エキゾチックロングヘアーの特徴
骨格がしっかりとしたエキゾチックロングヘアーは、中型から大型サイズの猫で、体重は3.5kg~6.5kg程度となります。
エキゾチックロングヘアーは、丸くて大きい瞳と低い鼻に、愛嬌のあるぺちゃんとした顔立ちが特徴と言えますが、ペルシャと同じ丸い頭部に離れた耳という特徴も持ち合わせます。またペルシャのようにふわふわでもこもこした被毛を持つ事もポイントです。
そんなエキゾチックロングヘアーの鳴き声は特徴的で、外見からは想像ができないほど、高めの小さな声で、「んにゃー」という愛らしい鳴き声を稀に聞かせてくれるそうです。
エキゾチックロングヘアーの動画
ふわふわのレッド&ホワイトの毛色をしたエキゾチックロングヘアーの子猫の動画です。白い敷物を敷いた台の上で、あっちにいったりこっちに来たり、かわいく鳴いたりしています。外の様子が気になって、窓からの景色にとても興味があるようです。後半では飼い主さんに持ち上げられていますが、怖がることもなく、おとなしくしています。
エキゾチックロングヘアーとペルシャの違い
違いは明確ではない
エキゾチックロングヘアーは先祖(基礎猫)であるペルシャと非常に近い関係にある猫種であるため、エキゾチックはペルシャと同じような顔立ちをしています。ペルシャに主にアメリカンショートヘアーを掛け合わせて産まれたのが、エキゾチックの基本である短毛種「エキゾチックショートヘアー」です。
しかし、エキゾチックの子猫には先祖であるペルシャの性質を引き継いだ長毛種が産まれることがあります(遺伝的に、長毛は短毛に対して劣性です)。この長毛種を「エキゾチックロングヘアー」と呼びます。このため、エキゾチックロングヘアーとペルシャの違いは明確ではなく後で説明しますが団体によってロングヘアーのエキゾチックをどの品種として扱うかが異なります。
ペルシャ猫
今日のねこちゃんより:シナモン / ♂ / 6歳 / ペルシャ / 4kg
エキゾチックロングヘアー
今日のねこちゃんより:しずく / ♀ / エキゾチックロングヘア / 0kg
血統登録団体による違い
アメリカのテキサス州に事務局をおくTICAは、世界で最も大きな猫の血統登録団体ですが、TICAはエキゾチックロングヘアーを猫種として認めておらず、ペルシャとして扱っています。TICAではエキゾチックショートヘアーもペルシャグループの猫種として扱われています。TICAと並ぶアメリカの大きな猫血統登録団体であるCFAは、エキゾチック全体をペルシャとは分けており、スタンダードもペルシャとは別に規定しています。登録表記はエキゾチックショートヘアーは「エキゾチック」、エキゾチックロングヘアーは「ロングヘアーエキゾチック」となります。
CFAでは、ペルシャで認められているカラーのエキゾチックロングヘアーはペルシャ部門でキャットショーに参加してポイントを獲得することができ、ロングヘアーエキゾチックとしてタイトルを獲得することもできます。
エキゾチックロングヘアーの性格
穏やかで行動的
エキゾチックロングヘアーは外見も性格も先祖のペルシャとほぼ同じと思って良いようで、ペルシャ譲りの穏やかで落ち着いた性格をしていますが、アメリカンショートヘアーなどの影響もあって、活発な一面も持ち合わせていることがあるようです。
甘えん坊でおっとり
また、甘えん坊で器の大きい性格から、爪切りを大人しく受け入れてくれるエキゾチックロングヘアーも珍しくないと言われているそうです。
嫉妬深い
しかし、飼い主との強い絆を求める子が多く、それが満たされないとやや嫉妬深くなる部分があるそうで、エキゾチックロングヘアーは人間のような性格とも言われているようです。
エキゾチックロングヘアーの歴史
エキゾチックショートヘアー(エキゾチックロングヘアー)の歴史は、約50年と比較的に浅く全く違う目的を持って行われた複数の交配の結果から作り出された猫種です。
ペルシャとアメリカンショートヘアー
まず、ペルシャとアメリカンショートヘアーの間に生まれた短毛の子猫が始まりとなって最初のエキゾチックショートヘアーが登録されました。この交配はもともと、シルバーのペルシャが持っている被毛のカラーとグリーンの瞳をアメリカンショートヘアーに持たせることができないかと考えて行われたそうです。その結果、新しいカラーのアメリカンショートヘアーを作る計画としてはうまくいきませんでしたが、アメリカのブリーダーであるジェーン・マーティンが、ペルシャとアメリカンショートヘアーの間に生まれたペルシャに似た短毛の子猫達の魅力に惹かれ、新しい猫種として認めるようにCFAに働きかけました。その努力が実り、1966年にCFAにエキゾチックショートヘアーという名前で新しい猫種として登録されました。
ペルシャとバーミーズ
