猫の命を危険にさらす『危ない春の花』3選 代表的な桃や桜は?

猫の命を危険にさらす『危ない春の花』3選 代表的な桃や桜は?

春の訪れとともに、美しい花々が咲き誇ります。しかし、その中には猫にとって危険な花があり、家の近くに咲いている花、もしくは部屋に飾った花が愛猫の健康を脅かすことも。ここでは、春に特に注意したい花とその危険性、愛猫を守るための対策を詳しく解説します。

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

1.桃

桃の花

桃の花や葉、種には「アミグダリン」という成分が含まれており、猫の体内で分解されると有害なシアン化合物に変わります。摂取量や食べたところにもよりますが、とくに未熟な実には多く含まれていて、嘔吐や呼吸困難を引き起こすことがあります。

たとえば愛猫が花びらをくんくんと嗅いでいるうちに誤って口に入れてしまうことがあり、注意が必要です。花瓶に活けた桃の枝は、猫がじゃれて噛んでしまわないよう、手の届かない場所に置く必要があります。

2.桜

陽光桜の花

日本の春といえば桜のイメージも強く、愛猫とお花見をしたいという方も多いでしょう。桜の花びらを猫がたまたま食べてしまった場合なら特に問題はないようです。

危険なのは、桃と同じくアミグダリンが含まれている桜の実や葉、樹皮で、猫が食べると体調不良を起こす可能性があります。飼い主さんと一緒にお出かけする場合は、地面に落ちた桜の実や葉などを口にしないように見守ってあげましょう。

3.スイセン

スイセンの花

スイセンは春の代表的な花ですが、その全草に「リコリン」という毒素が含まれています。猫が摂取すると、「嘔吐」「下痢」「昏睡」などの症状を引き起こし、場合によっては命の危険もあります。

とくに危険なのがスイセンの茎や球根です。猫が掘り出したり、転がして遊んだりすることがあるため、家庭で育てるのは不向きな花といえます。

また、スイセンを花瓶に飾った場合も、猫が葉や茎を噛んでしまうことがあるので、猫のいる家庭では室内には置かないようにしましょう。

まとめ

猫と花の木

春の花を楽しむためには、猫の安全を最優先に考えることが大切です。花を飾る場合は、猫が口にしても害のない種類を選びましょう。また、散歩中や庭に出すときは危険な花が落ちていないかチェックすることも重要です。

猫と一緒に安心して春を楽しむためには、危険な花を知り、適切に対策を講じてあげましょう。ちょっとした注意で、愛猫の健康を守ることができます。

今回紹介した桃、桜、スイセンのほかにも有毒な植物は存在するため、家に持ち込む前に安全性を確認することが大切です。正しい知識を身につけ、猫が健やかに春を過ごせる環境を整えてあげたいですね。

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