オーストラリアンミスト|特徴や性格、飼い方とは

オーストラリアンミスト|特徴や性格、飼い方とは

「オーストラリアンミスト」という猫を知っていますか?独特な斑点や大理石のような模様が美しいオーストラリアンミスト。見た目は少しアメリカンショートヘアに似ていますが、全く違う品種です!今回はオーストラリアンミストの特徴やその魅力をご紹介します。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

オーストラリアンミストの特徴

布団に仰向けで寝転がって眠るオーストラリアンミスト

オーストラリアンミストの原産国は、オーストラリアです。体重は4~7kg程度で、霧がかかったような被毛の色と模様に特にこだわりを持って作られた猫です。被毛の色は、ブルー、ブラウン、チョコレート、ライラック、ゴールド、ピーチの6色で、その被毛は猫の地色とははっきり区別できる繊細な模様に、模様よりも淡い色の地色から成ります。1本の毛の中に3~4本の濃淡のある縞模様が出る「ティッキング」により霧のベールを羽織ったような「ミスト」のスポッテッド・タビー(体の両側に斑点がある事)、またはマーブル・タビーの模様が見てとれます。

その美しさはまるで大理石の様です。足としっぽには、輪状の模様か縞模様、顔や首にも繊細な美しい色のラインが入っていて、短毛で丸いお顔に大きな目が特徴的です。

【オーストラリアンミストの被毛の色についての補足】

  原産国であるオーストラリアの団体(Australian Mist Cat Fanciers Association、GCCFに属している団体)では、上記の6色を認めているそうです。GCCFでは、ブラウン、ブルー、チョコレート、ライラック、シナモン、フォーン、キャラメルの7色、TICAではブラウン、ブルー、チョコレート、ライラック、ゴールド、ピーチ、キャラメルの7色が認められるとスタンダードに記載されています。団体によって認められている色が違うということではなく、色の名前の違い、分類の違いだと思われます。

獣医師:木下明紀子

オーストラリアンミストの性格

少年の上に乗るオーストラリアンミスト

オーストラリアンミストは、子供がいるご家庭でも安心して一緒に暮らせる猫だと言われています。その性格は、とても我慢強く、とても友好的で人懐こく、甘えん坊の猫なので、誰かのお膝の上に飛び乗る事を狙っているような、とても可愛らしい子供みたいな猫だそうです。オーストラリアンミストは人が大好きで家の中にいる事を好むので、日中は誰もいなくなってしまう家庭よりも常に誰かがいる家庭で飼うのに向いているとされています。在宅勤務の方や病気療養中の人にも向いているかもしれません。

オーストラリアンミストの動画

甘えん坊なオーストラリアンミスト

子供達と遊んでいるオーストラリアンミストの動画です。子猫の頃から一緒に暮らしているようですね。膝の上に乗ってくつろいだり、猫じゃらしで遊んだりする人懐こいオーストラリアンミストが見られます。

オーストラリアンミスト 新しい家での1日目

新しい家に来て1日目、というオーストラリアンミストの子猫ですが、猫じゃらしに夢中になって遊んでいます。生後11週とのことですが、とても素早い動きをしています。

オーストラリアンミストの生まれたばかりの子猫と母猫

ゴロゴロと喉を鳴らして横になっているオーストラリアンミストの母猫の頭の側には、生まれたばかりの子猫がいます。まだ目も開いていませんが、毛並みは母猫にとてもよく似ています。

オーストラリアンミストの子猫たち

オーストラリアンミストの子猫たちが動き回っています。撮影する飼い主さんの膝に乗ろうとしていたり、カメラから逃げたり、キャットタワーの上で鳴いていたりしています。カメラのライトのせいか、目がまるで悪魔みたいに光って見える時がありますね。

チョコレートスポットのオーストラリアンミストの兄弟

ソファの上に、綺麗なチョコレートスポットの毛並みを持つオーストラリアンミストが2匹、座っています。お互いに顔や体を舐め合って、毛づくろいをしています。とても優雅なオーストラリアンミストです。

