猫があなたになかなか『心を開かない』5つの理由

1.猫の個体差と性格
猫の性格は千差万別です。ある猫は非常に社交的で人懐っこい一方、ある猫は内向的で、用心深い性格を持っています。これは遺伝的な要因や幼少期の経験が大きく影響しているとされ、人間が意図的に変えることはできません。
たとえば子猫の時期に人間との接触が少なかった猫は、大人になっても人間を警戒する傾向が高いのです。そのため飼い主に対しても警戒心を解くのが難しく、心を開くまでに時間がかかるケースが目立ちます。
2.環境の変化
猫は環境の変化に敏感な動物です。引っ越し、新しい家族やペットの参入、大きな音やリフォームなど、環境の変化が猫にストレスを与えることがあります。ストレスを感じると、猫は警戒心が強くなり人間との距離を置きがちに…。
また騒がしい場所や不衛生な場所での飼育や、十分なスペースが確保されていない飼育環境も猫にとって大きなストレスとなり、人間とのコミュニケーションを拒む原因となります。
3.健康状態
猫の健康状態が悪いと、人間に対して心を閉ざしてしまう場合があります。たとえば体に痛みや不快感があると、触られるのを嫌がるため人間を拒んだり…。
猫との信頼関係を築くためには、まずは猫の心身の健康が最優先。ほかの症状の有無や猫の様子を観察し、気になる点があれば必要に応じて動物病院を受診しましょう。
4.野良猫期間が長かった
野良猫として長期間を過ごしてきた猫は、人間との関わりが少なく、生存本能が強く働いているため、飼い主に対して心を開きにくい傾向があります。
野良猫時代は常に危険と隣り合わせの生活を送っており、他の動物や人間から身を守るために警戒心を強く持つ必要がありました。そのため家庭で暮らすようになっても、その本能的な警戒心を解くまでには相当な時間と忍耐が必要となるのです。
とくに成猫になってから保護された場合は、すでに外での生活習慣が身についているため、人間との信頼関係を築くのにより多くの時間を要する場合があります。
5.トラウマや過去に苦い経験をした
過去に人間との関わりの中で怖い思いをした猫は、トラウマとしてその記憶を持ち続けることがあります。たとえば虐待を受けた経験や、過去の飼い主から突然捨てられた経験があると、人間を信用するのが難しくなります。
過去に暴力を受けた経験がある猫は、人の急な動きに過剰に反応したり、手を上げる仕草に怯えたり。また飢えや寒さを経験した猫は、食事や寝床に関して特異な行動を示す場合もあります。
このような心の傷を持つ猫との信頼関係を築くには、特に多くの時間と愛情が必要となるのです。
どうしたら猫と仲良くなれる?

猫と仲良くなるためには、以下の5つのポイントを意識してみてください。
猫のペースを尊重する
猫と仲良くなるためには、まず猫のペースを尊重することが大切です。猫が近づいてくるまで気長に待ち、無理に触ろうとしないようにしましょう。
また猫がリラックスしているタイミングを見計らい、そっと近づき、優しく声をかけながら撫でてあげるのも上手な接し方です。
安心できる環境を提供する
猫が安心できる環境を提供することも、仲良くなるために重要です。静かで落ち着ける場所を用意し、十分な広さの隠れ家やトイレ、爪とぎなどを設置しましょう。またきれい好きな猫が自由に動き回れるように、部屋の整理整頓や掃除も心がけて下さいね。
猫の言葉を理解しようとする
猫は言葉を話せませんが、表情や仕草でさまざまなことを伝えています。いわゆるボディーランゲージです。飼い主はそのサインを注意深く観察し、猫のキモチを考えましょう。
たとえば猫が目を細めていたり、喉を鳴らしている時は、リラックスしているサイン。また耳を後ろに倒していたり、毛を逆立てている時は、警戒しているサインです。
後者のネガティブな気分のときは距離を置いたり、前者のポジティブな気分のときは積極的に猫とのふれあいを試みてくださいね。
コミュニケーションをとる
猫と仲良くなるためには、適切なコミュニケーションをとるのが大切です。一緒に遊ぶのはもちろん、まばたきで愛情を伝えたり、優しいトーンで話しかけたり。とにかく毎日猫とコミュニケーションをとるように心がけましょう。
根気強く接する
猫と仲良くなるには、時間がかかることもあります。猫の性格や過去の経験によっては、数ヵ月~数年単位で時間がかかる場合も覚悟しておきましょう。
飼い主は絶対に焦らないこと。無理な接触は猫の警戒心を強めるだけなので、少しずつ関係を構築してください。根気強く接していれば、必ず猫との絆を深められるはずです。
まとめ
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猫が飼い主に心を開かない理由には、過去の経験や性格、環境要因など、さまざまな要素が絡み合っています。
「うちの子、全然わたしに懐いてくれない」と感じるのは少し寂しいかもしれませんが、焦らず、猫のペースに合わせて信頼関係を築いていかなければいけません。
また快適な環境づくりなど、飼い主としてできることを一つずつ実践していきましょう。時間がかかるのは仕方ありません。楽しみながら、愛猫との素敵な関係を築いてくださいね。