1.逃げて隠れて引きこもる
いちばんわかりやすいのは、すぐに逃げ出してしまうことです。距離を詰めようと歩み寄った瞬間、とたんにその場から離れていってしまいます。
特に、つらい過去を持ち、人馴れしていない保護猫を迎えた場合は、その傾向が強いかもしれません。
信頼関係が不十分な状況下では、猫にとって人間は非常に巨大で、不可解かつ恐ろしい存在です。自分よりも何倍も大きい物体が覆い被さるように迫ってきたら、パニックになって逃げるのも当然でしょう。
逃げ出した後も、ベッドなどの家具の下に隠れたまま、引きこもってしまう子もいます。ごく稀なケースですが、いっしょに暮らしていながら、めったに姿を見せない猫もいるほどです。
接近するときは、愛猫の反応を確かめつつ、しゃがんだ姿勢で歩み寄るのが基本です。声をかける場合は、意識的に高めのトーンで話してみてください。
もし警戒するそぶりを見せたら、それ以上近づかないことが肝心です。繰り返すうちに、愛猫も「悪い人じゃないかも…」と認識し、少しずつ心を開いてくれるようになります。
2.威嚇シャウト&猫パンチ
威嚇シャウトも、飼い主さんとの信頼性欠如を示す猫の行動表現と言えます。口を大きく開けて、「シャッー!」や「ウーッ!」といった声で唸りながら、全身で「これ以上、近づいたら絶交!」と宣言します。
あまりにも強烈なメッセージ性に、飼い主さんもきっと驚くばかりでしょう。態度は明らかに攻撃的ですが、本心では、怖くてしかたがない心理状態です。自分の身を守るために精一杯で、できるだけ早く逃げ出したいと考えています。
不用意に近づくと、即刻、逃亡されるか、猫パンチ連打で徹底抗戦されるだけです。ただでさえもろい関係性が修復不可能なレベルまで悪化する危険性もあります。
飼い主さんが唯一できることは、無理して接近せず、愛猫が落ち着くまで気長に待つことです。同時に、ごはんの用意やトイレ掃除、愛猫への接し方に問題はなかったか、改めてチェックするのも効果的かもしれません。
3.しっぽ巻きつけイカ耳ガード
人間のような言葉を持たない猫は、身体のパーツを使って、自分の気持ちを表現します。しっぽを巻きつけて座る、いわゆる「しっぽ巻き座り」もそのひとつです。
一見すると、何でもないように見える行動ですが、実は、警戒心や緊張をあらわしています。大切なしっぽを身体に巻きつけることで、今にも崩れそうな心をガードしているわけです。ちなみに、冬の防寒対策としてやる場合もあります。
同様に、耳を後ろに反り返させる「イカ耳」も、情緒不安定なサインです。イライラや不満、恐怖など、ネガティブな感情が押し寄せています。ちょっとした刺激でも過敏に反応しがちなので、むやみにかまったり、無造作に近づかないようにしましょう。
まとめ
愛猫と信頼関係を築く方法は、その子の個性に寄り添ったうえで、こまめにお世話し、できるだけ長い時間、いっしょに過ごすことです。
前提として、派手に動いたり、大声を出したり、無視したり、愛猫にとってイヤなことを避けるのもポイント。
また、おやつを効果的に使いながら、適度に遊ぶことも欠かせません。より信頼し合える仲になるために、今回紹介した内容を今後の日々に活かしてみてください。