ペルシャとアメリカンショートヘアーの交配から短毛のペルシャが作出されたのとは別に、ほぼ同じ時期にアメリカのブリーダー「キャロライン・バッセイ」が茶色い毛のペルシャを作出しようとペルシャとバーミーズをかけ合わせました。茶色は劣性のカラーのため産まれた子猫は黒い毛色でしたが、愛嬌のあるぺちゃんとした丸い顔の子猫達の個性が幅広く愛されるのではないかと考えたキャロライン・バッセイは、短毛のペルシャとして新しい品種を確立させたいとCFAとは別の団体で活動を続けました。その後すでにエキゾチックショートヘアーが猫種として認められていたCFAに移り、彼女は多くのエキゾチックショートヘアーでタイトルを獲得したそうです。
短毛のペルシャという新しい猫種を確立させる過程で、アメリカンショートヘアーとバーミーズの他にロシアンブルーを用いたブリーダーも初期にはいたようですが、交配の目的が「短毛のペルシャを作ること」となってからはエキゾチックショートヘアーは主にペルシャと交配され、短毛のもととなった猫種や他の短毛種との交配はごく初期を除いてはほとんど行われていないと言われています。
このようなエキゾチックショートヘアーから生まれるエキゾチックロングヘアーはつまり、ほぼペルシャと同じと考えて良いと思われます。
エキゾチックロングヘアーの飼い方
エキゾチックロングヘアーは非常に落ち着いた性格で、大抵のことは嫌がらず受け入れてくれる器の広さをもつ猫と言われています。そんな愛情深いエキゾチックロングヘアーの飼い方を知っておいてあげるのも、飼い主さんとして大切な準備と言えますね。エキゾチックロングヘアーの飼い方で注意すべきことはペルシャと同じになります。
室内の温度や湿度
どんな猫でも言えることですが、夏場は室内の温度が上がり過ぎないように室温を管理してあげることが大切です。しかし、クーラーだけで室温を管理すると冷えすぎてしまうことがあるので、エキゾチックロングヘアーが自分で丁度良い環境を選べるよう、クーラーのついていない別の部屋に行けるようにしたりもぐれるような布団を用意してあげることも室温管理のポイントです。また、冬は被毛や皮膚が乾燥しないように人間にも丁度良い適度な湿度を保ってあげることも重要と言えます。
運動できる環境
エキゾチックロングヘアーはアメリカンショートヘアーの影響からか、純粋なペルシャより活発な一面を持つこともあるようですが、ペルシャと同様に活動的というよりはのんびり過ごすことが多いようです。しかし、適度な運動は必要ですので、高い所にのぼるようであればキャットタワーを設置したり、飼い主さんがおもちゃで遊んであげたりしてあげましょう。
お手入れ
エキゾチックショートヘアーと違い、エキゾチックロングヘアーは長毛種であるため日々のお手入れは重要と言えますね。ブラッシングやコーミングで毛玉を予防するとともに抜け毛を取り除きましょう。抜け毛の多い換毛期のお手入れはさらに念入りに、抜け毛対策のシャンプーなどが必要になるかもしれません。
食事の管理
あまり活動的ではないことが多い猫が多いことから、エキゾチックロングヘアーはペルシャと同様に太りやすい傾向があります。このため、食事の管理を行うことが大切と言えます。良質のたんぱく質を含んだライフステージに合ったキャットフードであることはもちろん、消費カロリーが少ない場合には、室内猫用のカロリーが控え目なフードを選ぶと良いかもしれません。
エキゾチックロングヘアーのお手入れ方法
エキゾチックロングヘアーは長毛種ですが、比較的に性格が穏やかであるためお手入れもさせてくれやすい猫種とも言われているそうです。ここで、エキゾチックロングヘアーのお手入れ方法についても見てみましょう。
爪切り
エキゾチックロングヘアーがカーテンやクッションなどに爪を引っかけて怪我をしてしまったり家具や飼い主さんの皮膚を傷つけてしまわないように、爪切りを定期的に行いましょう。爪切りの際には猫の指先を軽く持って肉球を優しく押すと爪が出てきます。このとき、先端のみを一度で切るようにします。爪切りでは必ず先端のみを切り、深爪しないように注意することが重要です。切りすぎると神経と血管まで傷つけてしまい、とても痛かったり出血したりします。
ブラッシング
エキゾチックロングヘアーは長毛種なので、定期的なブラッシングやコーミングが必要です。できるだけ毎日してあげましょう。また、毛に付いた汚れは濡れたタオルで落としてあげるなどのお手入れのほか、換毛期にはシャンプーを行ってあげると抜け毛対策にもなります。シャンプーの際にはストレスをかけないよう様子を見ながら入浴させてあげることが大切です。猫にはシャンプーを嫌がる子が多いのですので、嫌がる場合には無理には行いません。
エキゾチックロングヘアーをお迎えする方法や値段
ここで、気になるエキゾチックロングヘアーをお迎えする方法や値段についてもご紹介していきます。ぜひ、エキゾチックロングヘアーをお迎えする際のご参考にしてみてくださいね!
