【獣医師監修】ラガマフィンの平均寿命は何年?長生きのポイントや病気を解説

【獣医師監修】ラガマフィンの平均寿命は何年?長生きのポイントや病気を解説

ラガマフィンの平均寿命は12〜15年が目安です。猫全体の寿命との比較や人間に換算した年齢表、注意すべき肥大型心筋症や多発性嚢胞腎などの病気を解説。大型猫特有の食事・体重管理やシニア期のケアなど、長生きしてもらうためのポイントをまとめました。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

ラガマフィンの平均寿命は何年?

正面を見つめて座るラガマフィン

ラガマフィンの平均寿命は12〜15年程度です。ただし、日本国内における猫種別の詳細な実測統計を確認すると、ラガマフィン単独での信頼できる平均寿命データは十分に公表されていないのが実情です。

一般社団法人ペットフード協会が公表した「令和7年(2025年)全国犬猫飼育実態調査(※)」では、猫全体の平均寿命が16.0歳と報告されていますが、品種ごとの個別数値までは集計されていません。

飼育書やWebサイトなどで紹介されている「12〜15年」という年数は、作出過程で深く関わった親猫種であるラグドールなどの推定値や海外データを流用したものが多く見られます。そのため、一般的な紹介値と実測値には乖離が生じる可能性があります。

親猫種の寿命をそのまま確定的な情報として扱うことは避け、公的な猫種別データが不足している現状を理解したうえで健康管理を行う必要があります。

(※参考元:令和7年(2025年)全国犬猫飼育実態調査

ラガマフィンはほかの猫より寿命が長い?

横になってどこかを見つめるラガマフィン

ラガマフィンの平均寿命は、猫全体と比べて大きな差があるわけではありません。

アニコム損害保険株式会社の契約データをもとにした「家庭どうぶつ白書2025」(※)では、ラガマフィンの平均寿命は14.2歳、猫全体では14.5歳と報告されています。ラガマフィンと血統や体格、長毛といった特徴が比較的近い猫種とあわせて比較すると、以下のようになります。

猫種 平均寿命 補足
猫全体 14.5歳 比較の基準
ラガマフィン 14.2歳 大型で長毛の猫種
ラグドール 15.1歳 ラガマフィンと血統的に近い猫種
ノルウェージャン・フォレスト・キャット 13.9歳 大型で長毛の猫種
メイン・クーン 13.0歳 大型で長毛の猫種
サイベリアン 12.1歳 大型で長毛の猫種

同じ調査条件で比較すると、ラガマフィンは猫全体より0.3歳短いものの、比較した猫種の中では中間程度に位置しています。ただし、猫種ごとの平均寿命には飼育環境や健康状態なども影響するため、この数値だけで長寿・短命と断定することはできません。

ラガマフィンは、ほかの大型・長毛種と比べても極端に寿命が長い、あるいは短い猫種ではなく、おおむね平均的な範囲にあると考えられます。

(※参考: アニコム損害保険株式会社「家庭どうぶつ白書2025」

ラガマフィンの年齢を人間に換算すると何歳?

人に背中をなでられているラガマフィンのアップ

ラガマフィンの年齢を人間に換算する場合、一般的な猫に用いられる標準的な換算基準を適用します。

猫は生後1年で急速に成猫へと成長し、人間の15歳前後に相当する段階に達します。2歳で人間の約24歳となり、3歳以降は1年ごとに人間の約4歳分ずつ年齢を重ねる計算が一般的です。

換算式には複数の学説や基準が存在するため、以下の表はあくまで健康管理の目安として捉えてください。

ラガマフィンの年齢 人間に換算した年齢
1歳 15歳
2歳 24歳
5歳 36歳
7歳 44歳
10歳 56歳
12歳 64歳
15歳 76歳
20歳 96歳

この換算表に基づくと、ラガマフィンの平均寿命とされる12〜15歳は、人間でいう64歳から76歳前後のシニア期に相当します。

7歳を過ぎると人間の40代半ばに達し、内臓機能の低下など加齢に伴う変化が始まることがあります。外見の変化が緩やかであっても、年齢に応じた身体ケアへ移行させることが重要です。

ラガマフィンの寿命に関わる病気

悲しげな表情で伏せているラガマフィン

ラガマフィンが健やかに寿命を全うするためには、生命や健康寿命に直結しやすい疾患の傾向を把握し、早期発見に努めることが不可欠です。

肥大型心筋症

心臓の筋肉が内側に向けて肥厚し、心臓が十分に広がらなくなることで全身へ血液を送り出す機能が低下する疾患です。

主な症状として運動を嫌がる、呼吸が荒くなる、血栓による後ろ足の痛みや麻痺などが挙げられます。初期は無症状で経過するため、定期的な聴診や心臓超音波検査による早期発見が重要です。

心不全や血栓塞栓症による突然死のリスクを伴うため、適切な診断と経過観察を行わないと余命を著しく縮める要因となりえます。

多発性嚢胞腎(PKD)

