【獣医師監修】トンキニーズの平均寿命は何年?寿命の目安や病気、長生きのコツ

【獣医師監修】トンキニーズの平均寿命は何年?寿命の目安や病気、長生きのコツ

トンキニーズの平均寿命は13〜15年程度が目安です。国内外の寿命データをもとに猫全体やほかの猫種との違い、人間年齢への換算を解説。糖尿病やアミロイドーシスなど注意したい病気、食事・体重管理や健康診断など長生きしてもらうためのポイントも紹介します。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

トンキニーズの平均寿命は何年?

カメラ目線で座っているトンキニーズ

トンキニーズの平均寿命は、13〜15年程度をひとつの目安にするとよいでしょう。

英国の猫種登録団体GCCFでは、平均寿命を15年としており、19〜20歳まで生きる個体も珍しくないと説明しています。(※)

一方、英国の獣医療記録を用いた2024年の研究では、死亡したトンキニーズ35頭の死亡年齢中央値は13.08歳でした。(※)中央値とは、対象を年齢順に並べたとき中央に位置する値で、平均寿命とは算出方法が異なります。

また、米国に本部がある世界最大級の猫の血統登録機関であるTICAでは、寿命の目安を12〜16歳以上としています。(※)

日本の「家庭どうぶつ白書2025」ではトンキニーズの契約頭数は掲載されていますが、猫種別平均寿命の集計対象は契約頭数上位20品種であり、トンキニーズ独自の平均寿命は示されていません。(※)

そのため、国内のトンキニーズにおける確立した平均寿命が13〜15歳と判明しているわけではありません。海外の団体情報や実測データを合わせて考えると、おおむね10代前半から半ばを中心に長く生きる可能性がある猫種と捉えるのが適切です。

(※参考: GCCF「Tonkinese」)

(※参考: Scientific Reports「Premature mortality analysis of 52,000 deceased cats and dogs exposes socioeconomic disparities」)

(※参考: The International Cat Association「Tonkinese」)

(※参考: アニコム損害保険「家庭どうぶつ白書2025」)

トンキニーズはほかの猫より寿命が長い?

並んで前を見つめる2匹のトンキニーズ

トンキニーズは、海外団体が示す寿命の目安を見る限り、ほかの猫と比べても比較的長く一緒に暮らすことが期待できる猫種といえます。

GCCFではトンキニーズの寿命を15年以上とし、血統的に近いシャムは10〜15年、バーミーズは10〜17年、体型や特徴が近いオリエンタルは12〜15年としています。(※)

また、TICAではトンキニーズの寿命を12〜16歳以上としています。(※)一方、国内のアニコム「家庭どうぶつ白書2025」では、2023年度の猫全体の平均寿命は14.5歳でした。(※)

猫種 平均寿命 補足 出典元
トンキニーズ 15年以上/12〜16歳以上 海外団体が示す寿命の目安 GCCF/TICA
猫全体 14.5歳 2023年度の平均寿命 アニコム「家庭どうぶつ白書2025」
シャム 10〜15年 トンキニーズと血統的に近い猫種 GCCF
バーミーズ 10〜17年 トンキニーズと血統的に近い猫種 GCCF
オリエンタル 12〜15年 中型で短毛の近縁なタイプ GCCF

こうして数値だけを見ると、トンキニーズの寿命の目安は猫全体の平均寿命と同程度か、それを上回る範囲まで含まれています。

ただし、GCCFやTICAの数値は猫種ごとの寿命の目安であり、アニコムの14.5歳は保険契約データから生命表を用いて算出した平均寿命です。算出条件が異なるため、トンキニーズがほかの猫より必ず長生きすると単純に結論づけることはできません。

(※参考: GCCF「Cat Breeds」)

(※参考: The International Cat Association「Tonkinese」)

(※参考: アニコム損害保険「家庭どうぶつ白書2025」)

トンキニーズの年齢を人間に換算すると何歳?

