猫にも『反抗期』ってあるの?突然の態度や行動の変化…具体例4選 どう対処すればいい?

猫にも『反抗期』ってあるの?突然の態度や行動の変化…具体例4選 どう対処すればいい?

猫と一緒に暮らしていると、「最近なんだか様子が変わったかも?」と思う瞬間がありませんか?急に甘えてこなくなったり、前はしなかった行動をするようになったりすると、ちょっと戸惑ってしまいますよね。この記事では、猫が見せる『反抗期』に似た行動やその背景を詳しく解説しながら、どう向き合い、対処していけばいいのかを考えていきます。この記事が猫との生活をさらに楽しいものにするきっかけになれば嬉しいです。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

猫の『反抗期』って何?

嫌がる猫

猫の『反抗期』という言葉を聞くと、どこか思春期の子どもを想像してしまいますよね。しかし、猫における反抗期とは、必ずしも人間のそれと同じものではありません。

猫の行動変化には、成長や環境に対する適応、ときには健康やストレスといった要因が絡んでいることが多いのです。

猫が見せる『反抗期』に似た行動

例えば、こんな行動を見せる猫は珍しくありません。

  • 急に抱っこを嫌がるようになった
  • 飼い主の呼びかけを無視する
  • いつも使っていたトイレを避けるようになる
  • 家具や物を引っ掻いたり壊したりする

こうした行動が増えると、「うちの猫、わざとやってるの?」と思ってしまうかもしれません。しかし、これらは猫がストレスや自立心の芽生えを示す一種のサインなんです。

行動変化が起きる時期とその背景

猫が行動を変える時期として多いのが、以下のタイミングです。

  • 生後6ヵ月~1歳ごろ
  • 1歳~3歳ごろ

生後6ヵ月~1歳ごろは、成長に伴い子猫から成猫へと変わる時期。ホルモンの影響や自立心の芽生えで、甘えん坊だった猫が突然ツンとした態度を取ることがあります。

1歳~3歳ごろは、成猫としての個性がはっきりしてくる頃。飼い主に対する距離感を試している場合もあります。

猫は本来野生で生活をしていた生き物なので、徐々に自身で出来ることも増え猫らしさが現れてくる月齢でもあると言えるでしょう。

行動変化はトラブルやストレスのサインかも

反抗的に見える行動が実は体調不良やストレスによるものだった、というケースも少なくありません。

例えば、トイレを使わなくなった場合は上手く排泄ができないなどの泌尿器の問題が隠れている可能性も。また、食欲不振や頻繁な毛づくろいが見られる場合は、強いストレスを感じているかもしれません。

「反抗期」と感じる行動をただのわがままと決めつけず、猫が何を伝えようとしているのかを考えてみることが大切です。

猫が反抗的に見える行動の具体例4選

トイレのニオイを嗅ぐ猫

猫が「反抗的に見える」行動には、さまざまなものがあります。ただし、これらの行動には必ず理由があり、猫なりの意思表示やコミュニケーションの一環であることがほとんどです。ここでは、具体的な行動例とその背景を解説します。

1.トイレを使わなくなる

普段はきちんとトイレを使っていた猫が、突然トイレ以外の場所で排泄をすることがあります。

【考えられる原因】

  • トイレが汚れている、もしくは気に入らなくなった
  • 新しいトイレ砂が好みに合わない
  • 環境の変化やストレス(新しい家具や訪問者など)
  • 健康問題(膀胱炎や腎臓疾患など)
  • 排泄時のトラウマ

トイレを清潔に保つのはもちろんのこと、トイレ砂の種類を変えた場合には元に戻すことも検討しましょう。

落ちついて排泄できるかどうか環境を見直すことも必要かもしれません。また、健康が心配な場合は動物病院で診てもらうことも大切です。

2. 攻撃的な態度を取る(噛む、引っ掻く)

甘えん坊だった猫が突然手を噛んできたり、撫でられるのを嫌がるようになることがあります。

【考えられる原因】

  • 撫でられることに飽きたり、不快に感じたりしている
  • 飼い主に対して「ちょっと距離を置きたい」という意思表示
  • ストレスや恐怖心からの防御反応
  • 関節の違和感などの体調変化

