バーマンの性格
ミャンマー(ビルマ)の神聖な猫と言わわれているバーマンですが、どんな性格をしているのでしょうか。
- 物静かで甘えん坊
- 賢くて好奇心旺盛
- 子供や他のペットとも仲良く出来る
物静かで甘えん坊
外見はシャム猫に似たポイントカラーを持っていますが、性格は違うようです。騒ぎ過ぎることがなく静かで従順、人が好きなので、飼い主の後をついてまわると言われています。飼い主とたくさん関わりたがりますが、自分中心な性格ではないようなので、御安心ください。
物静かな性格ではありますが、おしゃべりな子が多いようで、ご飯が食べたいときや、ソファで一緒に休みたいときなど、柔らかい声で求めてくるでしょう。飼い主の腕の中でリラックスする様子は、まるでもふもふの赤ちゃんのようです。
賢くて好奇心旺盛
バーマンは従順な上に賢くて好奇心が盛んで、犬のような猫と言われることも多いようです。探検や高いところに登るのも大好きです!ケガをしないように、注意してあげてください。
子供や他のペットとも仲良く出来る
バーマンは子供も、他のペットとも仲良くなれることが多い猫種だと言われています。きっと子供の良き遊び相手に、なってくれることでしょう子供にも猫との適切な接し方をきちんと教えましょう。他のペットとはゆっくりと慣れることができるように、環境を整えてあげましょう。
バーマンの特徴
- 体重は3〜8kg程
- 顔や耳、尻尾に色がついている(ポイントカラー)
- 手先足先は白
- もふもふのシルキーな手触りの被毛
体重3kg〜8kgの中型~大型の猫種です。頭は丸みを帯びており、強いあごを持っています。耳は中くらいのサイズで、離れ気味についています。顔や耳、尻尾に色がついているポイントカラーを持つ猫です。
中程度に長くて力強い体は、もふもふのシルキーな手触りの被毛に覆われています。猫もふしたい方には、たまらない猫種に仕上がっています。手触りも、最高でしょう!
バーマンの毛色
- シール(アザラシ色、濃い茶色)
- ライラック(薄いグレー)
- ブルー
- クリーム
- チョコレート
- トーティ(三毛)
- タビー
バーマンは、色と柄が豊富な猫種ですが、全てがポイントカラーで、ポイント部分には上記のようなカラーがあります。シャム猫を想像していただくと、分かりやすいでしょう。
トーティーポイントは、ポイントカラーの部分にいろいろな色が混ざっているカラー(三毛)です。タビーポイントは、ボイントカラーの部分がタビー(縞模様)になっています。
また、バーマンの大きな特徴として、ポイントカラーではない胴体はゴールドを帯びたきれいな被毛を持ち、手先足先はポイントカラーであることに加え四本とも先端が白いこと(ミテッド)が挙げられます。
バーマンの値段
バーマンの値段は20〜30万円くらいからのようです。バーマンは日本では希少種ですので、一般的なペットショップでは扱っていないことが多いでしょう。
専門ブリーダーやキャッテリーは数件あるようですので、探してみると良いでしょう。里親募集をしている場合もあるかもしれません。
バーマンのお手入れ
バーマンの美しい被毛を保つには、マメにブラッシングを行って、抜け毛を取り除く必要があります。特に、春になると冬毛が抜け始めますので、頻繁にブラッシングしてあげましょう。ただ、バーマンの被毛は長毛種の中では毛玉ができにくいタイプだそうです。
お風呂に入れるのも、抜け毛を取り除くための良い手段の一つです。他には、歯磨きを行ったり、目や耳のケアを行ったりしましょう。トイレも、常に綺麗に保ちましょう。危険な外での事故を防げますので、完全室内飼いがオススメです。
バーマンがかかりやすい病気
バーマンがかかりやすい病気には、何があるのでしょうか。
- 先天性乏毛症、nude/SCID症候群、先天性の乏毛症と短命(CHSLE)
- 角膜デルモイド
- 軸索変性症
- PKD(多発性嚢胞腎)
- 尿素や血液中のクレアチニン異常
- 新生子溶血
先天性乏毛症
nude/SCID(severe combined immunodeficiency)症候群、先天性の乏毛症と短命(CHSLE:congenital hypotrichosis and short life expectancy)とも呼ばれています。被毛がなく生まれ、また胸腺が形成不全となります。胸腺は免疫機能に欠かせない臓器ですので、非常に感染症のリスクが高く、若くして死に至ります。
角膜デルモイド
角膜と白目の境に腫瘍ができる、先天性の病気です。本来は皮膚となるべき組織が腫瘍となったもので、良性ではありますが目を傷つけたりするため、手術が必要となります。
軸索変性症
神経組織の軸索という部分に変性が起き神経機能が正常に働かなくなる病気がバーマンで報告されているそうです。生後10日から2ヶ月ほどの間に発症し、まず後ろ脚が弱くなって、進行するとうまく歩けなくなります。遺伝性が疑われていますが、まだはっきりとしたことは分かっていないそうです。
《この病気を報告している論文》
Moreau PM, Vallat JM, Hugon J, Leboutet MJ, Vandevelde M. Peripheral and central distal axonopathy of suspected inherited origin in Birman cats. Acta Neuropathol. 1991;82(2):143-6.
