意外とレアな猫の『おなら』3つの豆知識 音は?ニオイは?病気の場合も?

意外とレアな猫の『おなら』3つの豆知識 音は?ニオイは?病気の場合も?

みなさんは愛猫の「おなら」を聞いたことがありますか?今回は、猫の「おなら」に潜む特徴を3つに分けて解説します。場合によっては、病気の可能性もあるので、一読したうえでひと通り理解しておきましょう。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

1.ほぼサイレント

静かに眠る猫

意識する、しないにかかわらず、人間は、ふとしたときに、おならが出ます。頻度は少ないながらも、猫も同じように、おならが出ることもある動物です。

改めておならのしくみをおさらいしておくと、おならのほとんどは、食事などの際に口や鼻から取り込んだ空気が原因です。さらに消化活動中に溜まったガスと合わさって、おならとして身体の外に出ます。

猫の場合でもしくみは、同じです。ただ、人間と少し違って、あまり音が出ないことが多いです。人間の中には、楽器のようにおならを自在に操る人もいますが、猫のおならはサイレント・モードが基本です。もし音を立てても、「スー」や「プスー」のようなささやかな音色です。

ちなみに、「おなら」の語源は、実は、室町時代にまでさかのぼります。当時、宮中に仕えていた女性たちが使用していたもので、いわゆる「女房詞」のひとつです。「鳴らす」に丁寧さをあらわす「お」をつけ、言いやすいように、語尾の「す」を省略。確かに「屁」よりも、「おなら」のほうが奥ゆかしさを感じさせます。

2.すごくくさい

生とドライフード

猫のおならは控えめですが、一方、匂いはと言うと、残念ながら、すごくくさいことが多いのが実情です。すごくくさいのは、猫ならではの食生活に要因があります。ご承知のように、猫は完全肉食動物です。ふだん食べるキャットフードにも、肉や魚などの動物性タンパク質がたくさん入っています。

腸内で動物性タンパク質が分解されると、硫化水素、アンモニア、インドールなど、イヤな匂いを放つガスがより多く発生しやすくなります。また、ストレスや加齢などによる悪玉菌の増加も、くさい匂いの原因です。

消化不良を起こしている時はさらに悪臭であることが多いです

3.さりげなく放つ

伸びする猫

猫のおならは、さりげなく放つのがスタンダードです。「出すぞ、出すぞ」と気張るというより、何かの拍子に「出てしまう」ことがほとんど。伸びのついでや座った姿勢、あるいは横たわったまま、などいろいろあります。

気になる頻度は、1日1~2回程度が通常です。一方、人間では、1日7~20回程度が健康上、問題のない値となっています。猫であれ、人間であれ、おならは生理現象のひとつであることが多く、過剰にならない限り、それほど心配する必要はありません。

回数が多いと病気の可能性も

動物病院の猫

愛猫が頻繁におならするようになったら、注意が必要です。何らかの病気にかかっているかもしれません。消化器系の症状(下痢など)を伴う場合は、以下の病気の可能性が考えられます。

  • 慢性下痢症
  • 寄生虫感染による腸炎
  • 膵外分泌不全症

上記の病気以外にも、ストレスなどの不調が原因で腸運動の調子が悪くなり、おならが頻発するケースもあります。その場合は、なるべくストレスを溜め込まないように、生活環境やフードの種類を見直しましょう。

まとめ

鼻をつまむ女性と猫

猫の「おなら」は、音響面では無音が通常ですが、静けさに反して、匂いは感じられる場合が多いです。くさい原因は、肉食動物ならではの食生活にあります。

適度な「おなら」であれば、健康面で心配はいりません。ただし、回数があまりにも多く、下痢などの消化器症状を併発していると要注意です。その際は、様子見は控えて、すぐに動物病院に連れていってあげてください。

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