海苔は猫にあげても大丈夫
海苔は猫に対する有害な成分は含まれていないので、安心して与えられる食品です。
海苔のニオイは嗅覚が優れた猫の食欲を刺激するため、食べてみたがる猫は少なくありません。また、いつものフードにはないパリパリとした食感も、猫が海苔を好む要因でしょう。
猫に海苔を与えるときは、ほんのすこし、味をみる程度の量を与えて様子をみてからにしましょう。
もし、猫が好むようなら、食いつきが落ちたフードに細かく刻んで食事のトッピングとして使うこともできます。海苔の香りで美味しく食べてくれる可能性があります。
海苔に含まれる栄養と猫への影響
猫でも食べられる海苔には、さまざまな栄養素が含まれています。なかでも、以下の栄養素はほかの食品よりも多く含まれているところが海苔の特徴です。
- タンパク質:身体を作る
- ビタミンA:目や皮膚を正常に保つ
- ビタミンB12:神経と血液の健康を保つ
- 鉄分:血液や骨を作る
- 食物繊維:腸内環境を整える
- タウリン:心臓の動きに必要
海苔には100gあたり41gのタンパク質が含まれています。これは肉類や乾燥大豆よりも多く、必須アミノ酸をすべて含んだ良質な植物性タンパク質です。
また、海苔の3割は水溶性食物繊維です。水溶性食物繊維は水に溶けやすく、腸の中でゲル状になり、便中の水分量を増やすため便秘の予防にも役立ちます。
猫のタウリンが豊富に含まれているのも海苔の特徴のひとつです。猫はタウリンを体内で合成できないため、食事で摂る必要があります。
ただし、海苔にはナトリウムなどのミネラルも多く含まれています。食事コントロールが必要な腎臓や心臓病の猫には、与えないようにしましょう。
また、タンパク質やタウリンは猫には欠かせない栄養素ですが、十分な量を海苔から摂取するために、何枚もの海苔を猫に与えるのは現実的ではありません。基本となる食事を大切にしましょう。
猫の海苔を与えるときの注意点
海苔は猫に与えても成分的には問題ありませんが、量や与え方には注意点があります。
適量を守る
ふだんからバランスが取れた食事をきちんと摂れている猫にとって、海苔に含まれるミネラルは過剰摂取となります。
健康な猫が海苔を少量食べる分には余計な成分は正常に排泄されますが、泌尿器系の病気やその疑いがある猫には海苔を与えないようにしましょう。
健康な猫に与えるときも、8切サイズを1/2〜1枚程度に留めておきましょう。
ただし、適量は個々の消化機能によって個体差があるため、排せつ物の状態や食欲などを見て、量は調節してあげてください。
※8切サイズは、全形(21×19cm)を1/8に切ったサイズのことです。
塩分に注意する
家庭によっては、味付け海苔を愛用しているおうちもあるかもしれませんね。
味付け海苔は砂糖やしょうゆで味が付いているため、焼き海苔と比べると塩分は約4〜10倍、糖分は約5〜10倍あります。
ほんの少量をあげたつもりでも猫の小さな体には、かなりの塩分・糖分の摂取量になります。猫の健康のためにも、味付け海苔は与えないほうがよいでしょう。
小さくちぎってあげる
猫の海苔を食べさせるときには、1cm角程度に小さくちぎってあげましょう。
8切サイズの海苔でも猫の口には大きく、口の中で張り付いてパニックになったり、嘔吐したりする原因にもなってしまいます。
人間でも、焼き海苔が口の中に張り付いた結果、窒息する事故が起きています。猫に海苔を与えるときには、十分注意してください。
まとめ
今回は猫に海苔を与えることについて解説しました。
磯の香りに引かれる猫は少なくありません。もし、猫が海苔を欲しがるときは、安心してあげてください。
海苔は低カロリーながら、海藻とは思えないほど豊富な栄養素が含まれています。特に水溶性食物繊維は猫の腸内の健康にも役に立つかもしれません。
ただし、海苔にはミネラルが多く含まれているため、尿路結石や腎臓病のリスクがある猫などには与えないようにしましょう。また、味付け海苔は塩分や糖分が多いため、猫に与えるのは避けてください。
もし与えたいときには、のど詰まりを防ぐためにも、すこしずつ小さくちぎってあげましょう。
持病がある場合はまずかかりつけの先生に海苔を与えても問題がないか確認することをおすすめします。
量的な目安は、8切サイズ1枚程度です。毎日与えるとミネラルの過剰摂取になりますので、週に1回以下、ほどほどにしておくのが安全です。
消化機能が未発達な子や弱い子にとっては、その量でも負担になってしまう場合もあるので、食欲や排泄物の状態、消化器症状の有無などを見ながら判断してあげてください。