【獣医師監修】アメリカンカールの平均寿命は何年?長生きのポイントや病気を解説

【獣医師監修】アメリカンカールの平均寿命は何年?長生きのポイントや病気を解説

アメリカンカールの平均寿命は何年?人間換算年齢の早見表をはじめ、注意したい病気や健康寿命を延ばすための食事・体重管理、住環境づくりのポイントをわかりやすく解説します。

SupervisorImage

記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

アメリカンカールの平均寿命は何年?

寝そべるアメリカンカール

アメリカンカールの平均寿命は、国内データを基準にすると14〜15年程度です。

アニコム損害保険の「家庭どうぶつ白書2025(※)」では、2023年度のアメリカンカールの平均寿命は14.6歳でした。

この数値は、2008年4月1日〜2024年3月31日に同社のペット保険を契約した猫について、各年齢の契約頭数と死亡解約の届け出をもとに生命表を作成し、0歳時点の平均余命として算出されたものです。

一方、海外の猫種団体TICA(※)では、アメリカンカールの寿命の目安を10〜20年としています。こちらは幅のある目安であり、国内の実測データである14.6歳とは性質が異なります。

そのため、日本で暮らすアメリカンカールの寿命を考える際は、国内統計の14.6歳を中心に捉え、10〜20年という海外情報は個体差を含む参考値として見るのがよいでしょう。

(※参考:アニコム損害保険「家庭どうぶつ白書2025」)

(※参考:TICA「American Curl」)

アメリカンカールはほかの猫より寿命が長い?

アニコム損害保険の「家庭どうぶつ白書2025(※)」によると、2023年度のアメリカンカールの平均寿命は14.6歳、猫全体では14.5歳でした。

比較対象には、アメリカンカールと成立背景や身体的特徴に共通点がある猫種のうち、同じ資料・同じ年度・同じ算出方法で平均寿命を確認できる3猫種を選びました。

猫種 平均寿命 補足
アメリカンカール 14.6歳 -
猫全体 14.5歳 猫種全体の平均寿命
アメリカン・ショートヘア 13.9歳 家庭猫を背景に持つ米国原産種
スコティッシュ・フォールド 13.7歳 耳の変異が特徴の猫種
マンチカン 14.4歳 自然発生の変異が特徴の猫種

同じ2023年度のデータでは、アメリカンカールは猫全体を0.1歳上回り、今回比較した3猫種よりも平均寿命がやや長い結果でした。

ただし、この差だけでアメリカンカールを「長寿な猫種」と順位付けすることはできません。平均寿命には飼育環境や健康状態なども関係するうえ、この統計はアニコム損保の契約猫を対象としています。

そのため、「猫全体とほぼ同程度で、今回同じ条件で比較した3猫種よりやや長い」という捉え方が適切です。

(※参考:アニコム損害保険「家庭どうぶつ白書2025」)

アメリカンカールの年齢を人間に換算すると何歳?

時計とカレンダー

アメリカンカールの年齢を人間に換算すると、1歳で約15歳、2歳で約24歳が目安です。その後は猫が1歳年を重ねるごとに、人間ではおよそ4歳ずつ加齢すると考えます。

アメリカンカールの年齢 人間に換算した年齢
1歳 約15歳
2歳 約24歳
5歳 約36歳
7歳 約44歳
10歳 約56歳
12歳 約64歳
15歳 約76歳
20歳 約96歳

この換算方法はアメリカンカール独自のものではなく、猫全般に用いられる目安です。成長や老化の速度を人間の年齢に置き換えてイメージしやすくしたもので、健康状態まで表すものではありません。

国内統計で示された平均寿命14.6歳は、この換算方法では人間の約74歳前後に相当します。ただし、換算方法によって数値には多少の違いがあるため、あくまで目安として考えましょう。

アメリカンカールの寿命に関わる病気

聴診器や薬など

外耳炎および耳道トラブル

外耳道(耳の穴から鼓膜までの通り道)に炎症が起きる病気です。

主な症状には耳をしきりに掻く、頭を振る、特有のにおいや黒・茶色の耳垢が増えるといった点が挙げられます。

日頃の耳チェックで分泌物や赤みを確認することが早期発見の鍵となります。

耳のトラブル自体が直接命を奪うわけではありませんが、慢性化して中耳炎や内耳炎へと進行すると強い疼痛や神経症状を引き起こし、著しい体力低下や衰弱を招いて健康寿命を損なう要因となります。