腎臓に液体を溜めた嚢胞が複数生じ、加齢に伴い増大して正常な腎組織を圧迫する遺伝性疾患です。

嚢胞の増加により腎機能が奪われ、多飲多尿や食欲低下、体重減少といった腎不全症状を示します。

遺伝子検査や定期的な腹部超音波検査が早期発見の要となります。遺伝性のため根本的な予防はできず、発症後は進行を遅らせる対症療法が寿命を左右します。

毛球症

毛づくろいで飲み込んだ被毛が消化器官内で毛玉となり、胃や腸を通過できなくなる状態です。

食欲不振、吐き気、頻繁な嘔吐、便秘などの消化器症状が現れます。毎日のブラッシングケアに加え、排便頻度や嘔吐物の状態を観察することが早期発見につながります。

腸閉塞を引き起こした場合は内視鏡や開腹手術による摘出が必要となり、発見が遅れると命に関わる危険性があります。

ラガマフィンに長生きしてもらうためのポイント

頭上のおもちゃに手を伸ばそうとしているラガマフィン

ラガマフィンとの暮らしをより長く維持するためには、大型で豊かな被毛を持つ本種の特性に即した飼育環境と健康管理を徹底することが重要です。

食事と体重を管理する

ラガマフィンは成猫へと成熟するまでに3〜4年を要する大型の品種です。発育期には良質なタンパク質を必要としますが、成長が落ち着いた後は肥満にならないよう注意が必要です。

肥満は心臓や腎臓、関節に重大な負担をかけるため、月齢や体重に適したフードの量を毎日厳格に計量して与える姿勢が求められます。

代謝が低下する7歳以降のシニア期には、健康状態に応じて消化に優れ、腎臓や心臓に配慮されたシニア用フードへの切り替えを検討します。

体重の微細な変化は病気のサインとなるため、週に一度の体重測定を習慣化し、適正体型の維持に努めることが健康寿命の延伸につながります。

適度な運動を取り入れる

穏やかな気質を持つため、室内飼育では活動量が落ちて運動不足に陥りやすい傾向があります。

筋力の低下や肥満を予防するため、毎日の適度な遊びを取り入れて活動性を刺激することが大切です。頑丈で安定感のある大型猫用のキャットタワーを設置し、高低差を活かした自然な動線を確保しましょう。

ただし、重量のある体躯のため、高所からの飛び降りによる関節への衝撃には配慮が必要です。
着地点にクッションマットを敷くなどの工夫を取り入れます。

シニア期に入って運動機能の低下が見られる場合は高い段差を避け、床の上を転がす知育トイなどを活用して無理のない範囲で体を動かす時間を設けます。

安全でストレスの少ない環境を整える

厚いダブルコートに覆われているため、熱や湿気がこもりやすく暑さに弱い特性があります。夏場はエアコンを活用して適切な温度と湿度を維持し、熱中症や体調悪化を徹底して予防します。

また、飲み込んだ被毛による消化器トラブルを防ぐため、毎日のブラッシングを欠かさず行い抜け毛を除去します。

加齢に伴い関節炎や筋力低下が起こりやすくなるシニア期には、生活空間の不要な段差をなくし、滑りやすい床にはラグを敷くなどのバリアフリー対策を実施します。

出入りのしやすい浅型のトイレを用意するなど、日々の身体的負担を減らす配慮が長期的な生活の質の維持につながります。

定期的に健康診断を受ける

心臓疾患や腎臓疾患は初期の症状が乏しく、外見から異常を把握した段階では病状が進行しているケースが少なくありません。

病気の兆候を早期に捉えるため、定期的な動物病院での健康診断を定着させることが不可欠です。成猫期は年1回、シニア期とされる7歳以降は半年に1回の受診を目安とします。

問診や触診だけでなく、血液検査、尿検査、心臓や腹部の超音波検査を必要に応じて定期健診に組み込むことで、目に見えない異変を早期段階で捉えることができます。

早期発見によって進行抑制の治療を速やかに開始することが、結果として健康で長い寿命を支える基盤となります。

まとめ

横向きに座っているラガマフィン

ラガマフィンの平均寿命は12〜15年程度と推測されていますが、品種単独の確固たる実測統計は確認できません。

ただし、一般社団法人ペットフード協会の「令和7年(2025年)全国犬猫飼育実態調査」による猫全体の平均寿命16.0歳との極端な差を示す根拠はなく、体格や健康状態に応じた個別管理が大切です。

人間に換算すると、平均寿命期は60〜70代後半に該当します。寿命に影響を及ぼす病気として、肥大型心筋症や多発性嚢胞腎、毛球症などが存在し、早期発見が生存期間を大きく左右します。

長生きしてもらうためには、大型の体躯に配慮した厳格な食事と体重の管理、無理のない運動環境の整備、シニア期を見据えた安全な住環境づくり、そして定期的な健康診断の継続が重要な鍵となります。