里親
エキゾチックロングヘアーに限らず、猫をお迎えする方法の一つとして、里親を募集しているサイトから条件に合う猫を探して里親になることも可能です。インターネットで探す以外にも、保護団体の譲渡会で条件に合う猫に出会える可能性もあります。しかし、エキゾチックロングヘアーに限定して探すとなると、そのような場での出会いはなかなかないと言えるでしょう。
インターネットでの里親探しや保護団体の譲渡会でも人気の猫種の場合は里親になりたい方も多く、希望しても里親になれない場合もあります。どんな猫をお迎えする場合にもそうですが、保護団体や元親さんに里親として選ばれるやすくなるためには、「しっかりと飼育環境を整えて、終生きちんと飼う意思と準備」をし、それを伝えることも必要です。
保護団体から猫を迎える場合、ワクチン代や病気の治療費などを払う必要があることもありますし、猫を譲り渡すのに2万円~5万円の寄付を必要としている団体もあります。
エキゾチックロングヘアーのブリーダーやキャッテリー
専門ブリーダーからエキゾチックロングヘアーの子猫を購入する際の値段は、20万円程から40万円超になるようです。値段の違いは、血統の他に生まれてからの日数や被毛の色、顔立ちなどによるようです。
エキゾチックロングヘアーはエキゾチックショートヘアーとペルシャとの交配で生まれることがほとんどです。エキゾチックショートヘアーは最近人気があるようですが、他の猫種に比べてペットショップなどで子猫を見かける機会はあまり多くないかもしれません。エキゾチックロングヘアーの子猫をお迎えするには、エキゾチックショートヘアーとペルシャをブリーディングしているブリーダーやキャッテリーを探すと良いでしょう。
専門のブリーダーやキャッテリーから子猫を迎えると、エキゾチックロングヘアーの特徴や注意点を知ることができるほかに、親猫や兄妹猫たちを見る機会も得られますし、他の猫や兄妹猫と比較したその子猫の性格も分かりますので、成長過程も想像しやすく安心して飼育し始めることができるでしょう。
キャッテリーとは、猫の繁殖と販売を行っているブリーダーが営んでいるもので、TICAやCFAといった猫の血統登録団体に登録されているキャッテリーもあります。
みんなの子猫ブリーダーには、エキゾチックショートヘアーとエキゾチックロングヘアーのブリーディングを行っているブリーダーも登録されています。興味のある方は、検索されてみてはいかがでしょうか。
松本順子ブリーダー
当キャッテリーはペルシャとエキゾ専門のとても小さなキャッテリーです。
CFAのショーキャットに憧れ、CFAのスタンダードに沿った美しく健康な猫を作りたいとブリーディングしております。
2011年より、海外ブリーダーのご協力によりほぼ全ての猫達は外産となりました。
大きな丸い目、しっかりしたボディ、とても人懐っこい性格はオーナー様にきっと癒しを与えてくれると思います。
家庭での繁殖の為、多くの繁殖はさせておりませんが、その分愛情もいっぱい注いで育てております。
出典:みんなの子猫ブリーダー
大黒知英ブリーダー
当舎は、創業20周年を迎えるCFA登録キャッテリーでございます。
キャットショーにも積極的に参加しており、ジャパンリジョンにおきまして4年連続ベストキツンを輩出しております。
スタンダートはもちろん、性格も良くお顔もとても可愛い子猫をめざしてブリードに励んでおります。 お譲りする子猫にはもちろん自信を持っております。
家族の一員として生涯大切に育てて下さる方からのご連絡をお待ちしております。
出典:みんなの子猫ブリーダー
ペットショップ
エキゾチックロングヘアーは頭数が少ない猫種であるため、ペットショップで出会う機会は少ないと考えられます。
購入する店舗や時期で大きく値段も変わるようです。
まとめ
いかがでしたか?エキゾチックロングヘアーについてお分かりになったことと思います。エキゾチックロングヘアーの平均寿命は8~11歳とも12~14歳とも言われています。日本の猫全体の平均寿命は14歳前後と言われていますので、それに比べるとエキゾチックロングヘアーの平均寿命は少し短いのかもしれません。エキゾチックロングヘアーは飼い主さんに甘えたりのんびり過ごしたりするのが好きな猫種のようですので、できるだけ長く一緒に過ごして密なコミュニケーションをとるのも寿命を伸ばす秘訣となるかもしれません。
ほかにも、運動不足になりがちなので一緒に遊んであげたり、食事の管理を行ったりしてエキゾチックロングヘアーの健康を維持してあげましょう!
エキゾチックロングヘアーは外見だけではなく遺伝的にもペルシャに非常に近い猫ですので、ペルシャで多く見られる多発性嚢胞腎(PKD)が遺伝病として心配されます。PKDは常染色体劣性遺伝の病気です。子猫を購入する際には子猫または親猫について遺伝子検査が行われ、PKDの原因となる変異遺伝子を持っていないことを確認すると良いでしょう。
また、短頭種のため、顎の形や歯並びが悪い場合や眼が出ている猫もいます。健康に支障のない場合も多くありますが、顔のつぶれ方によっては呼吸器に異常が見られたり、眼が傷ついたり乾きやすく炎症を起こすこともあります。