白銀の世界に白い箱
白い箱
一面が白銀の世界となったある日の夕方、ある一家の父親が仕事から家に戻ってくるなり「雪の中に箱が置いてあった」と娘に告げました。
その中には、驚くものが入っていました。
捨て猫
なんと、父親は「箱の中には子猫が入っていた。」と言ったのです。
子猫のことが気になった二人は一緒に、様子を見に行きました。
箱は、木の枝の下に置かれていました。
道路からは、白銀の世界に置かれたその白い箱は殆ど見えない状態でした。
そこには胸が痛む姿が…
箱の中をのぞいた娘さんは、胸が張り裂けそうになったと言います。
箱の中にいた猫は、具合がとても悪そうな状態だったのです。
箱の中には毛布と餌を入れた皿が2つ置かれていました。
そう、猫は2匹いたのです。
死ねというのか…
猫たちが捨てられていた場所の周囲には、何もありません。
一面、白銀の世界です。
そばに道路がありますが、道路からは雪の中の白い箱は見えません。
しかも交通量も殆どない道路です。
この父親が見つけなければ、おそらく誰にも気づかれることはなかったことでしょう。
2匹の猫
親子は箱を持ち帰りました。
2匹のうちの1匹は、思ったより元気でした。
怯える猫達
2匹は常に一緒にいなければ、落ち着きません。
互いに姿が見えないと互いを確認するまで泣き続けます。
離れ離れになることを恐れているようです。
猫の体調
箱の表の方にいた猫は、かなり具合が悪そうです。
匂いもおしっこ臭く、目やにや鼻水などが固まっていました。
栄養失調
そこで、彼らをお風呂に入れて洗いました。
濡れた猫たちを見ると、彼らが栄養失調の状態にあることがよく判ります。
濡れた猫をタオルで包み、温めました。
彼らは、本当に可愛い子猫でした。
彼らはとても人懐っこい子たちでした。
その後、1匹は、とても具合が悪いので動物病院に連れていきました。
メッセージ
娘さんからみなさんへメッセージです。
”最後にみなさんに伝えたいことがあります。
猫を飼うなら、最後までちゃんとお世話してあげてください。
猫は物ではありません。使い捨てしないでください。”
最後に
広大な白銀の世界に白い箱の中に入れて車しか通らないような場所に猫を捨てたことは、猫たちに死ねといっているようなものでした。
でも、捨てた人は、そんなことも考えることもなく、とりあえず毛布と餌を入れたことで罪悪感を消したのでしょうか…
子猫たちが手遅れになる前に、心優しい親子に発見されたことは、不幸中の幸いでした。
”捨てる鬼あれば、拾う神あり” まさにその言葉のとおりのお話でしたね。