【獣医師監修】シャルトリューの平均寿命は何年?長生きのコツや注意したい病気を解説

【獣医師監修】シャルトリューの平均寿命は何年?長生きのコツや注意したい病気を解説

シャルトリューの寿命は、ほかの猫種と比べて長いのでしょうか。国内外の資料をもとに平均寿命の目安や猫種ごとの違いを解説します。さらに、人間年齢への換算表や注意したい病気、健康で長生きしてもらうための食事・運動・健康管理のポイントも紹介します。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

シャルトリューの平均寿命は何年?

白背景に全身がうつるシャルトリュー

シャルトリューの平均寿命は12〜15年程度です。

これはイギリスの猫種登録団体GCCF(※)が示している寿命の目安です。実際に亡くなった猫の年齢を集計した統計的な平均値ではないため、個体によって寿命には差があります。

一方、国際猫協会TICA(※)では、シャルトリューの寿命を8〜13歳、それ以上生きる場合もあるとしています。団体によって数値が異なりますが、いずれも調査対象や算出方法が明示された平均寿命の統計ではありません。

国内では、アニコム損保の「家庭どうぶつ白書2025」(※)で猫全体の平均寿命が14.5歳と報告されています。ただし、シャルトリュー単独の平均寿命は掲載されていません。

シャルトリューは筋肉質でがっしりした体格を持つ猫種ですが、体の大きさだけで寿命が決まるわけではありません。遺伝的な健康状態や生活環境、食事、日々の健康管理などによって、実際の寿命は変わってきます。

(※参考: GCCF「Chartreux」)

(※参考: TICA「Chartreux」)

(※参考: アニコム損保「家庭どうぶつ白書2025」)

シャルトリューはほかの猫より寿命が長い?

窓の外をながめるシャルトリュー

シャルトリューがほかの猫種より長生きするかどうかは、明確には判断できません。

国内ではシャルトリュー単独の平均寿命を示す十分な統計データがなく、ほかの猫種と同じ条件で比較することが難しいためです。

アニコム損保の「家庭どうぶつ白書2025」(※)によると、2023年度の猫全体の平均寿命は14.5歳でした。この数値は、保険契約データをもとに各年齢の死亡率を算出し、生命表から求めたものです。

以下では、シャルトリューと過去の交配や品種成立の経緯で関連がある猫種を中心に、外見上の特徴が似ている猫種も含めて比較しています。シャルトリューの数値はGCCF(※)が示す寿命の目安を使用し、ほかの猫種は国内の統計データを使用しています。

猫種 寿命の目安 補足 出典元
シャルトリュー 12〜15年程度 - GCCF
猫全体 14.5歳 保険契約データから算出した平均値 アニコム損保
ブリティッシュ・ショートヘアー 14.2歳 過去にシャルトリューとの交配が行われた猫種 アニコム損保
ロシアンブルー 14.4歳 同じ青灰色の被毛を持ち、外見が比較される猫種 アニコム損保
エキゾチック・ショートヘアー 13.5歳 シャルトリューとの交配歴があるペルシャに由来する猫種 アニコム損保
ペルシャ 13.3歳 過去にシャルトリューの繁殖計画で交配に用いられた猫種 アニコム損保

シャルトリューの数値は海外の猫種団体が示す寿命の範囲であり、ほかの猫種は国内の保険契約データから算出された平均寿命です。

調査地域や算出条件が異なるため、数値だけで寿命の長短を順位付けすることはできません。シャルトリューが特別に長寿、あるいは短命な猫種であると断定する根拠はなく、個体ごとの健康状態や飼育環境も重要になります。

(※参考: アニコム損保「家庭どうぶつ白書2025」)

(※参考: GCCF「Chartreux」)

シャルトリューの年齢を人間に換算すると何歳?

砂時計とカレンダー

シャルトリューの年齢を人間に換算すると、5歳で約36歳、10歳で約56歳、15歳で約76歳に相当します。

猫は生後2年間で急速に成長し、1歳で人間の約15歳、2歳で約24歳に相当すると考えられています。その後は、猫の1年を人間の約4年として換算する方法が一般的です。

以下の表は、一般的な猫の年齢換算方法を用いたものです。シャルトリュー独自の換算方法ではなく、実際の老化の進み方には個体差があります。

シャルトリューの年齢 人間に換算した年齢
1歳 約15歳
2歳 約24歳
5歳 約36歳
7歳 約44歳
10歳 約56歳
12歳 約64歳
15歳 約76歳
20歳 約96歳

シャルトリューの寿命の目安とされる12〜15年は、人間の年齢に換算すると約64〜76歳に相当します。ただし、これは一般的な年齢換算に当てはめた数値であり、実際の平均死亡年齢を示すものではありません。