無理に撫でたり構ったりせず、猫がリラックスできる時間を作りましょう。猫が攻撃的な態度を見せた場合、大声で叱るのではなく、冷静に距離を取るのがポイントです。

急にこのような変化が見られた場合や、続いたり程度が悪化するようであれば受診を検討しましょう。

3. 飼い主を無視する、寄り付かなくなる

名前を呼んでも振り向かない、急に距離を置かれると少し寂しく感じますよね。

【考えられる原因】

  • 自立心が芽生え、飼い主と一定の距離を保とうとしている
  • 日常的なルーティンの変化(帰宅時間が遅くなったなど)
  • 飼い主に対する信頼が揺らぐような行動を感じた場合(大声で叱る、急に抱き上げるなど)

猫との距離感を尊重しながら、徐々に信頼を取り戻すことが大切です。特に無理に抱っこしようとしたり、叱ったりする行動は避けましょう。

4. 夜中に騒ぐ、いたずらが増える

夜中に走り回ったり、大きな声で鳴いたりする猫もいます。家具やカーテンを引っ掻くなどのいたずら行動も頻発することがあります。

【考えられる原因】

  • 運動不足によるエネルギーの発散
  • 退屈を感じている
  • 新しい環境やルールへの不満

日中に十分な遊び時間を設けることで、エネルギーを発散させてあげましょう。

また、いたずらをする場合は注意を引くための行動かもしれませんので、猫と遊ぶ時間を意識的に増やすのも良いかもしれません。

しかし、猫の望む飼い主さんとの距離感は性格によって異なるため、急に距離を縮めることが猫にとって逆にストレスにもなり得ます。猫の性格や反応を見て対応を考えましょう。

反抗期(行動変化)への対処法

猫におやつをあげる女性

猫が反抗的に見える行動を取ると、困ったり、どう対応すればいいのか悩むこともあると思います。しかし、反抗に見える行動も、猫にとっては成長やコミュニケーションの一部です。ここでは、その行動にどう向き合い、対処するかについて解説します。

行動の原因を見極める

まず大切なのは、猫がなぜその行動を取るのか原因を探ることです。その背景には、ストレス、健康問題、あるいは性格や成長の影響が隠れていることが多くあります。

環境の変化や家庭内での出来事が猫に影響を与えている場合もありますし、食欲不振や排泄の問題があれば、健康面を疑う必要があります。猫それぞれの個性を考慮しながら、その猫ならではの行動を理解する視点を持つことが重要です。

安心できる環境を整える

猫がリラックスして過ごせる環境を整えることは、行動変化を穏やかにするための基本です。特に、引っ越しや模様替え、新しい家族やペットが加わるなど、環境の変化がある場合には、猫が落ち着けるスペースを確保することが必要です。

猫が安心して休める場所を作り、静かな空間を提供することで、ストレスを和らげることができます。

適切なしつけと接し方

猫の行動に困ったとき、叱ることはかえって逆効果になる場合が多いです。特に、大声を出して叱ったり、無理に行動を抑え込もうとすると、猫との信頼関係に悪影響を与えることがあります。

悪い行動をしたときは無視をして、大きく反応しないことが有効な場合もあります。一方で、良い行動をしたときは優しい声で褒めたり、おやつを与えたりしてポジティブに接することが大切です。

また、家族全員でルールを統一し、一貫性のある対応を心がけることもポイントです。

遊びやコミュニケーションを増やす

猫は遊びを通してストレスを発散し、エネルギーを消費します。運動不足や退屈が原因でいたずらや夜中の騒ぎが増えることもあるため、日中に十分な遊び時間を確保しましょう。

猫じゃらしやレーザーポインターを使って動きのある遊びを提供したり、ボールや噛むおもちゃで一人遊びができる環境を整えるのも効果的です。また、遊び道具を定期的に入れ替えることで、猫が飽きることなく楽しむことができます。

プロの助けを借りる

もし猫の行動が激しく、飼い主だけでは対応が難しいと感じる場合は、プロの助けを借りるのも一つの手段です。動物病院で健康チェックを受けるのはもちろん、猫の行動専門家に相談することで、より具体的な解決策が見つかることがあります。

まとめ

猫とハグ

猫の行動が変わるのは、成長や環境、感情を反映した自然なサインです。一見反抗的に見える行動も、猫なりの意思表示やコミュニケーションの一環であることがほとんど。背景にある理由を考え、猫の気持ちに寄り添うことで信頼関係を深めることができます。

また、猫の成長を楽しむ心を持つことも大切です。変化に戸惑うのではなく、その瞬間瞬間を「発見」として受け入れ、猫と一緒に日々を楽しむ姿勢が、より豊かな暮らしにつながります。

この記事が、猫との生活をより楽しくするきっかけになれば幸いです。

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