阪大生の心に寄り添うことが使命?見守ってくれた名物猫を忘れない

阪大生の心に寄り添うことが使命?見守ってくれた名物猫を忘れない

阪大の名物猫「斎藤さん」の訃報ツイート。その死を悼む人々が相次ぎ大反響に!こんなに大多数の方に惜しまれる斎藤さんとはどんな猫さんなのか?どのように天寿を全うしたのか?証言を元に探っていきます。

ずっと愛され続けた斎藤さんの一生

阪大生を見守り続けて20年余り。学生さんと共に春夏秋冬を何度も繰り返し年を重ねた斎藤さんという黒猫さんは、長年愛され続けたアイドル猫でした。

2019年も受験が終わると卒業式、春が来て新入生を迎え5月にはいちょう祭り…そしてみんな一緒に夏を迎えるはずでした。

寒くて大講義室に入りたがる斎藤さん、桜の花びらと斎藤さん、暑くて伸びて寝ている斎藤さん。キャンパスの春夏秋冬の中に斎藤さんがいた当たり前の風景はもう見られません。

この訃報ツイートの反響は相当なもので、その死を悼み動揺や悲しみのコメントが相次ぎました。各々が撮影した写真付きで「見守ってくれてありがとう」「忘れない」「安らかに」と、現役阪大生や卒業生から多くのコメントがあり、長年に渡り斎藤さんが愛され続けていたことを伺い知ることができます。一匹の猫さんの死をこんなに大勢の人が悼むその理由とは?

斎藤さんはこんな猫さんでした





名前 斎藤さん
性別 男の子
推定年齢 19歳以上
性格 マイペースで穏やか
お気に入りの場所 大講義室

※2000年から阪大に来たという証言があり19歳は超えていたとのこと

斎藤さんは大人気で、キャンパス内で出会えることを楽しみにしていた方が大勢いました。「本日の斎藤さん」と写真付きのツイートも多数で「もふろうと思ったら先客がいた」なんていう声も。いちょう祭にやってきたという卒業生は「目的は陶芸と斎藤さんが元気かどうか」とツイートされています。

最期も親切な方に見守られて安らかに

斎藤さんの最期についてまちかねこ調査隊の方に伺いました。

「近所の方が衰弱している所を引き取り、病院に連れて行ってくださったようですが、手の施しようがないとのことだったので、そのままその方の家で最期を看取られたようです」とのこと。

20年近くも学生さん達に愛され続け、最期もご近所の方に看取られて天国へ。斎藤さんは幸せな猫さんですね。

野良猫さんとしてはミラクルな20年という年月。歴代の阪大生の心に寄り添い、時に励まし、癒し、そしてその役割を終えて満足して旅立ったことでしょう。

斎藤さん追悼メモリアル~ありがとう君を忘れない~

まちかねこ調査隊の皆様にご協力頂き、斎藤さんの思い出やエピソードを纏めていただいたのでご紹介させて頂きます。

まちかねこ調査隊とは、週一回のミーティングと月一回の観察会を通して、豊中キャンパスに生息する猫の情報を集めたリファレンス(猫の名前や生息地、名前の由来や特徴)を作成するサークルです。

出会いは受験の日 緊張をほぐして合格に導いてくれた

「阪大受験の日に斎藤さんに初めて会いました。斎藤さんを撫でていると緊張が和らいで無事合格することができて嬉しかったです。入学してすぐ会いに行ってお礼を言い、まちかねこ調査隊に入部しました。」

キャンパスライフが誰よりも長い斎藤さんは「今年も受験シーズンきたニャ」とわかっていたのか!?大講義室前で「頑張れ!4月に待ってるニャー!」と、受験生にパワーを送っていたのかもしれませんね。

大講義室乱入でキャンパスライフを満喫

「大講義室の中に入りたそうにしていたから、授業中にもかかわらずうっかり斎藤さんを室内に招き入れました」

他にも阪大生のツイートでは「一緒に講義やテストを受けた」「寒くて乱入してきた」等、大講義室での写真や話題も多数。大講義室前にスタンバってる姿や、机の上に斎藤さんがいる風景、きっと皆さんの胸に焼き付いていることでしょう。

学生さんの気持ちはお見通し!?落ち込む時は駆け付けてそっと励ましてくれた不思議な猫さん

「今年、猫生最後の新入生を迎えてくれた斎藤さん」

「寒い日に膝元まできてくれた。温めてもらいました」と、ほっこりエピソードを頂きましたが、

「一人ぼっちでご飯を食べていた時にそばにきてくれたことを忘れない」というツイートもありました。

そしてさらに、斎藤さんは阪大生の喜怒哀楽をお見通しだったのではないかと思われる神秘的なエピソードが!

「大学生活があまり上手くいっていなかった頃。ブーツが壊れて底が抜けた上に土砂降りの雨まで降り出して、大学から帰れなくなるという嫌な事続きの日々。途方に暮れながらバス停で雨宿りしていた時に、道の向かい側のいつもの大講義室前の道路に斉藤さんがちょこんと座っているのが見えました。

雨寒くないんやろか、など思いながら見ていたら突然、何を思ったか斉藤さんが真っ直ぐに私の方に寄ってきて、しばらくの間足にすり寄って甘えてきてくれたのです。

今思い出しても本当になんでこちらに来てくれたのか分からないのですが、5分程でまた突然どこかに走り去って行きました。」

この時の斎藤さんの励ましを受けて以来、斉藤さんにメロメロになってしまったというこの隊員さん。暇さえあれば斎藤さんを学内で探して会いに行き、大講義室以外の斉藤さんの出没ポイントにも詳しくなったそうです。そして、

「斎藤さんはきっと今までもこんな風に、時には存在だけで阪大生を癒してくれたり、時には気まぐれに人の前に現れてちょっとだけ人生を変えたりしていたんだと思います。」

と熱い思いを語ってくださいました。

斎藤さんへ贈る言葉

最後に斎藤さんへの思いや感謝の気持ちを頂きました。ピュアな気持ちを大切に、原文のまま書かせて頂きます。

「もとは飼い猫だったと聞いたことがあるので斎藤さんは斎藤さんの大変な猫生があったのだと思うけど、阪大に来てくれて、居てくれて本当にありがとう。飼い主でもなく、責任も取れなかったただの個人のわがままですが、ここに感謝を伝えさせてください。」

「阪大生に癒しを与えてくれたぶん、斎藤さんも安らかに眠って欲しいです。一緒に時間を過ごしてくれてありがとうございました。」

まとめ

愛の眼差しで阪大生を見守り続けた斎藤さん。

阪大生の青春の1ページにはキャンパスの風景と共に斎藤さんがいることでしょう。

猫には不思議な力があったり神秘的な逸話がつきものですが、斎藤さんは学生さんの心に寄り添いテレパシーのように何かをキャッチし、励ましたり癒したり共感してくれる猫さんでした。

そしてその使命を立派に全うして旅立った斎藤さんは、学生さん達の心の中で永遠に生き続けてお一人お一人と対話を続けていくことでしょう。

まちかねこ調査隊の皆様、この度はご協力頂き誠に有難うございました!

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