猫が生理的に受け付けない『大嫌いなもの』4選とその理由 体質や習性から来る“イヤ”を見逃さないで

猫が生理的に受け付けない『大嫌いなもの』4選とその理由 体質や習性から来る“イヤ”を見逃さないで

猫は警戒心が強い動物なので、「生理的に受け付けないもの」がいくつかあります。猫飼いなら覚えておきたい、大嫌いなものとその理由について解説します。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

1.大きな音

掃除機と猫

猫は、掃除機やドライヤーなど、大きな音を出すものが嫌いです。掃除機をかけていると逃げ回ったり、ドライヤーで乾かそうとすると暴れたりといった猫の行動を見たことがある人もいるかもしれません。これには、猫の聴力が関係しています。

猫の聴力は人間の約4倍以上ともいわれるほど鋭く、音によって命の危険を察知する習性があります。そのため、掃除機やドライヤーなどの音に敏感に反応してしまうのです。自分に攻撃してくるものではないと分かっていても、本能的に警戒してしまいます。

また、インターホンの音を嫌う猫も多いようです。掃除機やドライヤーほど大きな音ではありませんが、視覚的な情報がない分、驚きが大きいのでしょう。猫と暮らす際は、不用意に大きな音をたてないよう配慮が必要といえます。

2.強すぎる香り

アロマを嗅ぐ猫

アロマオイルや香水を嫌がる猫の姿を見たことがないでしょうか。アロマオイルを焚くと部屋から出ていく、香水を使うと渋い顔をするといった猫の行動からは、香りに対して敏感であることも分かります。人間が思う以上に、猫の嗅覚が優れていることが理由です。

アロマオイルやハーブ、花の香りは、人間にとっては癒しになることが多いでしょう。猫にとっては得体のしれない強いにおいで不快に感じることも多いです。またアロマオイルが肝臓にダメージを与えるとの説もあるくらい、猫にとっては健康を害する危険性のあるものなので注意してあげましょう。

その他に、たばこや香辛料のニオイも好きではありません。長期的な使用で猫の心身に影響を及ぼす可能性もありますので、猫のいる部屋で香りの強いものを使うことは控えた方がいいでしょう。

3.酸っぱい食品

レモンと子猫

食いしん坊な猫や、まだ食べられるものの判断がつかない子猫にとって、人間が食べる食品はすべてが興味の対象です。しかし、ミカンやレモンなどの柑橘類には気を付けなければなりません。猫は、酸っぱい味のする食品を嫌がることが多いためです。

自然界では、酸っぱいニオイは腐っているものと判断されることが多いようです。猫も酸っぱいニオイに警戒心が働く本能が備わっており、例え新鮮なものでも柑橘類は好みません。渋る反応が可愛くて嗅がせてみたくなるかもしれませんが、大きなストレスとなる可能性があるため、むやみに近付けないようにしましょう。

ちなみに、酸っぱいニオイは猫避けとして使われることもあります。爪とぎされたくない場所や近寄ってほしくない場所にスプレーすると、叱らずに辞めさせられるかもしれません。

ただし、安心している家庭内で嫌いなものを無理やり感じさせられると、不信感につながり、飼い主さんとの距離が離れてしまう危険性もあります。

4.体の手入れ

爪切りされる猫

とても残念な話ですが、猫は爪切りやシャンプーなどのお手入れも好きではありません。猫の体のために欠かせないことですが、勝手に爪を切られたり体を拘束されるのは、猫にとって大変不愉快なことなのです。

もちろん、生理的に受け付けないからといって、お手入れをしないわけにはいきません。なるべく猫に負担がないよう、1日1本だけ爪を切ったり、シャンプーはドライタオルを使ったり工夫をするのがおすすめです。

まとめ

抱っこを嫌がる猫

猫は、人間と比べて聴覚・嗅覚が優れています。そのため、猫の苦手なものはこれらの感覚が過剰に刺激されるものです。大きな音や強烈な香りは、人間が思う以上に猫を驚かせてしまいます。

また、一度警戒心を働かせたものはいつまでも忘れないため、経験するとトラウマになってしまうケースも。恐怖心を与える飼い主さんと距離を置こうとすることもあるため、嫌いなものはなるべく近づかせないことが大切です。

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