寒空のもと、凍える猫を保護
Mikey Whiteさんはカナダのオンタリオ州に住んでいます。彼は2022年の10月にミッドランドで薬局を開きました。この薬局はとても変わっています。その理由は店のカラフルな看板だけではありません。扱っているのが、猫が大好きな「キャットニップ」(和名イヌハッカ)だからです。
Mikeyさんがこのユニークな薬局を開くきっかけになったのは、1匹の猫を保護したことでした。
「ある夜に、外で猫が凍えているのを見つけました。というより、猫がぼくを見つけてかけ寄ってきたのです。近所に『迷子猫発見』の貼り紙をして飼い主を探したのですが、数週間たってもだれも名乗り出ませんでした」
そこで彼はこの猫を飼うことにしました。「Evol」と名づけた猫に「最良の生活を与えてあげたい」と考え、独り暮らしのアパートの部屋を、猫向けにいろいろと改造し始めたのです。猫が跳び上がれる棚や壁を設置し、中庭を猫向けに改良して、いつでも外の空気を楽しめるようにもしました。
愛猫の反応の違いが、薬局開業のきっかけに
そんなある日、2種類のキャットニップを買ってきたMikeyさんは、Evolがそれぞれに対して違う反応を見せることに気づいたのです。
「通常のキャットニップに近づいたあとは、興奮してあたりを走り回り、棚に登ったりして大騒ぎ。いわゆる『猫の運動会』(英語でいうところの“zoomies”)状態です。でも変種のほうは、その場に横たわってリラックスし、ミャオと鳴くだけでした」
この発見が、キャットニップ9種を扱う薬局の開業につながりました。猫の反応の違いをビジネスに生かせないかと考えたのです。
「ネット上のクラウド・ファンディングで開業資金を募ったところ、数多くの人々が応じてくれました。すぐにアパートの部屋は商品で一杯になってしまい、広い事務所が必要になったのです。やがてこのミッドランドに、よい場所を見つけることができました」
各種キャットニップを栽培中
開業以来、薬局の存在は人々の好奇心を駆り立てているようで、「大麻の公式販売所」だと勘違いして覗きに来る人もいるそうです。
Mikeyさんは、テスターとして登録してもらっている猫たちの飼い主に頼んでさまざまなキャットニップを試してもらい、その反応をもとに、店舗でキャットニップを栽培しています。
「新種を入手したら、登録している飼い主にお渡しして、それぞれの猫の反応をビデオに撮って送ってもらいます。あわせて彼らと意見交換をする場も設けています。猫がすぐに鳴いたか、興奮して活動的になったか、神経質な猫の場合はリラックス効果があったか…などを話し合うのです」
猫にとって、キャットニップはストレスを緩和したり気分を高揚させたり、はたまた行動が活発になるなど、いろいろな効果があるようです。愛猫のその日の気分で使い分けられるようになると、楽しいですね。
出典:Looking good, feline good: This catnip dispensary helps pets find the right catittude