オーストラリアンミストのブリーダー

オーストラリアンミストは、日本ではまだ知名度もあまり高くなく、比較的新しい猫種であるため、ペットショップではまず見られません。オーストラリアンミストのキャッテリーやブリーダーから手に入れることになります。キャッテリーのホームページを確認したり、子猫の問い合わせをするなどしておき、見学に行ってから希望が合えば譲り受けることができます。以下のキャッテリーでは2017年にオーストラリアから親猫を導入しオーストラリアンミストのブリーディングを行っているようです。

オーストラリアンミストの飼い方

迎え入れる前には、猫用のトイレやベッド、食器を用意しておくのはもちろん、オーストラリアンミストがくつろげるような場所を用意しておきましょう。

オーストラリアンミストは、室内飼いに適した猫として作り出された猫種です。そのため、とても飼いやすいと言えます。

人が大好きで人懐こく社交的なので、飼い主さんと一緒に過ごせるような空間を作ってあげると良いでしょう。人の膝に乗るのがとても好きなので、ソファなどで一緒にくつろげるようにし、猫にとって危険な植物や、いたずらしてしまう置物や倒しそうな家具などは一緒に過ごす部屋に置かないようにします。

また室内で過ごすことが好きなのは良いのですが、運動不足になりがちです。キャットタワーを置いて、爪とぎなども設置し、運動できる場所を作ってあげましょう。肥満には注意が必要なので、適切な量のフードを与えて、おやつも与えすぎないように気をつけてください。

オーストラリアンミストの寿命

オーストラリアンミストは、体格等様々な点が中庸な容姿の持ち主です。体が成熟し、被毛の色や目の色が完成し安定するまでに2~3年と猫としては長い時間がかかってしまいますが、その安定するまでの被毛等の変化を楽しめるのも、この猫の楽しい所なのかもしれません。また、オーストラリアンミストは、長生きする猫だそうです。平均寿命は15年~19年と長いと言われているので、長い間家族と一緒に共に過ごすことが出来るでしょう。

オーストラリアンミストの歴史

寝ている猫

オーストラリアンミストは1976年、オーストラリアで医師をしていたルーダ・ストレイドさんが室内飼いに適した短毛で斑点模様の猫を作ろうとし、ブリーディングを始めたのが始まりです。バーミーズを主に用い、他にアビシニアンとスポッテッド・タビーの模様を持つ猫を掛け合わせ作られたのがオーストラリアンミストでした。当初はオーストラリアンミストと言う名前ではなく、スポッテッドミストと言うお名前で、1998年に特徴的な斑点以外に大理石(マーブル)模様がブリードのスタンダードとして認められた事を機会に、「オーストラリアンミスト」と言う、現在の名前に変更されました。

World Cat Federation(WCF)によって開催されるキャットショーでも参加資格を与えられています。GCCF(イギリスの猫種登録団体)では、2011年10月に予備的に登録され始め、2017年2月にチャンピオンシップステータスを得ました。TICAでも公認猫種となっています。まだまだ、知名度はそんなに高くない猫種ではありますが、日本でも人気が出てきそうな、可愛らしいお顔をしていますので、巷で目にする日も近いのかもしれません。

まとめ

布団の中からこちらを見ているオーストラリアンミスト

オーストラリアンミストの特徴や飼い方などについてまとめてみましたが、いかがだったでしょうか。オーストラリアンミストはとても美しくも可愛らしい猫種ですので、これからどんどん人気が高まっていくかもしれませんね!

