猫の叱り方と信頼関係
猫を叱ったら嫌われた!又は、「シャー!」と逆切れされた経験のある方もいるかと思います。猫の場合、犬までは賢くありません。ですから、上手に正しい方法で叱らないと、その後の信頼関係にヒビが入ってしまう可能性もあります。
では、どのように猫を叱るのが正解なのでしょうか。オススメの叱り方や、やってはいけない叱り方等をご紹介していきたいと思います。愛猫の叱り方がわからない!という飼い主さんは、是非参考にしてみてください。
正しい猫の叱り方
まず、注意していただきたいのが「叱る理由」です。よく思い出してみましょう。壁で爪とぎをする、マーキングをしてしまう、高い所に登って物を落とす、などで猫を叱った事はありませんか?
ついつい、「あーもう!だめ!」と言いたくなるような事ばかりですが、実はこれ、すべて猫の習性によるもの。そのため「だめ!」と怒られても、猫からすれば何がいけない事なのかわかるはずがないのです。ですから叱られている事を理解してくれません。
壁で爪とぎをしているのを見つけて、いきなり「ダメ!」と叱ってしまうと、猫は壁にしたから叱られたと感じるよりは、爪を研ぐことを叱られたと勘違いしてしまうんだとか。マーキングや高い所に登った等の時も同じです。マーキングなんかは人にとっては困った行為でも、猫にとっては大切な行為です。高い所に登ってしまうのももちろん、猫の習性から言えば当然の行動です。
何で叱られたのかが理解できずストレスの原因になってしまう場合もあります。ですから、正しい方法で叱るというのが大切なポイントになってきます。
例えば、
- 人を本気で噛む
- テーブルの上にあがってしまう
- 人の食べ物を食べる
などはもちろんしてはいけない事ですよね。その時には、「だめ!」「こら!」など、声に出して軽く背中をポンと叩きます。猫は急に触れられて驚くでしょう。猫は臆病な子が多いので驚く=いったんその行為をやめるに繋がります。
この驚いて手を止めるという猫の行動をうまく利用して叱るとスムーズに躾が出来ます。例えばマーキングをしてしまう時にも、避妊去勢手術をしている事が大前提ですが、術後もマーキング癖が残ってしまう子もいるんだとか。
猫からすれば仕方ない事なんです。しかし人からすれば共存していくにあたって本当に困る問題でしょう。そんな時も叱るというよりは、マーキングしようとしたら背中をポン、マーキング中に気が付いたらすぐに背中をポン、と叩き驚かしてみましょう。
昔うちに居たオス猫は、未去勢時マーキングをしようとしている所を、後ろからポンと叩き驚かすと、すごい勢いでその場から離れました。それを繰り返すうちに「マーキングすると驚かされる」と覚えたのか、段々としなくなりました。
壁で爪研ぎをしていた時は、叱るのはオススメできません。爪研ぎは猫にとってストレス発散でもあります。そんな爪研ぎを間違えた方法で叱ってしまっては猫のストレスが溜まってしまう事が考えられるからです。
そんな時は、爪研ぎを用意して猫の手を持ち、肉球を爪研ぎに擦りつけてあげましょう。肉球にある臭腺という部分からはフェロモンが出て、そのニオイがついた場所で猫は爪研ぎをします。この習性を生かし、正しい爪研ぎの場所を覚えさせましょう!
高い所に登ってしまうのは、これはもうどうしようもできません^^;「あ!また落としたでしょ!」と、猫を叱りたくなる気持ちも十分にわかります・・・。しかし、こればかりは高い所=安心、安全!と理解している猫の習性を考えると、叱っても改善される事ではありません。高い所には猫が登る事を想定して、落ちないように安全な形でインテリアを設置するなどしましょう。
猫にやってはいけない叱り方
度々重なるイタズラに、ついつい手が出て叩いてしまう飼い主さんもいらっしゃると思います。しかし、叱られている理由がよくわかっていない猫は、叩かれると飼い主さんが怖い人だと認識してしまい、飼い主さんへの信頼が薄れていってしまいます。
猫を叱る際は、猫が恐怖や痛みを感じるほどの強さで叩いてはいけません。頭はもちろん叩いてはいけないとわかる場所ですが、実は叩いても大丈夫そうなお尻の付け根や、尻尾なんかには様々な機能が隠されています。
その部分を強く叩いたり、掴んだりするととても痛みを感じやすく、猫は悪い事をしたと反省するどころか、飼い主さんの事を非常に怖がってしまいます。一度失われた信頼関係は、なかなか元には戻せません。
猫を叱る時には、叱る理由と叱り方に注意して正しい方法で叱る事を心がけましょう。
まとめ
このように人間からすると困ってしまう猫の行動でも、それは本来の猫の習性であるため、感情に任せて頭ごなしに叱ってしまう叱り方は猫との信頼関係を壊してしまう良くない叱り方になってしまいます。正しい猫の叱り方を覚えて、信頼関係そのままに、上手く困った行動をやめさせることを心がけましょう。
50代以上 男性 匿名