猫の『引っ掻き癖』考えられる4つの原因 猫なりの理由がある?やめさせるには?

猫の『引っ掻き癖』考えられる4つの原因 猫なりの理由がある?やめさせるには?

猫の引っ掻き行動は飼い主にとって悩みの種となることがありますが、実は猫には猫なりの、いくつかの理由があるようです。

猫の『引っ掻き癖』考えられる4つの原因

爪跡と猫

1.じゃれてるから

猫の引っ掻き癖にはさまざまな理由がありますが、その中でも多いのが「じゃれているから」という遊びの側面です。

猫にとって、爪を使った遊びは非常に自然で楽しい行動。猫は狩猟動物でもあり、その狩猟本能は遊びの中でも発揮されます。たとえば子猫の頃から兄弟や母猫とじゃれ合う中で、爪を使って遊んだり。

そしてこの行動は成猫になっても続ける猫は多く、飼い主の手や足、おもちゃなどを「獲物」に見立てて爪を立てたり、引っ掻いたりすることもあるのです。

しかし、このじゃれ合いとしての引っ掻き行動が問題となるケースもあります。たとえば遊びのつもりでも、強すぎる引っ掻きで飼い主を傷つけることや、家具や壁などをボロボロにするなどです。

さらに遊びに熱中しすぎて、攻撃的な行動に発展してしまうケースも見られます。

2.興奮しているから

猫の引っ掻き癖の理由のひとつが「興奮しているから」というもの。

猫は興奮状態になると、その感情を身体的な行動で表現することがあります。その代表的な行動の一つが、引っ掻くという行為なのです。

興奮の原因は多岐にわたります。たとえば飼い主との楽しい遊びの最中や、窓の外を飛ぶ鳥を見たとき、あるいは脅威の存在を感じたときなどに、猫は興奮しがちになります。

このような状況下で、猫は自身の興奮を抑えることができず、周囲の物や人をひっかくことがあるのです。

とはいえこういった興奮時の引っ掻き行動は、猫にとっては自然な反応。野生の環境では、興奮状態は狩りや危険からの逃避など、生存に関わる重要な場面で必要とされるからです。

そのため爪を使った即座の反応は、猫の本能的な行動パターンの一部として、やめさせることは難しいでしょう。

3.不満があるから

猫の引っ掻き癖の理由のなかには「不満があるから」というものもあります。

猫は言葉を話せないため、自分の気持ちや欲求を直接的に伝えることができません。そのため不満や不快感を感じたときに、引っ掻くという行動で表現する猫もいます。

猫が不満を感じる原因は、たとえば食事の量や質に満足していない・トイレの状態が清潔でない・十分な愛情や注目を受けていない・やめてほしいことがあるなどが挙げられます。

また環境の変化・新しい家族が増える・引っ越しなどの大きな出来事も、猫に不安や不満を引き起こし、引っ掻きの原因となることもあるようです。

4.構ってほしいから

猫の引っ掻き癖に考えられる理由の一つに「構ってほしいから」というものがあります。

これは主に猫が飼い主の注目を引き、コミュニケーションを取りたいという気持ちが隠れているようです。

猫は飼い主に興味関心が少ないと思われがちですが、実は飼い主の存在を気にしていて、飼い主とのコミュニケ-ションを求めています。

しかし言葉を話せない猫にとって、自分の欲求を直接的に伝えることは難しいので、引っ搔くといったアクションで飼い主の気を引こうとします。

たとえば飼い主がパソコン作業に集中していたり、テレビを見ていたりする時に、突然足元や椅子を引っ掻き始めるといった具合です。

この行動によって飼い主の注意を引き、「私のことを見て!」「遊んで!」というメッセージを伝えようとしているのです。

また以前に引っ掻き行動をした際に飼い主が反応し、結果的に注目や遊びの時間を得られたという経験があると、猫はその行動を繰り返す傾向もあります。

猫にとっては、「引っ掻けば構ってもらえる」という学習効果が働いているのです。

猫の引っ掻き癖の対処法

爪をきってもらう猫

猫の引っ掻きは本能に基づく行動だったり、要求を伝えるためのコミュニケーションだったりするので、完全にやめさせることは難しいです。

またしつけは猫には向いていません。猫は人間を「主」と思っておらず、服従関係を持たない動物なので、飼い主のいいつけを守ろうという気持ちをもっていないからです(まれに芸を覚える猫もいますが…!)。

そのため飼い主ができる対処法としては、

  • 爪を切る
  • 猫が興奮しているときは見守る
  • 爪とぎなどを設置する
  • 傷つけられたくない家具は保護シートを貼る など

以上のようなものがあります。猫自身の引っ掻き癖をやめさせるのではなく、被害を最小限に抑えるためといったイメージですね。

まとめ

指に食らいつく猫

猫の引っ掻き癖には、猫なりの本能的な理由が隠れていたり、飼い主とのコミュニケーション手段としていたりします。

完全に防ぐことは難しいかもしれませんが、引っ掻かれないような・引っ掻かれてもケガをしないような対策は施すことはできるでしょう。

ただし猫の引っ掻き癖には個体差があって、なかには引っ掻き行為をしない猫もいます。猫の個性に合わせて、猫と飼い主双方が穏やかに過ごせる環境を整えましょう。

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