バンビーノの基本情報
バンビーノは、アメリカ合衆国を原産国とする新しい猫種です。英語表記は「Bambino」となります。体重は成猫で約2.4kgから4.0kgと比較的小型です。体高は低いですが、これは交配親であるマンチカンの特徴を受け継いでいます。最大の特徴は、スフィンクスから受け継いだ「無毛（ヘアレス）」であることです。
バンビーノの特徴
バンビーノは、ほぼ無毛で知られるスフィンクスと、足が短いことで人気のマンチカンを交配させて誕生した猫種です。「バンビーノ」とはイタリア語で「赤ちゃん」を意味し、その名の通り、成猫になっても子猫のような愛らしさを持ち続けています。
見た目は、毛がほとんどなく、皮膚にはしわが寄っているのが特徴です。短い手足と、しっかりとした筋肉質の胴体を持ち、お腹周りはややふっくらしています。触り心地は、産毛が生えていることがあり、桃の表面に似ているとも言われます。
体重や体高は小柄ですが、短い足からは想像できないほどのジャンプ力と機敏さを発揮します。短い足からは想像がつかないほどジャンプ力があり、機敏に動き回る姿から「猫界の猿」と表現されることもあります。食性については、他の猫種と大きく変わらず、動物性タンパク質を中心とした食事が基本となります。
バンビーノの性格
バンビーノは、見た目のユニークさとは対照的に、非常に人懐っこく愛情深い性格をしています。飼い主に対して非常に甘えん坊で、膝の上に乗ったり、後をついて回ったりすることを好みます。
好奇心も旺盛で、遊ぶことが大好きです。賢いため、おもちゃを使った遊びや知育玩具にもすぐに順応します。社交性も高く、初めて会う人や、他の犬や猫、小さなお子様がいるご家庭でも友好的に接することができるとされています。
ただし、その反面、寂しがり屋な一面も持ち合わせています。飼い主と離れる時間が長いとストレスを感じやすいため、お留守番がちなご家庭よりも、在宅時間が長い方や、多頭飼いを検討している方に向いている猫種です。
バンビーノの歴史
バンビーノの歴史はまだ浅く、2006年にアメリカで実験的な猫種として登録されました。無毛のスフィンクスと短足のマンチカンという、二つの非常に個性的な猫種を交配させることで、このユニークな姿が生まれました。
比較的新しい猫種であるため、遺伝的な傾向や疾患についてのデータはまだ蓄積段階にあります。そのため、現時点では主要な猫種登録団体において、正式な猫種としては公認されておらず、「実験的猫種」という位置づけになっています。
バンビーノの毛色や模様の種類
バンビーノの最大の特徴は「無毛」であることです。そのため、一般的な猫のように被毛の色や模様で分類されることはありません。
その代わり、バンビーノは皮膚の色によって個体差が現れます。主な皮膚の色には「ピンク（肌色）」「黒（グレーやスレートのように見えることもあります）」「白」があります。また、これらの色が組み合わさったバイカラー（二色）や、シャム猫のように特定の部分だけ色が濃くなるポインテッドのパターンが見られることもあります。
バンビーノの飼い方
運動と遊び
バンビーノは短足ですが、非常に活発で運動量が多い猫種です。室内でも十分に動き回れるスペースを確保し、毎日おもちゃなどで遊んであげる時間を設けましょう。
運動神経が良いため、キャットタワーの設置も有効です。ただし、短足な体型に配慮し、高すぎるものやステップの間隔が広すぎるものは避け、安全に上り下りできる設計のものを選んでください。
しつけ
バンビーノは非常に賢く、物覚えが良い猫種です。そのため、トイレの場所や爪とぎのしつけなどで苦労することは少ないでしょう。
飼い主の言うことをよく理解しようとするため、褒めながらしつけることでスムーズにルールを覚えてくれます。攻撃性も低いため、初心者の方でも飼いやすい猫種と言えます。
飼育環境の準備
バンビーノを飼育する上で最も重要なのが「温度管理」です。被毛がないため、寒さに非常に弱いです。冬場はもちろん、夏場のエアコンが効いた室内でも体温を奪われやすいため注意が必要です。
ペット用のヒーターや暖かい寝床を用意し、室温は常に猫が快適に過ごせる温度（一般的に25度前後）を保つようにしてください。また、皮膚が露出しているため、室内にケガの原因となるような鋭利なものがないか確認し、安全な環境を整えましょう。
フードの選び方
フードは、一般的な猫と同様に、良質な動物性タンパク質が主原料の「総合栄養食」を選びます。バンビーノは活発に動くため、エネルギーをしっかり補給できるフードが適しています。
また、無毛種は皮膚の健康を維持するために、皮脂の分泌が活発な傾向があります。皮膚の状態を良好に保つために、オメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸などがバランスよく含まれたフードを選ぶのも良いでしょう。
皮膚の手入れ
バンビーノは被毛がないため、トリミング（カット）の必要はありません。しかし、その代わりに「皮膚のケア」が必須となります。