飼い主を見上げるトンキニーズの子猫

猫の年齢を人間に換算する場合、一般的には猫の1歳を人間の約15歳、2歳を約24歳と考え、それ以降は1年につき人間の約4歳分ずつ年齢を重ねる方法がよく使われます。

これはトンキニーズ独自の換算方法ではなく、猫全般の成長や加齢を人間の年齢に置き換えてイメージするための目安です。

トンキニーズの年齢 人間に換算した年齢
1歳 約15歳
2歳 約24歳
5歳 約36歳
7歳 約44歳
10歳 約56歳
12歳 約64歳
15歳 約76歳
20歳 約96歳

トンキニーズの平均寿命を13〜15歳程度と考えた場合、人間の年齢ではおおむね68〜76歳前後に相当します。

ただし、人間と猫では成長や老化の進み方が異なるため、換算年齢はあくまで目安です。同じ年齢でも健康状態や活動量には個体差があるため、年齢だけでなく食欲や体重、動き方など日々の変化も確認しましょう。

トンキニーズの寿命に関わる病気

ソファの上で横になって眠るトンキニーズ

トンキニーズは全体として健康的に暮らせることが多い猫種ですが、猫種との関連が報告されている病気もあります。

しかし、病気があるから必ず短命になるわけではなく、発症の有無や重症度には大きな個体差があります。

日頃から食欲、体重、飲水量、排尿、動き方などを確認し、普段と違う変化が続く場合は早めに動物病院で相談することが、健康寿命を守るうえで重要です。

糖尿病

糖尿病は、血糖値を調整するインスリンが十分に働かなくなり、高血糖が続く病気です。トンキニーズでは、海外の大規模な診療データで、雑種猫と比べて糖尿病と診断される可能性が高い傾向が確認されています。

水を飲む量や尿量が増える、よく食べているのに体重が減る、元気がなくなるといった変化がみられることがあります。ただし、同様の症状はほかの病気でも起こります。

糖尿病は長期間コントロールできないと全身状態の悪化につながるため、体重管理と定期的な健康診断を続け、飲水量や体重の変化を早めに捉えることが大切です。

低カリウム血症性多発筋症

低カリウム血症性多発筋症は、血液中のカリウムが低下して筋力が弱くなる遺伝性疾患です。トンキニーズでは、腎臓でのカリウム調節に関係するWNK4遺伝子の変異による発症が確認されています。

首の筋肉が弱くなって頭を持ち上げにくくなる、歩き方がおかしい、運動を嫌がる、全身に力が入りにくいといった症状がみられることがあります。ただし、筋力低下だけでこの病気とは判断できません。

遺伝性のため、生活管理だけで発症を完全に防げるとは限りません。明らかな筋力低下や姿勢の異常がみられた場合は、早めに受診して原因を確認することが重要です。

アミロイドーシス

アミロイドーシスは、アミロイドと呼ばれる異常なたんぱく質が臓器や組織へ沈着し、正常な働きを妨げる病気です。トンキニーズにとって、注意したい病気のひとつとされています。

影響を受ける臓器によって症状は異なりますが、食欲低下、体重減少、元気の低下、嘔吐、飲水量や尿量の変化などがみられる場合があります。初期には変化が目立たないこともあります。

腎臓や肝臓など重要な臓器の機能が低下すると、生活の質や健康寿命に影響する可能性があります。食欲や体重などの日常的な変化を記録し、健康診断で異常の早期発見につなげることが大切です。

猫下部尿路疾患

猫下部尿路疾患は、膀胱や尿道に起こる複数の病気をまとめた呼び方です。トンキニーズでは注意したい健康問題のひとつとされており、排尿時の痛みや頻繁な排尿、血尿などがみられる場合があります。

トイレに何度も入るのにほとんど尿が出ない、排尿時に鳴く、トイレ以外で排尿するといった変化も見逃さないようにしましょう。特に尿道が完全に詰まる尿道閉塞は緊急性があります。

尿が出ない状態を放置すると、短時間で全身状態が悪化することがあります。排尿姿勢を繰り返しているのに尿が確認できない場合は、様子を見続けず速やかに動物病院へ相談してください。

