猫が『かぎしっぽ』になる理由2選 日本に多いのはなぜ?幸福を呼ぶって本当?

猫が『かぎしっぽ』になる理由2選 日本に多いのはなぜ?幸福を呼ぶって本当?

猫のしっぽは、その形や動きによって私たちに多くの情報を伝えてくれます。そのなかでも特に注目されるのが「かぎしっぽ」と呼ばれる形状です。今回は、猫がかぎしっぽになる理由や、日本におけるその多さ、さらには幸福を呼ぶという言い伝えについて考察してみましょう。

1.遺伝的要因

マンクス

猫のしっぽは通常18~20個の骨で成り立ち、まっすぐの状態です。しかし、しっぽの一部の骨が少なかったり、骨同士がくっついて丸くなったりしていることがあります。

どのような形になるのかは個体差によって違い、しっぽの先端だけが折れ曲がっている状態を「Kinked Tail(キンクドテール)」と呼び、しっぽの長さが6~7cm程度の短いしっぽを持つ猫のことを「Bob Tail(ボブテイル)」と呼びます。

猫がかぎしっぽになる理由のひとつが「遺伝」による影響です。マンクスという「尾無し猫」の持つ「T-Box」遺伝子の変異したもの、またはジャパニーズ・ボブテイルをはじめとする猫種が持つ「HES7」遺伝子の変異が原因ではないかと言われています。

かぎしっぽを持つ猫が子供を産むことで、遺伝を受け継ぐこともあるようです。日本にかぎしっぽの猫が多い理由は、特定の地域にいるかぎしっぽを持つ猫が繁殖したことで増えたのではないかと言われています。

始まりは江戸時代、しっぽの長い猫が「猫又(ねこまた)」と呼ばれる妖怪になると恐れられていて、短いしっぽの猫が好まれていたところからきています。

当時インドネシアから船に乗って「ネズミ捕り」として活躍していた猫が、「HES7」遺伝子を持っていたと言われています。

その船が長崎で交易をしていたことから、インドネシアの猫が長崎に住み着き、現在まで繁殖し続けたことが要因ではないかと考えられているようです。

2.外的要因

猫のしっぽ

上記した遺伝は先天的な理由ですが、怪我などの後天的な理由でしっぽの骨が変形してしまった場合もあります。

子猫のときに事故や怪我を負うことで骨が変形したまま成長してしまうことがあります。子猫時代の骨が柔らかい状態であれば曲がってしまっても問題なく成長することが多いようです。

しかし、成猫のときにしっぽに何かしらの力が加わり変形してしまうと、神経が傷付きさまざまな障害を引き起こしてしまう可能性があります。

猫のしっぽは体のバランスを保つのに重要な役割を持っています。しっぽを怪我してしまうと、歩行やジャンプをするときにふらついてしまうなどの影響が出るので日常生活に支障をきたしてしまいます。

しっぽが変形する事故で多いのが「ドアに挟んでしまう」「間違えて踏んでしまう」といったものです。足元にいる猫に気付かずにこのような怪我をさせてしまうことが多いので注意しましょう。

猫の「かぎしっぽ」が幸福を呼ぶと言われる理由

招き猫

かぎしっぽが幸福を呼ぶと言われている理由は、珍しいからというのもありますが、この「鍵」のような形を見て「幸福の扉を開く」「幸せをひっかけて持ってくる」と言われています。

日本で商売繁盛として愛されている「招き猫」のしっぽもかぎしっぽになっていることが多く、縁起物として親しまれていますよね。

かぎしっぽは見た目も可愛らしく、見かけるとハッピーな気分になることも理由のひとつかもしれません。

まとめ

ボブテイル

猫のしっぽはそれぞれ骨の数や太さが違うため、一匹いっぴきに個性があります。

かぎしっぽはその中でも珍しい形なので、海外ではとても人気があるようです。ただし、しっぽはとてもデリケートなパーツなので、可愛いからと触りすぎてしまわないように気を付けてくださいね。

スポンサーリンク