被毛がないため、皮脂が毛に吸収されず、皮膚に直接溜まりやすい性質があります。これを放置すると皮膚炎の原因となるため、週に数回は温かく湿らせたタオルで体を拭いてあげましょう。
また、皮脂汚れを落とすために、月に1回程度のシャンプーが必要です。皮膚はデリケートなため、猫用の低刺激シャンプーを使用し、シャンプー後はしっかりと乾かして保湿ケアを行うことが大切です。
バンビーノをお迎えする方法
ブリーダー
バンビーノは世界的に見ても非常に希少な猫種です。そのため、お迎えする方法は専門のブリーダーから直接迎えるのが最も一般的です。
バンビーノの繁殖を専門に行っているブリーダーは日本国内では非常に少ないため、根気よく探す必要があります。見学の際は、親猫の健康状態や飼育環境をしっかり確認しましょう。
ペットショップ
希少種であるため、一般的なペットショップの店頭で見かける機会はほとんどありません。バンビーノを希望する場合は、希少種を専門に扱っているペットショップに相談するか、ブリーダーを探す方が早いでしょう。
里親
バンビーノは新しい猫種であり、個体数自体が少ないため、動物愛護センターや里親募集サイトで出会える可能性は極めて低いと言えます。
バンビーノの気をつけたい病気やケガ
皮膚疾患
被毛による保護がないため、皮膚トラブルはバンビーノが最も注意すべき病気の一つです。皮脂が毛穴に詰まることによる皮膚炎や、乾燥による肌荒れ、紫外線による日焼けなども起こしやすいです。日々の皮膚の清拭や保湿、室内のUVカットなどが予防に繋がります。
ケガ
皮膚が直接露出しているため、他の猫であれば被毛で守られるような些細なことで、擦り傷や切り傷を負いやすいです。家具の角や、猫が入り込みそうな狭い場所の安全確認は徹底しましょう。
椎間板ヘルニア
短足の猫種（マンチカンやミヌエットなど）は、その体型から胴（背骨）に負担がかかりやすいとされています。バンビーノもマンチカンの血を引いているため、椎間板ヘルニアのリスクが指摘されています。
椎間板ヘルニアは、背骨の間にある椎間板が飛び出し、神経を圧迫する病気です。激しい上下運動を避けたり、太らせないように体重管理を徹底したりすることが予防に重要です。
バンビーノの寿命
バンビーノの平均寿命は14歳前後とされています。
ただし、バンビーノは非常に新しい猫種であるため、寿命に関する正確な統計データはまだ十分にありません。これはあくまで、交配親であるスフィンクスやマンチカンの平均寿命（14歳前後）から推測された年数です。健康管理に気をつければ、これより長く生きる可能性も十分にあります。
バンビーノの価格相場
バンビーノの価格相場は22万円で販売されていることもありますが、70万円になる場合もあります。
バンビーノは日本国内では極めて希少な猫種であり、ブリーダーの数も限られています。そのため、価格は安定しておらず、個体の特徴やタイミングによってはこれより高額になる可能性があります。
バンビーノの飼育費用
バンビーノの飼育費用は、一般的な猫の飼育費用に加え、無毛種特有のケア費用がかかります。
| 項目 |
目安費用（年間）
|
|---|---|
| フード・おやつ代 | 約60,000円～ |
| トイレ砂・消耗品代 | 約20,000円～ |
| 皮膚ケア用品（シャンプー等） | 約10,000円～ |
| ワクチン・健康診断代 | 約30,000円～ |
| 光熱費（温度管理費） |
約20,000円～（通常より加算）
|
| 合計（目安） | 約140,000円～ |
初期費用（お迎え費用）
生体価格（22万円～）の他に、ケージ、トイレ、食器、寝床、キャットタワー、ペットヒーターなどの飼育環境を整える費用として、約3万円から5万円程度を見積もっておくと良いでしょう。
毎月の飼育費用
フード代やトイレ砂代は、他の猫種と大きく変わりません。バンビーノ特有の費用として、皮膚を清潔に保つための専用シャンプーや保湿剤などのスキンケア用品が定期的に必要となります。
また、最も注意すべきなのが光熱費です。寒さに弱いため、特に冬場はエアコンやペットヒーターを常時稼働させる必要があり、他の猫種よりも電気代がかさむ傾向にあります。
年間・臨時の費用
年に1回のワクチン接種や健康診断費用が必要です。バンビーノは皮膚疾患やヘルニアのリスクがあるため、万が一の病気やケガに備え、ペット保険への加入も検討しておくと安心です。
まとめ
バンビーノは、無毛と短足という二つのユニークな特徴を併せ持つ、非常に希少な猫種です。見た目とは裏腹に、非常に人懐っこく、愛情深く、賢いという、家庭猫として理想的な性格をしています。
ただし、その特殊な体質ゆえに、被毛のある猫とは異なる特別な配慮が不可欠です。特に、毎日の皮膚ケアと、徹底した温度管理が健康維持の鍵となります。お迎えするには費用や手間がかかりますが、それ以上に深い絆を結べる魅力的なパートナーとなるでしょう。