所にはキャットタワーやキャットウォークを設置して、エアコンや扇風機で冷えすぎたときに逃げられる環境を作るのがおすすめです。
水を飲む工夫をする
夏場の猫は、普段以上に水を飲まなくなることがあります。暑くて動くのが億劫になってしまったり、そもそも食欲が落ちていたりするのが原因です。そこで、猫が積極的に水を飲めるように工夫してみてください。
水を飲む場所、水の温度、器の形状など、猫によってさまざまなこだわりがあります。家の中にいくつか異なる水飲み場を作ると、愛猫が好むものがわかりやすくなります。流水タイプを好む猫もいるので、自動で循環する給水機を使うのもひとつの手です。
栄養補給に気を配る
ただでさえ夏は食欲が落ちるので、栄養が偏らないよう注意が必要です。とくに、食べものに飽きてしまうのが最大の問題でしょう。日頃から、いくつかのキャットフードに慣れさせておくことも大切です。
キャットフードは、総合栄養食が基本となります。嗜好性を重視するばかりにトッピングやオヤツに偏ってしまうと、健康が損なわれる可能性も。ドライタイプ、ウエットタイプなどさまざまな総合栄養食がありますので、ぜひ色々と試してみてください。
まとめ

猫は人間のように汗をかいて体温調節することが出来ません。そのため、より夏バテになりやすいといえます。食事や水に充分気を付けて、暑い夏を快適に過ごせるようサポートしてあげてください。
ちなみに、夏バテは「熱中症」とは異なり、急激に症状が現れるわけではありません。気が付いたときには他の病気に移行している場合もありますので、愛猫の変化には充分注意してあげましょう。