猫はヨーグルトを食べても大丈夫?

ヨーグルトは猫に与えても問題ない食材です。
ただし、与えすぎると体調を崩す猫もいるので注意が必要です。猫は「乳糖不耐症(にゅうとうふたいしょう)」という、牛乳などに含まれる乳糖をうまく消化できない体質の子が多いです。
ヨーグルトは発酵の過程で乳糖が分解されていますが、過剰に摂取すると下痢や嘔吐の原因になることがあります。
ヨーグルトの栄養素と猫への健康効果

ヨーグルトには猫の健康維持に役立つ可能性のある栄養素が含まれています。主な栄養素とその効果について解説します。
乳酸菌・ビフィズス菌
ヨーグルトに含まれる代表的な善玉菌です。これらは、猫の腸内環境のバランスを整える手助けをすると期待されています。
腸内環境が整うことで、便通の改善や免疫力の維持につながる可能性があります。
タンパク質
タンパク質は、猫の筋肉や皮膚、被毛、内臓など、体を作るための重要な栄養素です。ヨーグルトに含まれる動物性タンパク質は、肉食動物である猫にとって効率の良い栄養源の一つとなります。
カルシウム
カルシウムは、骨や歯を丈夫に保つために不可欠なミネラルです。また、神経の伝達や筋肉の収縮など、体の機能を正常に保つためにも重要な役割を果たしています。
脂質
脂質は、猫にとって重要なエネルギー源です。また、皮膚や被毛の健康を保つためにも役立ちます。
ただし、脂質はカロリーが高いため、与えすぎは肥満の原因になるため注意が必要です。
猫にヨーグルトを与える際の注意点

猫にヨーグルトを与える際は、健康状態や与え方を十分に確認する必要があります。安全に与えるための注意点を守りましょう。
腎不全・尿石症などの疾患がある場合は与えない
ヨーグルトにはタンパク質やカルシウム、リンといったミネラルが含まれています。
これらの成分は、腎臓病や尿石症などの持病がある猫にとって、症状を悪化させる負担となる可能性があります。治療中の猫や、持病がある場合は、必ずかかりつけの獣医師に相談してください。
無糖の商品を与える
猫に与えるヨーグルトは、必ず「無糖」「プレーン」タイプを選んでください。人間用の加糖ヨーグルトには、猫にとって過剰な糖分が含まれており、肥満や糖尿病のリスクを高めます。
また、商品によってはキシリトールなど、猫にとって中毒を引き起こす成分が含まれている場合があるため、原材料の確認は必須です。
子猫には与えない
子猫は消化器官がまだ十分に発達していません。子猫の時期は、専用のキャットフードから必要な栄養をバランス良く摂取することが最も重要です。
ヨーグルトを与えることでお腹を壊したり、主食の量が減ったりする可能性があるため、消化器官が安定する成猫になってからにしましょう。
少量ずつ与える
初めてヨーグルトを与える際は、まずティースプーンの先にごく少量だけ舐めさせてみてください。
前述の通り、猫は乳糖の消化が得意ではありません。少量で下痢や嘔吐をしないか、体調の変化をよく観察することが大切です。
アレルギーに注意
猫にも牛乳や乳製品に対するアレルギー(食物アレルギー)があります。
ヨーグルトを与えた後に、皮膚のかゆみ、下痢、嘔吐などの症状が見られた場合は、すぐに与えるのをやめて動物病院を受診してください。アレルギー体質の猫に与える際は特に慎重になりましょう。
猫にヨーグルトを食べさせる際の適量

猫にヨーグルトを与える場合、それは「おやつ」または「トッピング」の範囲内にとどめるべきです。
おやつの適量は、1日に必要な総摂取カロリーの10%以内が目安とされています。
例えば、体重4kgの成猫(避妊・去勢済み)の場合、1日の必要カロリーは約200〜240kcal程度です。その10%となると、おやつは20〜24kcal以内に収める必要があります。
無糖のプレーンヨーグルト(100gあたり約60kcalと仮定)で換算すると、ティースプーン1杯(約5g)で約3kcalとなります。
これを目安に、体格や運動量、他に与えるおやつとのバランスを考えて、ごく少量(ティースプーン1杯程度まで)に留めましょう。
まとめ

ヨーグルトは、無糖のプレーンタイプを少量であれば、猫に与えても問題ありません。乳酸菌やタンパク質などの栄養素が、猫の腸内環境や健康維持に役立つ可能性もあります。
ただし、与えすぎは下痢の原因になり、持病(特に腎臓病や尿石症)がある猫には与えてはいけません。
必ず少量から始め、アレルギー反応や体調の変化がないかを確認しながら、愛猫の健康状態に合わせて判断してください。