【獣医師監修】ブリティッシュロングヘアの平均寿命は何年?長生きのポイントや病気を解説

【獣医師監修】ブリティッシュロングヘアの平均寿命は何年?長生きのポイントや病気を解説

ブリティッシュロングヘアの平均寿命は何年?人間換算年齢の目安、猫全体との比較、注意すべき病気(心臓病・腎臓病・毛球症など)や長生きさせるための飼育ポイントを客観的データに基づき分かりやすく解説します。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

ブリティッシュロングヘアの平均寿命は何年?

アップのブリティッシュロングヘア

ブリティッシュロングヘアの平均寿命は12〜20年程度がひとつの目安です。

猫の寿命には個体差があり、食事や運動、生活環境などによっても変わります。そのため、すべてのブリティッシュロングヘアがこの年齢まで生きるというわけではありませんが、適切な健康管理を続けることで長く一緒に暮らせる可能性があります。

世界的な猫の血統登録団体であるTICA [The International Cat Association](※)では、ブリティッシュロングヘアの平均余命を12〜20年と紹介しており、背景や生活環境によって寿命が左右されるとしています。

一方、日本国内ではブリティッシュロングヘア単独の平均寿命を示す大規模な統計はほとんどありません。そのため、具体的な寿命を考える際には国内の限られた情報だけで判断するのではなく、TICAが示す12〜20年程度を目安のひとつとして捉えるのがよいでしょう。

(※参考: TICA「British Longhair」)

ブリティッシュロングヘアはほかの猫より寿命が長い?

上を見るブリティッシュロングヘア

ブリティッシュロングヘアは、ほかの猫と比べて特別に寿命が長い猫種とは言い切れませんが、比較的長く暮らすことも期待できる猫種です。

TICA [The International Cat Association](※)では、ブリティッシュロングヘアの寿命の目安を12〜20年としています。20歳近くまで生きる可能性もある一方、寿命には個体差があり、食事や運動、飼育環境、健康状態などによっても変わります。

アニコム損害保険株式会社の「家庭どうぶつ白書2025(※)」では、2023年度の猫全体の平均寿命は14.5歳、近縁のブリティッシュ・ショートヘアーは14.2歳、作出の歴史で関わりのあるペルシャは13.3歳でした。

対象 寿命・平均寿命の目安 情報元
ブリティッシュロングヘア 12〜20年 TICA
ブリティッシュ・ショートヘアー 14.2歳 アニコム家庭どうぶつ白書2025
ペルシャ 13.3歳 アニコム家庭どうぶつ白書2025
猫全体 14.5歳 アニコム家庭どうぶつ白書2025

ブリティッシュロングヘアだけ調査元が異なるため単純な数値比較はできませんが、TICAが示す12〜20年という幅を見ると、猫全体と大きくかけ離れた寿命ではありません。日頃から適切な食事や体重管理、健康チェックを続け、長く健康に暮らせる環境を整えることが大切です。

(※参考: TICA「British Longhair」)

(※参考: アニコム「家庭どうぶつ白書2025」)

ブリティッシュロングヘアの年齢を人間に換算すると何歳?

カレンダーと時計

猫の成長スピードは人間と大きく異なり、最初の1〜2年で急速に成猫へと成長した後は、緩やかに年齢を重ねていきます。

以下の表は、本品種に限定された独自のものではなく、一般的な猫のライフステージを人間に換算した目安です。

ブリティッシュロングヘアの年齢 人間に換算した年齢
1歳 18歳
2歳 24歳
5歳 36歳
7歳 44歳
10歳 56歳
12歳 64歳
15歳 76歳
20歳 96歳

平均的な寿命である12〜15歳は、人間でいうとおよそ60代半ばから70代後半の高齢期に相当します。

ブリティッシュロングヘアの寿命に関わる病気

医療器具

肥大型心筋症

肥大型心筋症は、心臓の筋肉、特に左心室の壁が異常に厚くなり、心室の内部が狭くなったり、十分に広がりにくくなったりする病気です。

初期症状はほとんど目立たず、進行すると呼吸が速くなる、開口呼吸をする、後ろ足が麻痺して動かなくなるといった異常が現れます。

HCMの早期発見には、定期的な心エコー検査が重要です。また、安静時の呼吸数増加は心不全の兆候を把握する手掛かりとなるため、日頃から呼吸の様子を観察しましょう。血栓塞栓症や心不全を併発すると突然死を招くリスクがあり、寿命に直接影響します。