https://doi.org/10.1007/BF00293957
多発性嚢胞腎(PKD)
ペルシャなどに多い遺伝性疾患で、常染色体劣性遺伝します。バーマンはペルシャが交配に使われていたことがあったので、PKDの遺伝子がペルシャから持ち込まれたのかもしれません。
血液中の尿素窒素(BUN)やクレアチニンの高値
血液検査をすると、血中尿素窒素(BUN)やクレアチニンの値が正常範囲より高くなっていることがバーマンでは多くあるそうです。非常に若い猫でも見られるそうですが、バーマンでこのようなことが起こる原因は不明だそうです。値がどんどん高くなっていったり、腎不全にまで進行する例は少ないそうですが、バーマンで麻酔をかける時には、より慎重に術前検査と腎機能を低下させない対策を行った方が良いそうです。
新生子溶血
母猫と子猫の血液型不適合によって起こります。猫の血液型にはA型、B型、AB型と3種類ありますが、母猫がB型で子猫がA型の場合に子猫が初乳を飲むと、母猫由来の抗体によって子猫の赤血球が溶けて貧血を起こしてしまいます。猫では一般的にA型が多く、A型が90%以上を占める猫種もあるのですが、バーマンはB型がやや多い猫種のため、新生子溶血への対策を考慮する必要があるということです。新生子溶血を防ぐためには、両親ともに血液型を調べて新生子溶血を起こす血液型の子猫が生まれない組み合わせでの交配を行ったり、子猫には初乳を飲ませないなどの対策が必要となります。
バーマンの歴史
多くの伝説や逸話がありながらもその起源が正確には明らかになっていないバーマンは、現在のミャンマ(ビルマ)ーで神聖な存在として扱われてきました。ブルーの目をした女神の化身と言われることもあったそうです。
バーマンがヨーロッパに渡り人為的な交配が始まるきっかけにも様々な説があり、1919年にお寺を守るのを助けてくれたお礼として、2人のフランス在住イギリス人が寺院にいた1ペアの猫を譲り受けた、という説があります。
その説では、その2匹の猫たちはフランスに運ばれましたが、残念ながらオス猫は死んでしまったものの、何と、メス猫は妊娠していたそうです。
フランスでは1925年に公認され、その後ヨーロッパ中にひろまりました。しかし第二次世界大戦後は数が非常に少なくなり、主にペルシャとの交配を行って再興させたと言われています。
バーマンとラグドールの違いと見分け方
ラグドール
- バーマンは4本全ての足先に白い模様(ミテッド)がある
- バーマンよりもラグドールが大きく育つ
見た目が似ているバーマンとラグドールですが、見分けるポイントが2つあります。1つ目の違いは足元にあり、バーマンは4本全ての足先に白い部分(ミテッド)があることです。2つ目は体格と体重にあり、バーマンよりもラグドールが大きく育つ傾向にあるということです。
しかし、確かにバーマンとラグドールはよく似ています。これは、ラグドールが作られる過程でバーマンが交配に用いられたことも影響していると考えられます。
まとめ
日本では希少なバーマンですが、その魅力が十分に、伝わったでしょうか?「神聖な猫」と言われるだけあってその雰囲気は確かに、他の猫とは違うものを感じます。
でも、白い靴下を履いちゃっている所が、お茶目です♪様々な毛色が楽しめるのも、良いですね!出会う数は少ないかもしれませんが、あなただけのバーマンが見つかるかもしれませんね。
珍しい病気で原因も分かっていなかったため病気の名前もあまり確立されていないようですが、2015年にバーマンのこの病気とFOXN1遺伝子の変異との関連が特定されました。常染色体劣性遺伝し、バーマンが品種として確立されて以降に発生した遺伝子変異だと考えられています。FOXN1遺伝子がこの病気に関連していることを発表した研究では、この病気を持っていた猫と近い血縁関係にはないバーマン126匹の中で、この変異を1つだけ持つ猫が3.2%(4匹)いたという結果が出ています。また、海外の会社になりますが、この突然変異の有無の検査を行っている遺伝子検査会社(AnimaLabs社)もあります。
《FOXN1遺伝子の変異との関連を発表した論文》
Abitbol M, Bossé P, Thomas A, Tiret L (2015) A Deletion in FOXN1 Is Associated with a Syndrome Characterized by Congenital Hypotrichosis and Short Life Expectancy in Birman Cats. PLOS ONE 10(3): e0120668.
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0120668
《AnimaLabs社のバーマンのCHSLEについてのページ》
Birman Hypotrichosis & Short Life Expectancy (CHSLE)