1.室内を適温に保つ

愛猫の留守番中に、最も気をつけたいのは、室内を適温に保つことです。猫は気温の変化に敏感な動物で、不快な状態が続くと、体調を崩してしまうこともあります。特に、夏と冬は、熱中症、低体温症、それぞれのリスクが高いので、十分な注意が必要です。
猫の平熱は人間よりも約1~2℃高い38~39℃ぐらいで、一年を通じて、快適に過ごせる室温は約21~28℃と言われています。ちなみに、適切な湿度は50~60%ぐらいです。
外出時は夏も冬もエアコンのつけっぱなしが基本で、夏は26~28℃、冬は21~24℃をだいたいの目安に、室温を保つように心がけてみてください。
空気の循環を促すために、扇風機やサーキュレーターも併用したいところですが、イタズラや転倒、あるいは、電源コードをかじるなど、事故につながる恐れもあり、使用しないほうが安全です。
最近は、本格的な夏を迎える前に猛暑日が続出することもあります。お出かけ前の熱中症対策として、使い勝手の良い飲水スポットの用意と快適な室温設定を忘れないようにしましょう。
2.過ごしやすい静かな環境をつくる

猫は留守番の間、寝ていることが多く、心地よい睡眠のためには何よりも静かな環境が不可欠です。
具体的に取り組みたいのは、「窓を閉める」「テレビやラジオ、音楽をかけっぱなしにしない」などの騒音対策です。外からの思わぬ物音やテレビ、ラジオなどの音が聞こえると、落ち着かなくなって、愛猫の安眠妨害につながる恐れもあります。
「お留守番中は、きっと寂しいだろう…」と飼い主さんの論理でテレビをつけっぱなしにして外出すると、たとえば、バラエティ番組の演者の大きな笑い声が、かえって愛猫の大切な睡眠を奪ってしまうかもしれません。
もともと猫は聴覚の鋭い動物で、聞き慣れない騒々しい音環境に囲まれると、ストレスが溜まってしまいます。また、多くの猫は一人でマイペースに過ごすことを好みがちです。よほどの寂しがり屋でない限り、テレビやラジオの音は不要、と考えていいでしょう。
同じように、猫の眼は少々の暗がりでもよく見えるため、おうちの明かりをつけっぱなしにして出かける必要もありません。
3.一人で遊べるおもちゃを用意する(ただし、誤飲に注意!)

猫も人間と変わらず、何もすることがないと、暇を持て余すことがあります。退屈を感じているときに、最も頼りになるのは、一人で遊べるおもちゃの存在です。
おもちゃ遊びなどの疑似的な狩りを通じて、本来備わっている狩猟本能が適度に刺激されると、猫は満ち足りた気分になり、肉体的にも精神的にも健やかでいられます。
留守番中のおもちゃ選びには、日頃から愛猫の好みを見極め、誤飲・誤食の危険性が少ないものを選んでみてください。たとえば、一人で夢中になれる知育グッズで遊んでもらえると、飼い主さん不在のストレスによる「爪研ぎ被害」も軽減できます。
同様に、リスク管理の面から言っても、猫にとって危険性の高い食べ物やモノをきちんと収納して外出することも、重要な心がけです。
ちなみに、飼い主さんの留守中に、ティッシュの使い放題や植木鉢との相撲ごっこ、ギャング風ゴミ箱荒らしなど、イタズラ三昧に明け暮れる猫もいます。仕事終わりに、壮絶な事件現場にショックを受けないためにも、事前に十分な対策を試みるようにしましょう。
まとめ

猫を飼いたてのみなさんは特に、留守番中の愛猫の様子が心配でしかたがないはずです。不用意なアクシデントを避け、愛猫に快適に過ごしてもらうためにも、前もっての準備が欠かせません。
飼い主さんの外出時には、十分なフードと水の用意はもちろん、「過ごしやすい室温設定」「静かな環境づくり」、そして、安全性に配慮した「一人で遊べるおもちゃ選び」といった3つの対策に取り組んでみてください。
留守番の間にも、愛猫がいつも通りに過ごしてくれれば、飼い主さんも安心して外出できます。今回、紹介した内容が、愛猫、飼い主さんの双方にとって役に立てれば幸いです。