猫は一般的に10歳を超えるとシニア期に入り、加齢に伴って筋肉量や活動量、内臓の機能などに変化が現れやすくなります。

シャルトリューも年齢を重ねるにつれて、食事量や運動習慣を見直すことが大切です。年齢だけで健康状態を判断せず、体重や食欲、日常の行動の変化にも注意しましょう。

シャルトリューの寿命に関わる病気

聴診器やハート

シャルトリューは比較的健康的な猫種とされていますが、特定の病気や健康上の問題がまったくないわけではありません。

イギリスの猫種登録団体GCCFの繁殖指針では、シャルトリューで報告されたことのある遺伝性疾患や健康上の問題が紹介されています。

ただし、これらの病気がシャルトリューで特に多く発症するとは限りません。発症例が確認されていても、猫種全体での発症頻度や遺伝との関係が十分に解明されていないものもあります。

ここでは、寿命や健康寿命に影響する可能性があり、シャルトリューとの関連が確認されている病気を紹介します。

膝蓋骨脱臼(パテラ)

膝蓋骨脱臼は、後ろ足の膝にある膝蓋骨(膝のお皿)が正常な位置から外れる病気です。シャルトリューでは、一部の血統で遺伝的な問題として報告されていました。

現在は繁殖時の選別によって発生が減少したとされていますが、完全になくなったわけではありません。

主な症状は、後ろ足を浮かせて歩く、足を引きずる、ジャンプを嫌がるなどです。軽度の場合は目立った症状が現れないこともあります。

直接寿命を縮める病気とは限りませんが、重症化すると痛みや歩行障害によって運動量が減り、健康寿命に影響する可能性があります。

普段の歩き方やジャンプの様子を観察し、異常があれば動物病院で膝の状態を確認してもらいましょう。

肥大型心筋症(HCM)

肥大型心筋症は、心臓の筋肉が厚くなることで、心臓が正常に血液を送り出しにくくなる病気です。シャルトリューでも発症例が確認されていますが、猫種特有の遺伝性疾患であるかどうかは明らかになっていません。

初期には目立った症状がないことも多く、進行すると呼吸が速くなる、元気がなくなる、食欲が低下するといった変化が現れる場合があります。

重症化すると心不全や血栓塞栓症を引き起こし、命に関わることもあります。

早期発見には、定期的な診察で心音を確認してもらうことが重要です。必要に応じて、心臓の形や動きを調べる心臓超音波検査を受けることもあります。

多発性嚢胞腎(PKD)

多発性嚢胞腎は、腎臓の内部に嚢胞と呼ばれる液体の入った袋が多数形成され、腎機能が徐々に低下する遺伝性疾患です。

シャルトリューでは非常にまれとされていますが、実際の発症例が報告されており、原因となるPKD1遺伝子の変異も確認されています。

主な症状は、水を飲む量や尿量の増加、食欲不振、体重減少、嘔吐などです。進行すると慢性腎臓病につながり、寿命に影響する可能性があります。

早期発見には、血液検査や尿検査に加え、腎臓の状態を確認する超音波検査などが役立ちます。また、原因となる遺伝子の変異については遺伝子検査で調べることも可能です。

遺伝性疾患のため、日常の食事や生活環境だけで発症を防げるものではありません。

歯周病

歯肉炎は、歯ぐきに炎症が起こる病気です。歯肉炎は歯周病の初期段階で、進行すると歯を支える組織が破壊される歯周炎につながることがあります。

シャルトリューでは、一部の個体で若い頃から歯肉炎などの炎症が起こる傾向が報告されており、家族性の問題が関わる可能性も指摘されています。

主な症状は、口臭、歯ぐきの赤みや出血、食べにくそうにする様子、よだれなどです。進行すると口の痛みによって食事量が減り、体重の低下につながることもあります。

通常、直接寿命を縮める病気ではありませんが、慢性的な痛みや食欲不振は健康寿命に影響する可能性があります。

日常的な口腔ケアに加え、定期的に歯や歯ぐきの状態を確認してもらうことが大切です。

シャルトリューに長生きしてもらうためのポイント

座って眠るシャルトリュー

シャルトリューに健康で長生きしてもらうためには、体格や活動量に合った生活環境を整え、日々の健康状態を把握することが重要です。

シャルトリューは筋肉質でがっしりとした体格を持ちますが、成猫になると活動量が落ち着き、体重が増えやすくなる場合があります。

また、膝蓋骨脱臼などの健康上の問題が報告されているため、体重管理だけでなく、足腰への負担を減らす環境づくりも大切です。

特別な方法で寿命を延ばそうとするのではなく、日々の食事や運動、生活環境、健康診断を通じて健康状態を維持することを意識しましょう。

食事と体重を管理する

シャルトリューは筋肉質で骨格がしっかりした猫種ですが、体格が大きいことと肥満であることは異なります。健康を維持するためには、適正体重を保つことが重要です。

食事は年齢に合った総合栄養食を基本とし、体重や活動量に応じて適切な量を与えましょう。成猫になって運動量が減った場合は、食事量の見直しが必要になることもあります。

肥満度の確認には、肋骨の触れやすさや腰のくびれなどから体型を評価するBCS(ボディコンディションスコア)が役立ちます。厚い被毛によって体型がわかりにくいこともあるため、見た目だけでなく実際に体に触れて確認しましょう。

