建物に取り残された飼い猫
2024年4月3日午の朝に台湾東部沖で発生したマグニチュード7.2の地震では、震源に近い花蓮県の建物や橋が倒壊し、死者やケガ人が出るなどの被害が出ました。
一部倒壊した建物に閉じ込められた5匹のうち、「Ouni」という名前の猫だけが、4月17日の時点でまだ救出されずに逃げ回っていました。
その建物は花蓮市宣源路にあった「Uranusビル」です。斜めに傾いてしまって危険なので、県側が4月5日に部分的な取り壊しを始めました。
しかし建物内に閉じ込められた5匹の猫を救出するために、工事はたびたび中断されています。これまでビル内にいた4匹は確保されたものの、Ouniはまだ保護されていませんでした。この猫が生きていることは、救助隊が確認しています。
怯えて逃げる猫
すでに建物のおもな構造物は完全に取り壊されており、数日後には新しい外壁が取り付けることになる予定でした。
これと並行して、人々は白黒猫のOuniの捜索を続けてました。猫はこの建物の5階に住んでいたLuさんが飼っていました。4月16日にいったん人々の前に現れたのですが、作業員が網を使って捕まえようとしたときに、怯えて排水管に跳び移り、そのまま身を隠してしまったのです。
そこで飼い主はボランティアのグループと協力して、排水管の内外に檻を設置し、迅速に救助ができるよう下水道配置図も入手しました。
野良猫も捜索に参加
捜索の段階では、地元の人に「Ahu」と呼ばれている野良猫も「猫の手」を貸してくれました。排水管の中にもぐって、Ouniの居所を探しているようなのです。
しかし、これまでに3回、捜索隊が仕掛けた檻に入ったのは、OuniではなくAhuでした。そのたびに人々は「Ouniが保護された」とぬか喜びをしたそうです。
地震と環境変化に驚いて逃亡を続けるOuniでしたが、4月18日になってビル近くの路地で無事見つかり、保護され、その後15日ぶりに飼い主に抱かれたということです。よかったですね。
出典:Last cat from Taiwan’s quake-hit Uranus Building hides in sewer