オーストラリアンミストの特徴

オーストラリアンミストの原産国は、オーストラリアです。体重は4~7kg程度で、霧がかかったような被毛の色と模様に特にこだわりを持って作られた猫です。被毛の色は、ブルー、ブラウン、チョコレート、ライラック、ゴールド、ピーチの6色で、その被毛は猫の地色とははっきり区別できる繊細な模様に、模様よりも淡い色の地色から成ります。1本の毛の中に3~4本の濃淡のある縞模様が出る「ティッキング」により霧のベールを羽織ったような「ミスト」のスポッテッド・タビー(体の両側に斑点がある事)、またはマーブル・タビーの模様が見てとれます。
その美しさはまるで大理石の様です。足としっぽには、輪状の模様か縞模様、顔や首にも繊細な美しい色のラインが入っていて、短毛で丸いお顔に大きな目が特徴的です。
オーストラリアンミストの性格

オーストラリアンミストは、子供がいるご家庭でも安心して一緒に暮らせる猫だと言われています。その性格は、とても我慢強く、とても友好的で人懐こく、甘えん坊の猫なので、誰かのお膝の上に飛び乗る事を狙っているような、とても可愛らしい子供みたいな猫だそうです。オーストラリアンミストは人が大好きで家の中にいる事を好むので、日中は誰もいなくなってしまう家庭よりも常に誰かがいる家庭で飼うのに向いているとされています。在宅勤務の方や病気療養中の人にも向いているかもしれません。
オーストラリアンミストの動画
甘えん坊なオーストラリアンミスト
子供達と遊んでいるオーストラリアンミストの動画です。子猫の頃から一緒に暮らしているようですね。膝の上に乗ってくつろいだり、猫じゃらしで遊んだりする人懐こいオーストラリアンミストが見られます。
オーストラリアンミスト 新しい家での1日目
新しい家に来て1日目、というオーストラリアンミストの子猫ですが、猫じゃらしに夢中になって遊んでいます。生後11週とのことですが、とても素早い動きをしています。
オーストラリアンミストの生まれたばかりの子猫と母猫
ゴロゴロと喉を鳴らして横になっているオーストラリアンミストの母猫の頭の側には、生まれたばかりの子猫がいます。まだ目も開いていませんが、毛並みは母猫にとてもよく似ています。
オーストラリアンミストの子猫たち
オーストラリアンミストの子猫たちが動き回っています。撮影する飼い主さんの膝に乗ろうとしていたり、カメラから逃げたり、キャットタワーの上で鳴いていたりしています。カメラのライトのせいか、目がまるで悪魔みたいに光って見える時がありますね。
チョコレートスポットのオーストラリアンミストの兄弟
ソファの上に、綺麗なチョコレートスポットの毛並みを持つオーストラリアンミストが2匹、座っています。お互いに顔や体を舐め合って、毛づくろいをしています。とても優雅なオーストラリアンミストです。
オーストラリアンミストのブリーダー
オーストラリアンミストは、日本ではまだ知名度もあまり高くなく、比較的新しい猫種であるため、ペットショップではまず見られません。オーストラリアンミストのキャッテリーやブリーダーから手に入れることになります。キャッテリーのホームページを確認したり、子猫の問い合わせをするなどしておき、見学に行ってから希望が合えば譲り受けることができます。以下のキャッテリーでは2017年にオーストラリアから親猫を導入しオーストラリアンミストのブリーディングを行っているようです。オーストラリアンミストの飼い方
迎え入れる前には、猫用のトイレやベッド、食器を用意しておくのはもちろん、オーストラリアンミストがくつろげるような場所を用意しておきましょう。
オーストラリアンミストは、室内飼いに適した猫として作り出された猫種です。そのため、とても飼いやすいと言えます。
人が大好きで人懐こく社交的なので、飼い主さんと一緒に過ごせるような空間を作ってあげると良いでしょう。人の膝に乗るのがとても好きなので、ソファなどで一緒にくつろげるようにし、猫にとって危険な植物や、いたずらしてしまう置物や倒しそうな家具などは一緒に過ごす部屋に置かないようにします。
また室内で過ごすことが好きなのは良いのですが、運動不足になりがちです。キャットタワーを置いて、爪とぎなども設置し、運動できる場所を作ってあげましょう。肥満には注意が必要なので、適切な量のフードを与えて、おやつも与えすぎないように気をつけてください。
オーストラリアンミストの寿命
オーストラリアンミストは、体格等様々な点が中庸な容姿の持ち主です。体が成熟し、被毛の色や目の色が完成し安定するまでに2~3年と猫としては長い時間がかかってしまいますが、その安定するまでの被毛等の変化を楽しめるのも、この猫の楽しい所なのかもしれません。また、オーストラリアンミストは、長生きする猫だそうです。平均寿命は15年~19年と長いと言われているので、長い間家族と一緒に共に過ごすことが出来るでしょう。
オーストラリアンミストの歴史

