早食いする3つの理由

そもそも、猫が早食いをしてしまうのはなぜなのでしょうか。みなさんの愛猫に当てはまる状況はないか、重ね合わせながら読んでみてください。
1.本能的に「早く食べなきゃ!」と感じている
野生の猫は、食べ物を見つけても横取りされる恐れがあるため、ゆっくり食べる時間はありません。毎日しっかりとごはんをもらっている飼い猫であっても、「取られる前に急いで食べる」という習性が残っていることがあります。
2.他の猫への競争心がある
複数の猫を飼っている場合、他の猫にごはんを取られるのを警戒して、つい急いで食べてしまうことがあります。
実際に取られた経験がなくても、「横取りされるかも」という不安があると、自然と早食いになってしまう猫もいるようです。
3.体の仕組み上、早食いになる
猫の歯は、肉を引き裂きやすいようにとがった形をしています。また、人間ほど味覚が発達していません。
そのため、味わって噛みながら食べるというよりは、丸飲みするのが基本的な食事の仕方です。こうした体の構造上の理由から、早食いにつながりがちな傾向にあると考えられています。
猫の早食いで起こるトラブルとは?

人間と同様に、猫の早食いは体への負担が大きく、さまざまな健康上のリスクがあるといわれています。
その代表的な例を見ていきましょう。
吐き戻し(嘔吐)
早食いが原因で起こることとして多いのが、食べ直後に吐いてしまう“吐き戻し”です。よく噛まずに一気に食べると、胃がびっくりして吐いてしまいます。
また、フードと一緒に空気も飲み込んでしまい、胃が膨らんだ刺激で嘔吐してしまうこともあるといわれています。
胃拡張・胃捻転
勢いよく食べることで、食べ物やガスなどによって胃が膨れ上がる「胃拡張」を引き起こすことがあります。
さらに、膨らんだ胃がねじれる「胃捻転(いねんてん)」へと症状が進んでしまう場合も。胃捻転は、急激に症状が悪化して命を落としてしまうこともあるとても怖い病気です。
肥満
早食いすると、“満腹”のサインが脳に届く前に食べ終わってしまい、満足感を得られません。そのため、「もっとちょうだい!」と要求してくることもあるでしょう。
ついついごはんやおやつを与えてしまうと、肥満になっていまいます。肥満は、糖尿病などの他の病気を発症するリスクにもなりかねません。
のどに詰まらせてしまう
一気にフードを飲み込もうとすると、のどに詰まらせてむせたり咳き込んだりすることがあります。さらに、のどに詰まった状態で水を飲むと、フードが水分を含んで膨らみ、気管をふさいでしまう可能性も。
特に高齢の猫や、歯が悪い猫などは、自力で吐き出せなくなってしまう恐れがあります。また、誤嚥などにつながる危険性もあります。
猫の早食いをやめさせる対処法

早食いはよくないことではあるものの、「ゆっくり食べてね」と言うだけでは猫に伝わりません。
具体的かつ効果的な対策についてもおさえておきましょう。
食事の回数を増やす
1日のうち食事が朝と夕方の2回だと空腹の時間が長くなりがちです。3〜4回に分けてあげると、食への執着心が和らぐかもしれません。その際は、1回量を減らして1日の食事量をオーバーしないよう注意しましょう。
早食い防止グッズを活用する
表面がデコボコしている食器や、転がすとごはんやおやつが出るおもちゃなどのグッズを使うのも手です。遊び感覚で食べてもらえますが、ストレスに感じることもあるため、様子を見ながら使用すると良いでしょう。
多頭飼いの場合は別々に食べさせる
食べる早さや一度に食べる量は猫によってまちまちです。複数の猫を飼っている場合は、部屋を分ける、仕切りをつけるといった対策をして、落ち着いて食べられる環境を作ってあげることをおすすめします。
まとめ

猫の早食いには、本能的な理由をはじめとして、食事の量やタイミング、環境などさまざまなことが影響しています。放置したままにしておくと吐き戻しや肥満といった体の不調につながることもあります。
早食いを改善すると、猫の体調も安定しやすくなり、飼い主さんの安心にもつながりますよ。この記事を参考に、食器を見直したり、ごはんのあげ方を変えたりと、工夫してみてくださいね!
あなたの愛猫の「ごはんタイム」が、より楽しい時間になりますように。