子猫(1歳未満)
- 感染症
- 子猫衰弱症候群
- 誤飲誤食
生まれてから1歳までの子猫は体がまだ未発達なことから、感染症や障害による死亡率が高いようです。
免疫力が低い子猫のうちは寄生虫やウイルスに感染しやすく、病気への抵抗力も弱いため重症化しやすい傾向にあります。
特に1歳未満の子猫に見られる「猫腹膜炎伝染症(FIP)」は、発熱や食欲不振などの症状を経て数日程度で死亡してしまう、致死率の高い危険な感染症です。
「子猫衰弱症候群」は生まれて数日のうちに死亡してしまう症状や障害のことで、先天的な奇形や母猫の病気などで生まれた時点から弱っている場合や、元気に生まれても低体温・低血糖になってしまう場合があります。
また、好奇心から誤飲誤食をしてしまい、腸閉塞を起こして死亡することもあるので十分な注意が必要です。子猫の触れられる場所に、口にしてはいけないものは絶対に置かないよう心がけましょう。
成猫(1歳~6歳)
- 泌尿器疾患(膀胱炎、尿石症、尿道閉塞)
- 感染症
成猫になると、あまり水を飲まなくても生活していけるように発達してきた猫の体の特徴が思わぬ病気を招いてしまい、重症化して死に至るケースがあります。
ストレスや水分不足などにより尿が濃くなると、膀胱内に細菌が繁殖しやすくなります。
細菌が増えていくと尿路に結晶や結石ができ、大きな結石や膀胱炎による尿道の腫れによりひどいと尿道を塞いでしまうことも。
オシッコが全く出なくなると、2~3日の間に尿毒症を引き起こし死亡する可能性があります。
他にも、肥満や運動不足が引き金となる糖尿病も、猫の死因として多い病気の1つです。
そして子猫時代に引き続き、成猫になっても感染症にも十分注意する必要があります。定期的なワクチン接種や寄生虫予防などは必ず行いましょう。
シニア猫(7歳~)
- 慢性腎不全(腎臓病)
- 泌尿器疾患(膀胱炎、尿石症、尿道閉塞、尿毒症)
- 悪性腫瘍(ガン)
関節の変形やクッションになる部分の成分の減少により痛みが出たり様々な病気のリスクが跳ね上がるシニア期では、慢性腎不全による死亡率が最も多いと言われています。
また、成猫時代に続いて泌尿器疾患が起こりやすいほか、ガンによる死亡率も高いです。
7歳を超えると、加齢によって筋肉や関節が衰えてくるだけでなく、内臓の働きもガクっと落ちていきます。
慢性腎不全は初期症状が分かりにくく静かに進行していき、重症化するとけいれん発作を引き起こしたり、脱水状態となり便秘や便秘による腸運動の低下により嘔吐などの消化器の症状も見られます。
なお、慢性腎不全末期のステージ4になると、平均余命は100日程度しかないとされています。日頃から定期的に検診を受けて、病気を早期発見できるようにしておきたいですね。
飼い主にできること
愛猫の健やかな生活を1秒でも長くするために、飼い主側で実践できる対策は以下の5つです。
- 新鮮な水をいつでも飲めるようにする
- 栄養バランスの良いフードに替える
- ストレスを極力減らす
- 定期的に病院を受診する
- 適度にスキンシップをする、コミュニケーションを取る
日々の食事管理や水分補給に気を付けることで、猫に多い泌尿器疾患や腎臓の病気への対策になります。また、ストレスから深刻な病気にかかることもありますので、猫がのびのびと暮らせるように接し方や住環境を見直しましょう。
また、あまりに構いすぎるのはストレスの元になるので注意が必要ですが、適度にスキンシップをはかったりコミュニケーションを取ったりするのはオススメです。愛猫との触れ合いの中で、ちょっとした異変に気づけることもありますよ。
まとめ
今回は、猫の年代別に見る『3大死因』を「子猫」「成猫」「シニア猫」とそれぞれ分けて解説しました。
子猫時代は、免疫力や病気への抵抗力の弱さによる感染症の危険、成猫になると体質などによって泌尿器疾患が重症化するリスク、シニアの猫は加齢による機能低下などから慢性腎不全が進行してしまうなど、それぞれの年代に応じて気をつける必要があります。
食事管理と十分な水分補給、定期的な病院の受診、ストレスの予防や軽減、適度なスキンシップやコミュニケーションなどの対策を日々行っていきましょう。
愛猫が少しでも長く健康でいられるためにも、年代ごとに気をつけるべきポイントに注意しながら、たくさん愛情を注いであげてくださいね。