シニア期には肥満だけでなく、筋肉量の減少や体重の低下にも注意が必要です。定期的に体重を測定し、急な増減が見られた場合は動物病院に相談しましょう。

適度な運動を取り入れる

シャルトリューは落ち着いた性格の傾向がありますが、遊びや探索を楽しむ猫種でもあります。健康を維持するためには、室内でも適度に体を動かせる環境を整えることが大切です。

猫じゃらしなどのおもちゃを使い、追いかける、飛びつく、捕まえるといった動作を取り入れましょう。短時間の遊びを1日に複数回設けると、無理なく運動する機会を増やせます。

また、キャットタワーや段差を使った上下運動も、筋力の維持に役立ちます。ただし、シャルトリューでは膝蓋骨脱臼が報告されているため、足腰に問題がある場合は高い場所からのジャンプを控えるなどの配慮が必要です。

シニア期には活動量や関節の状態に合わせ、低い段差や床の上で遊べるおもちゃを活用しましょう。

安全でストレスの少ない環境を整える

シャルトリューが安心して暮らせるように、室内の安全性と快適さを整えることも重要です。

完全室内飼育を基本とすることで、交通事故や屋外での感染症、ほかの動物との争いなどの危険を減らせます。また、窓やベランダからの転落、ひもや小物の誤飲にも注意しましょう。

室内には、安心して休める場所や隠れられるスペースを用意することが大切です。シャルトリューは落ち着いた環境を好む傾向があるため、大きな音や急な生活環境の変化にも配慮しましょう。

また、体格がしっかりしているため、キャットタワーや家具は安定性の高いものを選ぶと安心です。滑りやすい床にはマットを敷くなど、足腰への負担を減らす工夫も役立ちます。

シニア期には段差を減らし、寝床やトイレへ無理なく移動できる環境に整えましょう。

定期的に健康診断を受ける

シャルトリューに長生きしてもらうためには、病気の早期発見を意識した健康管理が重要です。

猫は体調の悪化を行動に表しにくいことがあり、元気そうに見えても病気が進行している場合があります。健康な成猫でも年に1回程度の健康診断を受け、体重や口腔内、心臓、腎臓などの状態を確認してもらいましょう。

10歳を超えるシニア期には、半年に1回程度の健康診断が推奨されています。年齢や健康状態に応じて、血液検査や尿検査などを組み合わせることもあります。

また、シャルトリューでは膝蓋骨脱臼や肥大型心筋症、多発性嚢胞腎などの発症例が報告されています。これらの病気についても、必要に応じて獣医師に検査の適否を相談しましょう。

普段から食欲、飲水量、排泄、体重、歩き方などを観察し、変化があった場合は早めに受診することが大切です。

被毛や皮膚の健康を保つ

シャルトリューは、短毛ながら密度が高く、厚みのある被毛を持つ猫種です。健康的な生活を維持するためには、被毛や皮膚の状態にも気を配りましょう。

定期的なコーミングによって抜け毛を取り除き、被毛のもつれや毛玉を防ぐことが大切です。特に換毛期には抜け毛が増えるため、普段よりもこまめなケアが必要になることがあります。

また、毛づくろいによって飲み込んだ毛が胃の中にたまることもあるため、抜け毛を減らすことは毛玉への対策にもつながります。

被毛の手入れをするときは、皮膚の赤みやしこり、脱毛などがないかも確認しましょう。

シニア期になると、関節の痛みや体の柔軟性の低下によって、自分で十分に毛づくろいできなくなる場合があります。猫の負担にならない範囲で、飼い主が手入れを手伝うことも大切です。

まとめ

ぐでっとするシャルトリュー

シャルトリューの寿命は12〜15年程度が目安とされています。ただし、これは海外の猫種団体が示している数値であり、国内の死亡統計から算出された平均寿命ではありません。

猫全体やほかの猫種との寿命の違いについては、同じ条件で比較できる十分なデータがないため、明確に判断することはできません。

健康面では、膝蓋骨脱臼や肥大型心筋症、多発性嚢胞腎、歯肉炎などに注意が必要です。ただし、いずれもシャルトリューで高頻度に発症するとは限りません。

健康で長生きしてもらうためには、適切な食事と体重管理、年齢に合った運動、安全でストレスの少ない生活環境を整えることが大切です。

また、定期的な健康診断を受け、食欲や体重、歩き方などの変化を見逃さないようにしましょう。シャルトリューの体格や健康上の特徴を理解し、個体ごとの状態に合わせたケアを続けることが重要です。