トンキニーズに長生きしてもらうためのポイント

カメラ目線で伏せているトンキニーズ

トンキニーズの寿命を特定の飼育方法だけで延ばせるとは限りませんが、健康状態を保ち、異変を早く見つけるためにできることはあります。

特に体重や食事の管理、運動・生活環境などの見直し、定期的な健康確認を継続することが基本です。

食事と体重を管理する

毎日の食事は、年齢や体格、活動量に合った総合栄養食を基本とし、適量を与えることが大切です。トンキニーズは活動的な猫ですが、運動量より摂取エネルギーが多ければ体脂肪は増えていきます。

肥満は糖尿病をはじめとする健康問題と関連するため、体重だけでなく体形も定期的に確認しましょう。肋骨に軽く触れられるか、上から見たときに腰のくびれがあるかなどを観察すると、変化に気づきやすくなります。

一方、シニア期の体重減少も見逃せません。食事量を変えていないのに体重が減る、食欲が落ちるといった変化は病気のサインとなることがあります。定期的に同じ条件で体重を測り、推移を記録しておくと役立ちます。

適度な運動を取り入れる

トンキニーズは遊びや高い場所への移動を好む傾向があるため、室内でも体を動かせる環境を整えましょう。上下運動のできるキャットタワーや、追いかける遊びなどを組み合わせると、運動不足を防ぎやすくなります。

長時間まとめて遊ばせる必要はなく、猫が興味を示す範囲で短い遊びを複数回取り入れる方法も効果的です。運動は体重管理だけでなく、刺激不足を防ぎ、筋力を維持することにもつながります。

年齢を重ねて動きがゆっくりになったら、若い頃と同じ運動量を求めないことも大切です。低い位置に足場を増やすなど、シニア期には安全に動ける環境へ調整しましょう。

安全でストレスの少ない環境を整える

健康に長く暮らしてもらうには、病気だけでなく事故や慢性的なストレスを避けることも重要です。室内では脱走や転落、誤食の危険がないかを定期的に確認し、安心して休める場所を複数用意しましょう。

トイレ、水、食事場所、爪とぎ、休息場所などを猫が利用しやすい位置に配置することも大切です。多頭飼育では、ほかの猫と取り合いにならないよう、それぞれが利用できる資源を確保します。

シニア期には高い場所へ飛び乗りにくくなったり、トイレの縁をまたぐ動作が負担になったりすることがあります。年齢や動き方に合わせて段差を減らし、生活しやすい環境へ少しずつ変えていきましょう。

定期的に健康診断を受ける

猫は体調不良を外見から判断しにくく、飼い主が気づく頃には病気が進んでいることもあります。元気に見える時期から定期的に診察を受け、体重や口腔内、心臓、腹部などの状態を継続して確認することが大切です。

特に10歳を超えるシニア期では、腎臓病や糖尿病など加齢とともに注意したい病気が増えてきます。必要な検査内容や受診間隔は、年齢だけで一律に決めるのではなく、その猫の健康状態や過去の検査結果に応じて獣医師と相談しましょう。

食欲、体重、飲水量、尿や便、活動量などを普段から記録しておくと、小さな変化を伝えやすくなります。「いつもと違う状態」が続いたときは、次回の健診まで待たず早めに相談することが重要です。

まとめ

上を見上げるトンキニーズのアップ

トンキニーズの平均寿命は、13〜15年程度をひとつの目安にするとよいでしょう。海外の猫種団体では、GCCFが15年以上、TICAが12〜16歳以上という寿命の目安を示しています。

猫全体の平均寿命は国内データで14.5歳ですが、猫種団体が示す寿命の目安とは算出方法や対象が異なります。そのため、トンキニーズがほかの猫より必ず長生きするとは断定できませんが、10代半ばまで暮らすことが期待できる猫種と考えられます。

健康面では、糖尿病、低カリウム血症性多発筋症、アミロイドーシス、猫下部尿路疾患などに注意が必要です。食事と体重を適切に管理し、無理のない運動を取り入れ、安全でストレスの少ない環境を整えましょう。

さらに、日頃から食欲や体重、飲水量、排尿、活動量などの変化を確認し、定期的に健康診断を受けることも大切です。年齢や体調に合わせて生活環境やケアを調整し、小さな異変を早く見つけることが、長く健やかに暮らしてもらうためのポイントです。