【補足】

 オーストラリアンミストに限らず、同じ猫種でも団体によってルールが異なることが多々あります。オーストラリアンミストはまだ新しい猫種であるため、GCCFでは2018年2月に改訂されたルールにおいてもバーミーズやアビシニアンなど基になった猫種との交配が認められています。TICAでは、現在はもう他の猫種との交配は推奨されていないとのことです。
 オーストラリアンミストはバーミーズとアビシニアンの血を多く引いているため、それらの猫種で見られる遺伝病を持つ可能性があります。常染色体劣勢遺伝で貧血を起こすピルビン酸キナーゼ欠乏症(PKD)がアビシニアン同様にオーストラリアンミストでも見られ、GCCFでは繁殖に用いるオーストラリアンミストにはPKDの遺伝子検査を行うことを義務付けています。また、バーミーズで見られるALX1遺伝子の異常によって起こるバーミーズ頭部奇形(前頭鼻異形成)がオーストラリアンミストでも見られるそうです。この先天性疾患は一対ある遺伝子の両方に異常遺伝子を持つと重度の奇形を持ち生存することができず、片方だけ異常遺伝子を持つ場合には、短頭の特徴を強く持った顔になります。GCCFでは、5代以内の先祖にバーミーズがいるオーストラリアンミストを海外から輸入する場合には、低カリウム血症性多発性筋障害とGM2ガングリオシドーシスと併せてこのバーミーズ頭部奇形の遺伝子検査を受け異常遺伝子を持たないことが必要とされています。同様に5代以内の先祖にアビシニアンがいるオーストラリアンミストを輸入する場合には進行性網膜萎縮症(PRA)の遺伝子検査が義務付けられています。

獣医師:木下明紀子
投稿者

40代 女性 chie

オーストラリアンミスト、とても可愛くてこれから人気が高まりそうですね。日本にまだブリーダーがいないとは、なんとも残念。海外から直接購入するとなると、ペットの個人輸入代行業者にお願いしたほうがよさそうですね。日本の検疫の手続きは複雑ですし、もし不備があって時間がかかれば、猫の健康にも負担がかかってしまいますしね。
入手するまでは多少、大変かもしれませんが、寿命が長いのであれば、長く一緒に暮らしていけるのが嬉しいですね。もちろん普段の健康管理次第ですが…。
私はボブテイルのキジトラ猫を飼っているのですが、ボブテイルは一般的な猫の平均寿命よりも短いなどと言われているので、オーストラリアンミストのような寿命が長い猫ちゃんが羨ましいです。
投稿者

女性 Keiko

オーストラリアンミストという名前を今回初めて聞きました‼︎その名前に惹かれて、記事を読んでみると、ぜひ会ってみたいねこちゃんですね。「大理石のような」、と称されるぐらいきれいな被毛や柄を持っているようですし、性格もとてもフレンドリーで、穏やかで明るく一緒に暮らしやすそうなねこちゃんだな、と思いました。日本では記事にもある通り、その名前をまったく見かけたことも聞いたこともありませんし、比較的新しいねこちゃんなのでしょうか?図鑑にものっていませんでしたが、だんだん認められてきているようですね。きっと日本でもとても好まれるねこちゃんになるのではないでしょうか。いつか一緒に遊べる機会があることを願っています。
投稿者

女性 のん

オーストラリアンミスト・・・初めて聞いたので興味を持ち、色々調べてみました!
結構賢いようで、トレーニングをすればリードを付けてお散歩できる子も中にはいるそうです。
他の猫や犬と仲良くできるような性格が、強められている猫種だそうです。ですから、既に先住ちゃんがいる場合や多頭飼いもしやすそう!

ただ、記事にもあるように、日本にオーストラリアンミストのブリーダーが見当たらないですね・・・
TICA(世界最大級の猫血統登録機関)の情報では、ブリーダーはやはり、オーストラリアに多いそうです。ですが、イギリスやアメリカにも、ちらほらいるみたいです。手に入れるには、TICAに問い合わせてみるか、海外のブリーダーに直接アクセスしてみるしかなさそうです。

とても特徴的な毛色と柄ですし性格も飼いやすそうなので人気が出そうですが、
どなたかブリーダーになってくれる方は、いませんか?
投稿者

20代 女性 UMI

とても可愛らしく愛らしい猫ちゃんですよね。オーストラリアンミストという高貴そうなお名前がよく似合っていますね。人なつっこく穏やかな愛くるしい性格というのもまた魅力的ですよね。ベンガルやオシキャットのような反転模様も、毛の色もとっても素敵です。まさに大理石のような美しさです。今年、日本で初めてオーストラリアンミストが初上陸してましたね。テレビで特集されたのを見た覚えがあります。確か神奈川県の方のブリーダーさんだったと思います。母猫が3~4匹程子供を出産したとのことでした。ちなみに当たり前ですがとても可愛かったです。今年初上陸したなら後2~3年したら、ペットショップなどでお目にかかれる日も近そうてすね。
投稿者

