猫の『てんかん』はなぜ起こる?考えられる原因など、知っておきたい4つのこと

猫の『てんかん』はなぜ起こる?考えられる原因など、知っておきたい4つのこと

それまで普通に過ごしていた猫が、急に痙攣を起こしたら、飼い主さんはパニックになってしまうでしょう。突然の発作は、てんかんかも知れません。万が一、愛猫にてんかんの発作が起きても慌てず、冷静に対処できるよう、てんかんについて知っておきましょう。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

1.猫のてんかんの原因

伏せてこちらを見ている猫

てんかんは、脳の神経細胞が興奮状態になることによって、痙攣や体の硬直、意識障害などを引き起こす病気です。一度だけでなく、発作は何度も繰り返されます。強いストレスなどが引き金になり、発作が起こりやすくなるといわれています。

てんかんがなぜ起こるのか、猫の場合では原因ははっきりわかっていません。ただ、猫では脳腫瘍など脳の異常からてんかん発作が起こる「症候性てんかん」や原因がはっきりとわからない特発性てんかんが多いといいます。

特発性てんかんは、考えられ得る他の疾患の検査をして除外出来た時に断定することが一般的です。

2.猫のてんかんの症状

てんかん

てんかんは、過剰なグルーミングや、落ち着きなく歩き回るなどの前兆が見られることもありますが、ほとんどは、前触れもなく突然発作が起こります。昼夜問わず、いつ起こるかわかりません。

てんかんの発作は、全身に痙攣が起こる「全般発作」が多く、意識を失って手足を突っ張ったり、バタバタさせたりします。「部分発作(焦点性発作)」と呼ばれるものでは、体の一部に痙攣が起きたり、瞳孔が大きくなる、よだれを垂らす、攻撃的になるなどの症状が見られることもあります。

発作は繰り返し起きる場合もあり、その間隔は、数日~数年と様々です。頻発する場合もありますが、生涯で数回しか発作が起きないという場合もあります。

3.てんかんの発作が起きたら?

猫に聴診器を当てる獣医師

全般発作は、突然意識を失って倒れてしまうのでわかりやすいのですが、部分発作では、てんかんだと気づかないこともあります。普段と様子が異なり、てんかんが疑われる場合は、発作の様子を動画で撮影し、獣医師に確認してもらいましょう。

てんかんの発作は5分以内に治まることが多いですが、時間が長かったり、頻度が多いと、脳にダメージを与えてしまい、命に関わることもあります。

発作がどれくらいの間隔で起きているのか把握するために、発作が起きた日時を記録しておきましょう。

4.てんかんの予防法は?

猫と薬

てんかんを予防する方法は、残念ながらありません。発症してしまったら、自然に治るものでもありません。投薬や手術など原因に応じた治療が必要となります。必ず獣医師の診察を受けましょう。

疾患が原因となっててんかんが起きている場合は、病気を治療することで発作を抑えることができます。

原因不明のてんかんの場合は、投薬治療が主になりますが、てんかんを完治させるというものではなく、発作の頻度を減らすという治療です。そのため、長期にわたり投薬が必要になります。根気よく続けることが大切です。

発作そのものというよりも、発作によって落下したり、誤飲での窒息など命に関わる事故につながることがあります。

猫が痙攣し始めたら、むやみに手を出さず、周囲の障害物を取り除きましょう。特に、高い場所で発作を起こしている場合は、落下の危険性があるため、安全な場所へ降ろします。痙攣している時間を計ったり、痙攣の様子を動画で撮影しておくと、獣医師への説明がスムーズです。

まとめ

寝ている猫

猫のてんかんの原因は解明されていませんが、病気が要因となっていることもあります。

突然発作を起こすてんかんは、飼い主さんを慌てさせてしまいますが、正しい知識を持って適切に対処することができれば、恐れることはありません。

てんかんが起きてしまったら、獣医師と相談しながら、愛猫が安全に快適に日々を過ごせるよう配慮してあげましょう。

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