オーストラリアンミストは1976年、オーストラリアで医師をしていたルーダ・ストレイドさんが室内飼いに適した短毛で斑点模様の猫を作ろうとし、ブリーディングを始めたのが始まりです。バーミーズを主に用い、他にアビシニアンとスポッテッド・タビーの模様を持つ猫を掛け合わせ作られたのがオーストラリアンミストでした。当初はオーストラリアンミストと言う名前ではなく、スポッテッドミストと言うお名前で、1998年に特徴的な斑点以外に大理石(マーブル)模様がブリードのスタンダードとして認められた事を機会に、「オーストラリアンミスト」と言う、現在の名前に変更されました。
World Cat Federation(WCF)によって開催されるキャットショーでも参加資格を与えられています。GCCF(イギリスの猫種登録団体)では、2011年10月に予備的に登録され始め、2017年2月にチャンピオンシップステータスを得ました。TICAでも公認猫種となっています。まだまだ、知名度はそんなに高くない猫種ではありますが、日本でも人気が出てきそうな、可愛らしいお顔をしていますので、巷で目にする日も近いのかもしれません。
まとめ

オーストラリアンミストの特徴や飼い方などについてまとめてみましたが、いかがだったでしょうか。オーストラリアンミストはとても美しくも可愛らしい猫種ですので、これからどんどん人気が高まっていくかもしれませんね!
オーストラリアンミストに限らず、同じ猫種でも団体によってルールが異なることが多々あります。オーストラリアンミストはまだ新しい猫種であるため、GCCFでは2018年2月に改訂されたルールにおいてもバーミーズやアビシニアンなど基になった猫種との交配が認められています。TICAでは、現在はもう他の猫種との交配は推奨されていないとのことです。
オーストラリアンミストはバーミーズとアビシニアンの血を多く引いているため、それらの猫種で見られる遺伝病を持つ可能性があります。常染色体劣勢遺伝で貧血を起こすピルビン酸キナーゼ欠乏症(PKD)がアビシニアン同様にオーストラリアンミストでも見られ、GCCFでは繁殖に用いるオーストラリアンミストにはPKDの遺伝子検査を行うことを義務付けています。また、バーミーズで見られるALX1遺伝子の異常によって起こるバーミーズ頭部奇形(前頭鼻異形成)がオーストラリアンミストでも見られるそうです。この先天性疾患は一対ある遺伝子の両方に異常遺伝子を持つと重度の奇形を持ち生存することができず、片方だけ異常遺伝子を持つ場合には、短頭の特徴を強く持った顔になります。GCCFでは、5代以内の先祖にバーミーズがいるオーストラリアンミストを海外から輸入する場合には、低カリウム血症性多発性筋障害とGM2ガングリオシドーシスと併せてこのバーミーズ頭部奇形の遺伝子検査を受け異常遺伝子を持たないことが必要とされています。同様に5代以内の先祖にアビシニアンがいるオーストラリアンミストを輸入する場合には進行性網膜萎縮症(PRA)の遺伝子検査が義務付けられています。
原産国であるオーストラリアの団体(Australian Mist Cat Fanciers Association、GCCFに属している団体)では、上記の6色を認めているそうです。GCCFでは、ブラウン、ブルー、チョコレート、ライラック、シナモン、フォーン、キャラメルの7色、TICAではブラウン、ブルー、チョコレート、ライラック、ゴールド、ピーチ、キャラメルの7色が認められるとスタンダードに記載されています。団体によって認められている色が違うということではなく、色の名前の違い、分類の違いだと思われます。