30代 女性 tonakai

オーストラリアンミスト、初めて知った猫です。幻想的な雰囲気の名前ですね。被毛の色が淡くて柔らかい雰囲気を感じさせてくれる子もいたり、斑点がはっきりとしていてワイルドさを感じられる子もいたり、毛色と模様がとても魅力的です。
社交的で人懐っこい性格で飼育しやすいとされていますが、まだまだ日本では手に入れることが難しいようです。キャッテリーはありますが、できたばかりのようだったので、これから少しずつ知名度が上がってくるかもしれませんね。
猫の品種は犬と違って大きく姿が変化しないのが特徴とされていますが、オーストラリアンミストもアメリカンショートヘアやバーミーズの雰囲気がありますね。品種を見分けるのは難しいと感じました。
投稿者

女性 しば

オーストラリアンミスト、ほんわかとした淡い被毛が、何とも美しい猫ちゃんですね!

性格も社交的で人懐こいみたいなので、ホントこれから、人気が出そう♪

日本にブリーダーはいないとの事ですが、偶然見つけてしまいました!神奈川県にあるキャッテリーさん「ミストフェリーズ」で、オーストラリアンミストの子猫が購入できるようです。

https://www.cattery-mistoffelees.com

2017年5月に、オーストラリアンミストの生みの親である猫舎、Dr.Truda Straedeから、「Good(グー♂)」と「Very(ベリー♀)」という2匹のオーストラリアンミストが高倍率の中から選ばれ、来日したそうです。

ベリーは既に妊娠しており、来日した5月に5匹の子猫を出産したそう。その時産まれた子猫たちはもう家族が見つかっているようですが、
また次回の出産時に購入できる可能性はあります。

一緒に暮らしたい方は、早めに問い合わせてみると良いのでは、と思います♪
投稿者

30代 女性 にゃコロ

写真の背景の白いお花がとても似合う猫ちゃんだと思いました。
私もこのオーストラリアンミストという品種は初耳でしたが、とっても愛らしい印象で、癒されました。霧のベールの例えも、似合いますね!
我が家には血統のある猫ちゃんはいませんが、その可愛さとすり寄ってきてくれる温かさに毎日癒されています。
知名度はまだまだ低い猫ちゃんの様ですが、ご長寿目指せるこの猫ちゃんこそ、高齢化問題を抱える日本にとって、重宝されるのかもしれません。
私の父は軽い認知症ですが、先立ってしまった飼い猫の事は鮮明に話題に出てきます。
オーストラリアンミストみたいに、可愛くて人懐こく、寿命も長い猫ちゃんなら、日本で大活躍できるかもしれませんね♪
まだまだ少ないブリーダーさんが、増えて行ってくれることを期待しています!
投稿者

40代 女性 はつね

オーストラリアンミスト可愛いですね。子供さんがいる、家庭でも飼いやすくてなつきやすいみたいで、飼いやすいですね。猫ちゃんは、ただでさえ我慢強くてストレスをためやすいので要注意ですが、オーストラリアンミストは、なおさら気を付けてあげなければいけませんね。病気になりにくいそうなのでその点は、飼いやすいですね。うちも、珍しい猫ちゃんをたくさん保護して飼ってきましたが猫種によって、かかりやすい病気が違っているので、なにか気になる点があれば、すぐに獣医さんに相談してみると安心かと思
投稿者

40代 女性 ゆきなちゃん

オーストラリアンミストは、聞いたことがありませんでした。調べてみると、とても辛抱強く家族思いの猫ちゃんみたいですね。
子供さんのいる家庭でも、適しているようです。優しい性格だそうで苦手なブラッシングも耐えるのだそうです。
我が家の猫ちゃんはブラッシングするときには本棚の裏に隠れてしまったりして大変ですが、オーストラリアンミストは、静かにしているのが賢いなと思いました。日本ではまだ飼っている人はいないとおもうので、将来的に飼ってみたいなと夢見ています。大理石のように、綺麗な猫ちゃんですよね!いざ飼うとなると、気を使いそうですが、一緒にあそんだりしてみたいですし、触ってみたいなと思います。

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