同居猫亡き後、餌を食べなくなってしまった
ある飼い主さんは何匹かの猫を飼っていて、そのうちの2匹はとても仲が良かったそうです。しかしある時、悲しいことに片方の猫が亡くなってしまったのです。飼い主さんが見る限りでは猫は亡くなった仲間が安置されている姿を見てもあまり興味がなさそうにしていたそうです。
しかしそれから数日の間その猫は全く餌を口にしなくなってしまったのだとか。お医者さんに連れて行くと強いストレスを感じていることが原因ではないかと言われたそうで、人間のように見た目で感情が分かるわけではありませんが、やはり仲間を失って強い悲しみを感じていたのではないかと飼い主さんは思っているそうです。
亡くなった飼い主のお墓で鳴き続ける猫
これは海外の猫の話なのですが、この猫は飼い主さんが亡くなった後、そのお墓のある場所に留まり続けずっと鳴き続けていたそうです。
可哀想に思った周囲の人が連れて帰って世話をしようとしても、嫌がってすぐにまたその飼い主さんのお墓に舞い戻ってしまうそうで、まるで飼い主さんの死を理解し悼んでいるように見えると、その姿を目にした人達は話しています。
飼い主亡き後、ぬいぐるみと寄り添い続ける猫
こちらも海外で実際にあった話ですが、この猫は飼い主さんが亡くなってからずっと同じぬいぐるみにぴったりと寄り添って暮らしているそうです。どうやらこのぬいぐるみはかなり長い時間を猫と一緒に過ごしてきたようで、ぬいぐるみに飼い主さんと暮らしていた以前の家の匂いが染みついているため、ずっと寄り添っているのかもしれないということです。
この猫ちゃんは紆余曲折あって、今は猫の保護施設で暮らしているそうですが、そこでもやはりこのぬいぐるみに寄り添っている時間がとても長いのだそうです。もしかするとぬいぐるみに寄り添うことで、飼い主さんの匂いを思い出し寂しさをまぎらわしているのかもしれません。
科学的に検証した猫の死の概念
猫も含めた他の動物が、死という概念を理解しているかどうかはまだ明らかになっていませんが、2016年に発表された研究論文によれば、犬や猫はそれが同種か異種かに関わらず、同居していた他の動物が亡くなった後、明らかにいつもとは違う行動の変化があったということです。
同居動物が亡くなると、以前より飼い主の側に寄り添うことが多くなったり、鳴く頻度が増える、亡くなった動物のお気に入りの場所を探すようなしぐさを見せる等の行動が見られるそうです。これらは猫や犬が自分の周囲の環境が激変していることで、ストレス反応を見せていると考えることができますが、それが特定の存在が失われた悲しみ、つまり死の概念として捉えられているかどうかはまだはっきりとはしていません。
ただ、人間のいうような悲しみと同じ概念とは言い切れないものの、猫や犬も仲良しの動物の死に、なんらかのストレスを感じていることは間違いないようです。
まとめ
いかがでしたか?猫に人間のいうような複雑な死の概念があるかどうかはまだはっきりとはしていませんが、本能的に感じるストレスと悲しみは切っても切れない関係にあるので必ずしもないとは言い切れないでしょう。
人間は死を悲しみという難しい言葉で表現しますが、それは言葉の使い方の問題だけで、猫の感じる本能的なストレスも同じように、死を悼んでいると言えるものなのかもしれません。