1.夜中の走り回りによる騒音
多くの猫飼い主が経験する騒音トラブルの一つが、夜中の走り回りです。
猫は薄明薄暮性の動物であるため、人間が就寝している早朝に活動することがあります。
部屋から部屋へと駆け抜けたり、家具の上を飛び回ったりする姿は、猫らしく確かに愛らしいものです。
しかしその音は思いのほか大きく、特にマンションやアパートなどの集合住宅では、階下の住人にとって悩ましい問題となることがあります。
解決策は?
この問題を軽減するためには、まず猫の生活リズムを調整することが重要です。日中に十分な遊び時間を設けて、夜間の活動を抑えるようにしましょう。
また床に防音マットを敷いたり、猫用の遊び場を設置するのもOK。走り回る範囲を限定し、騒音を軽減することができます。
2.鳴き声による騒音
猫の鳴き声は大事なコミュニケーションのひとつですが、頻繁な鳴き声や大きな鳴き声は、近隣住民にとって迷惑になることがあります。
とくに、早朝や深夜の鳴き声は問題になりやすいです。
そのため愛猫の無駄鳴きが目立つようなら、その鳴き声の原因を特定し、適切に対処する必要があります。
解決策は?
たとえば空腹による鳴き声であれば、食事時間を規則正しくすることで改善に向かったり、注目を求める鳴き声の場合は、過剰な反応を避けたり、落ち着いているときに積極的に褒めるなどの対応が効果的です。
また分離不安などのストレスによる鳴き声には、環境の改善や十分なコミュニケーションをとることが有効です。
なにをやっても改善しないような、慢性的な鳴き声の問題がある場合は、健康上の問題がある可能性もあるため獣医師に相談することをおすすめします。
3.物を落とす音による騒音
猫は好奇心旺盛な動物で、高い場所に登ったり、棚の上の物を探ったりすることを好みます。
しかしその結果として物を落としてしまうことがあり、これが騒音の原因となるケースも…。
とくに深夜に起こるこのような音は、隣人を驚かせたり、眠りを妨げたりする可能性があって、トラブルにもつながりやすいです。
解決策は?
この問題に対処するには、まず家の中を猫にとって「安全で魅力的な環境」にすることが大切です。
たとえば高い場所に登りたい猫の本能を満たすためにキャットタワーを設置したり、棚の上やテーブルの上には重い物を置かないようにしたり、どうしても設置が必要な場合は固定したりすることで、落下を防ぐことができます。
また猫が特定の場所で物を落とす癖がある場合は、柑橘系の香りのするスプレーを吹きかけたりすることで、その場所に近づけないよう工夫することも有効です。
4.トイレの音による騒音
猫のトイレの音も、意外と大きな騒音源になることがあります。
とくに自動清掃機能付きの猫トイレを使用している場合、そのクリーニング音が深夜に響くと近隣住民の迷惑になりかねません。
また猫が砂をかき回す音や、トイレ後に砂をかける音も、部屋の壁が薄いと予想以上に大きく聞こえることがあります。
解決策は?
この問題に対処するには、まずトイレの位置を工夫することが重要です。
可能であれば、寝室や隣家との境界壁から離れた場所にトイレを設置しましょう。また防音マットの上にトイレを置くことで、音の伝わりを軽減することができます。
自動清掃機能付きのトイレを使用している場合は、おやすみタイマー機能を活用して、昼間の時間帯にのみ作動するように設定するといいかもしれません。
また猫砂の響きが気になる場合は、その種類を変更することも効果的です。たとえば紙製タイプの猫砂は、通常の鉱物系の猫砂に比べて音が小さい傾向があります。
まとめ
猫との暮らしは多くの喜びをもたらしますが、同時にいくつかの課題も伴います。騒音トラブルはその代表的なもののひとつですが、適切な対策を講じることで十分に管理可能です。
ただし騒音対策を行う際は、猫のストレスにならないよう、猫の立場に立って考えることも大切。
愛情を持って接して猫のニーズに応えつつ、騒音を軽減する工夫を重ねていくことで、猫と人間、そして近隣住民との調和のとれた暮らしを実現することができるはずです。