肥大型心筋症

心臓の主に左心室の心筋が厚くなり、心臓が拡張して血液を受け入れにくくなる病気です。

初期はほとんど無症状ですが、進行すると呼吸が荒くなる、口を開けて呼吸する、後ろ足の麻痺などが現れます。

聴診での心雑音の確認や定期的な超音波検査、診察所見やリスクに応じた心エコー検査などが早期発見の要となります。

重症化すると心不全や動脈血栓塞栓症を併発し、突然死を招く危険性が非常に高く、生命維持に直接直結する重篤な疾患です。

慢性腎臓病

老齢期にかけて腎臓の機能が徐々に低下、体内の老廃物を尿として排出できなくなる進行性の機能不全です。

水を飲む量が増える、薄い尿を大量にする、食欲低下や体重減少が主な症状です。

定期的な血液検査や尿検査で腎機能の数値を追跡することが早期発見のポイントとなります。

失われた腎機能は元に戻らないため、進行とともに尿毒症を引き起こして生命を脅かす、シニア期の主要な死因の一つです。

アメリカンカールに長生きしてもらうためのポイント

ごはんと聴診器とハート

食事と体重を管理する

年齢やライフステージに合わせた総合栄養食を選択し、適切な給餌量を厳密に管理することが重要です。

肥満は関節への過度な負担や糖尿病、心血管系への負担を増大させ、寿命を縮める大きな危険因子となります。

定期的に体重を測定し、肋骨に触れて肉付きを確かめる体型評価(BCS)を取り入れて適切な体格を維持します。

シニア期に差し掛かった段階では、腎臓や心臓への負担を軽減するためにリンやナトリウムの含有量に配慮された高齢期向けフードへと段階的に移行します。

適度な運動を取り入れる

筋肉量の維持とストレス発散のため、高低差を利用した上下運動ができる住環境を整えることが効果的です。

キャットタワーや安全なステップを設置し、自発的な昇降運動を促します。

1日数回、飼い主がおもちゃを用いて能動的な遊びを促すことも運動不足の解消に役立ちます。

高齢期に入った際は、筋力や視力の低下に合わせて段差の幅を小さく調整し、落下事故を防ぐためのスロープ導入など無理のない環境作りへシフトしていきます。

安全でストレスの少ない環境を整える

室温や湿度を年間を通じて一定に保ち、急激な温度変化による体調不良を防ぐことが基本となります。

誤飲の恐れがある小物や有害植物は飼育スペースから徹底的に排除します。

加えて、反り返った耳の軟骨は外的な衝撃に弱いため、無理に曲げたり強く引っ張ったりしない丁寧な扱いを日常から意識します。

通気性を保つための定期的な耳のチェックを穏やかなスキンシップの中で行い、清潔かつ静穏な休息スペースを確保します。

定期的に健康診断を受ける

若齢期から成猫期にかけては年1回、10歳以降のシニア期に入ったあとは半年に1回を目安に総合的な健康診断を受診します。

身体検査に加え、血液検査、尿検査、レントゲンや超音波検査を定期的に組み合わせることで、目立った症状が現れにくい病気を速やかに察知できます。

早期発見・早期対策のサイクルを確立することが重症化を防ぎ、結果として健康寿命を大きく延ばすための最大の基盤となります。

まとめ

全身のアメリカンカール

アメリカンカールの平均寿命は、国内データを基準にすると14〜15年程度です。「家庭どうぶつ白書2025」では2023年度の平均寿命が14.6歳で、猫全体の14.5歳とほぼ同程度でした。

同じ条件で比較すると、アメリカン・ショートヘア、スコティッシュ・フォールド、マンチカンより数値はやや長いものの、この差だけで長寿な猫種と順位付けすることはできません。

人間に換算すると平均寿命期は概ね64歳から76歳前後のシニア期に該当し、発育速度や加齢の進行には個体差が存在します。

健康寿命を損なう要因として、外耳の慢性炎症や肥大型心筋症、高齢期に多発する慢性腎臓病が挙げられます。

愛猫に長く健やかに過ごしてもらうためには、厳格な食事と体重の管理、無理のない上下運動、軟骨や耳への配慮を含めた安全な室内環境の構築、そして定期的な健康診断の受診が何より欠かせません。