愛猫が見せる『亡くなる前兆』6選 姿を隠したり、甘えたり…見逃したくない“お別れサイン”

愛猫が見せる『亡くなる前兆』6選 姿を隠したり、甘えたり…見逃したくない“お別れサイン”

猫は人間と比べて寿命が短く、多くの飼い主さんがいつか訪れる別れを経験することになります。しかし猫たちは、自分の最期が近づいていることを何らかの形で感じ取っているのでしょうか…?どうやら、猫は寿命を迎える前、いくつかの特徴的な行動や身体の変化を示すことがあるようです。

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

1.食欲がなくなる、もしくは水を飲まなくなる

フードを前に寝転ぶ猫

猫が亡くなる前に見せる顕著なサインの一つが、「食事や水の摂取を拒むこと」です。

これまでしっかり食べていた猫がフードを残すようになったり、水すら飲まなくなった場合、死期が近いために体のエネルギー代謝が著しく落ちている可能性があります。

とくに高齢猫では、腎不全やがんなどの慢性疾患が背景にあることも多く、消化器の機能低下によって食べる力すら失われていきます。

2.隠れるようになる・ひとりを好む

隠れている猫

猫は体調が悪いとき、安心できる場所で静かに過ごそうとする傾向があります。

元気なころは人のそばが好きだった猫が、ある日を境に押し入れやクローゼットの中、ベッドの下など、暗くて静かな場所に籠もるようになったら、それは「死期が近い」サインかもしれません。

この行動は野生の本能によるもので、弱った姿を外敵に見せないようにする防衛本能の一環です。

猫自身が「命の終わり」を悟っているかどうかは定かではありませんが、自分の体が普段通りではないことには敏感に気づいているのでしょう。

3.呼吸が浅くなる・苦しそうな様子が見られる

苦しそうなスフィンクス

亡くなる間際になると、呼吸に変化が見られることがあります。

口を開けて浅く速い呼吸、肩で息をするような呼吸などは、身体機能が限界に達している証拠です。

末期の病気で看取りの段階に入っている場合は、このような呼吸の変化は自然な過程でもあり、その際はなるべく猫が苦しまず、安らかに過ごせるよう環境を整えてあげましょう。

4.鳴き声の変化・突然甘えてくる

甘えたそうに見つめるキジトラ猫

猫は死期を感じると、普段とは違う鳴き方をすることがあります。たとえば低くうなるような声、遠くを見つめながらポツリと鳴くような声、夜中に鳴き続けるなど。

もしくは死が近づいた猫が急に甘えてきたり、普段は抱っこを嫌がっていたのに膝の上に乗ってきたりするケースもあります。

これは飼い主の愛情を求めている、または母猫同然の飼い主に寄り添うことで安心感を得ようとしているのかもしれません。

こうした変化を感じ取ったときには、時間の許す限り一緒に過ごし、声をかけ、撫でてあげましょう。

5.トイレの失敗が増える・排泄の異常

トイレにいる長毛猫

体力が衰えてくると、猫はこれまでできていた排泄行為すら困難になってきます。

トイレに間に合わず失敗してしまったり、排尿や排便の量が極端に少なくなったりするのは、食事や水の摂取ができていなかったり体内の代謝が著しく低下しているサインである可能性も。

ただし粗相は腎臓病など泌尿器疾患の場合もあるため、必要に応じて獣医師の診察を受けましょう。

6.活動量が低下する

ぐったりしている猫をなでる手

猫が亡くなる前には、さまざまな体調や行動の変化が見られることがあります。たとえば活発に動き回っていた猫が、急におとなしくなったり、ほとんど寝てばかりになったり。

お気に入りの場所で過ごす時間も減り、隅っこや暗い場所に隠れるようになることも珍しくありません。

これは猫なりに、死期が近づいて体力の低下や痛みが生じ、それを隠そうとしている行動と考えられます。

まとめ

花畑で寝転ぶ猫

愛猫が寿命を迎える前には、今回紹介したような、さまざまな前兆が現れるケースがあります。

大切なのは、これらの変化に早く気づき、適切に対応することです。異変を感じたら獣医師に相談し、猫が痛みや不快感なく過ごせるようサポートを考えましょう。

また終末期ケアでは、落ち着いた環境作り、水分や栄養の補給のサポート、痛みの管理などが重要です。

愛猫との別れは非常につらいものですが、最期まで愛情を持って寄り添うことが、飼い主としてできる最大の贈り物。さまざまな選択肢も視野に入れながら、猫にとって最善の決断をしてください。

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