多発性嚢胞腎

多発性嚢胞腎は、両側の腎臓に液体がたまった袋状の病変(嚢胞)が複数に生じ、組織を圧迫して腎機能を奪っていく病気です。

遺伝的な要因が関与しているとされ、初期は無症状ですが、進行に伴い飲水量と尿の増加、食欲不振、体重減少が現れます。

罹患個体では発症を予防することはできませんが、遺伝子検査によって繁殖前に原因となる遺伝子変異の有無を確認することで、次世代への遺伝を防ぐことにつながります。また、成猫期以降の超音波検査による早期発見が重要です。腎不全が不可逆的に進行するため、寿命を縮める要因となります。

尿路結石症

尿路結石症は、腎臓や尿管、膀胱、尿道などの尿路にストルバイトやシュウ酸カルシウムなどの結石が形成される病気です。

トイレに何度も行く、排尿時に痛がって鳴く、尿に血が混じるといった症状が代表的です。

トイレ行動の日常的な観察が早期発見につながります。結石が尿道を完全に塞ぐ「尿道閉塞」を起こすと急性腎不全や尿毒症を引き起こします。尿が出ない場合は直ちに受診しましょう。

毛球症

毛球症は、グルーミング(毛づくろい)によって飲み込まれた被毛が消化器官内で大きな塊となり、排出されなくなる状態です。

頻繁に吐き気を催す、食欲が落ちる、便秘が続くなどの症状が現れ、重症化すると腸閉塞を起こします。

日常的に便の状態や嘔吐の頻度を確認することが大切です。消化管が完全に閉塞すると全身状態が急激に悪化し、外科的処置が遅れた場合は命の危険を伴います。

ブリティッシュロングヘアに長生きしてもらうためのポイント

猫のごはんとおもちゃ

食事と体重を管理する

筋肉質でがっしりとした骨格を持つため、消費カロリーに見合った適切な給餌量を維持し、肥満を防ぐことが大切です。

過剰な体重増加は心臓や関節への負担を増大させ、生活習慣病のリスクを高めます。シニア期に入ったら、運動量の低下に合わせて消化吸収が良くカロリーを抑えた高齢期用の総合栄養食へ徐々に切り替え、体型の維持に努めてください。

適度な運動を取り入れる

落ち着いた性質を持つ傾向があるため、運動不足に陥らないよう意識的な遊びの時間を確保することが欠かせません。

高低差のあるキャットタワーの設置や、知育トイを活用した身体活動が健康維持に役立ちます。シニア期には無理なジャンプを防ぐため、ステップ台やスロープを配置し、関節に過度な負担をかけない安全な運動環境へ見直す工夫が求められます。

被毛の手入れを徹底する

密生した豊かな長毛を持つため、毎日の丁寧なブラッシングとコーミングによる被毛管理が健康維持に直結します。

抜け毛を放置すると毛球症のリスクが高まるだけでなく、皮膚の通気性が悪化して皮膚炎の原因にもなります。換毛期には念入りにお手入れを行い、毛玉の形成を防ぐとともに、体を直接触ることで皮膚のしこりや外見の変化を観察する機会にしてください。

安全でストレスの少ない環境を整える

穏やかな環境を好むため、過度な騒音や急激な生活環境の変化を避け、安心して休める静かな居場所を確保することが重要です。

水分摂取量を増やすために複数の場所に清潔な水飲み場を用意し、泌尿器系疾患のリスクを低減させます。シニア期にはトイレの段差を低くし、暑さ・寒さの負担を避けるため室温を一定に保つなど、体に優しい住環境を整えてください。

定期的に健康診断を受ける

外見の変化だけでは察知しにくい心臓病や腎臓病の初期段階を捉えるため、定期的な健康診断が不可欠です。

若齢期から年1回の健診を受け、10歳以上のシニア期を迎えたら半年に1回程度の頻度で血液検査、尿検査、心臓や腎臓の超音波検査を実施することが推奨されます。無症状のうちに病的な兆候を発見することが、健康寿命の延伸につながります。

まとめ

白背景にブリティッシュロングヘア

ブリティッシュロングヘアの平均寿命は12〜15年程度とされています。現時点で猫種単独での十分な公的統計は限られており、一般的な推定値を目安として捉える姿勢が大切です。

猫全体の平均寿命である約16歳と比較して極端に差があるとは言えず、健康管理次第で長く寄り添うことが可能です。注意したい病気として肥大型心筋症、多発性嚢胞腎、尿路結石症、長毛の猫で注意したい毛球症などが挙げられます。

長生きしてもらうためには、筋肉質な体型を維持する食事と体重の管理、日常的な被毛のお手入れ、安全な室内環境の整備、シニア期を見据えた定期的な健康診断が極めて重要です。