暗闇の機械室から子猫の叫び声……生後2週間のミルク飲み猫を保護

暗闇の機械室から子猫の叫び声……生後2週間のミルク飲み猫を保護

最近では、外で暮らしていた猫を保護し、家族に迎える人も増えてきました。飼い主さんと保護猫、どのように出会って、どんなふうに共同生活を築き上げているのでしょうか?飼い主さんのリアルな声をお届けします!

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【みんなの保護猫物語〜トビーくんとみかんさんの場合〜】

トビーくんを保護したいきさつは?

保護当時のトビーくん

手の平に乗るほど小さいトビーくん/画像提供:みかんさん

今から2年前、母と出かけた帰り、自宅マンションの入り口を入ると、エレベーターの前で親娘が焦った様子でどこかに電話をかけている姿が目に入りました。「猫が……」という言葉が聞こえてきて、娘さんに「どうされましたか?」と聞くと、エレベーターの脇にある点検用の機械室から子猫の鳴き声がすると教えてくれました。

もう夜だったので、マンションの管理室には人がいなかったこともあり、娘さんのお母さまが消防署に電話をかけて助けを求めていたところだったようです。

しばらくすると3名の消防署員の方が到着して、子猫の所在を確認したところ、大人の胸くらいの高さにある機械室の小窓を開けると、確かに弱々しい鳴き声が聞こえてきました。消防署員の方が、太いロープの先に輪っかを作って下に垂らし、輪の中に子猫の体を通して、引き上げてくれました。

まだ手のひらに収まるほどの小ささで、目も見えていない、生まれたばかりの子猫でした。

「家族に迎えよう」と決めた理由は?

先代猫のアモンくん

先代猫のアモンくん/画像提供:みかんさん

当時、私は20年連れ添った猫を亡くして5年ほど経っていましたが、まだペットロスから立ち直ることができていない状況でした。長らく猫と暮らしてきたので、また猫を迎えたいと思う気持ちはありましたが、亡くなった猫に「もっとこうしてあげたかった」という後悔のような気持ちもあって、あまり猫のことは考えないようにしていました。

でも、予想外の展開でトビーと出会い、その場で救助を見守っていた人たちの中で子猫を引き取る条件がそろっているのは私だけだったことと、「この子は私が守らなきゃ!」という思いが湧き出てきたことが決め手になったと思います。

保護してから、気づいたことや大変だったことはありますか?

お世話をしてもらうトビーくん

お世話をしてもらうトビーくん/画像提供:みかんさん

トビーを自宅に連れ帰ってから、母が体を拭いたり、ノミを取ったりしたのですが、しばらくしてティッシュでお尻を軽くトントンとし始めたんです。何をしてるのか聞いてみたら、「生まれたばかりの猫は、自分でおしっこやうんちができないの。お母さん猫がお尻をなめて刺激して排泄するんだよ。」と教えてくれました。すぐにトビーがおしっこをたくさんしたので、感動したのを覚えています。

翌日、すぐに動物病院に連れて行ったのですが、生後2週間くらい、体重も350gほど、数時間ごとにミルクを飲ませなくてはいけないことがわかりました。先生にミルクの作り方や飲ませ方を教えてもらったのですが、哺乳瓶のちくびをうまく吸わせることができなくて大変でした!

トビーくんは、どんな子?今までで一番印象に残っているエピソードは?

あどけない表情のトビーくん

まだあとどけない表情のトビーくん/画像提供:みかんさん

トビーは、慎重で少し臆病なところがある子かなと思います。お母さんや兄弟がそばにいれば、いい悪いの判断もしやすいのだと思いますが、生まれてすぐひとりぼっちになってしまったからなのかもしれません。

はじめて水が流れるタイプの給水器を設置した時、恐る恐るにおいを嗅いだり、周りをぐるぐる回って様子を見たりした後、ペロペロと水を舐め出した時は「よく頑張ったね!」と、親のような気持ちになり涙が出てしまいました。

みかんさんにとって、トビーくんはどんな存在?

元気に大きく成長したトビーくん

元気に成長したトビーくん/画像提供:みかんさん

先代猫を亡くしてから、人生の灯りが消えてしまったような生活が続いていました。トビーとの出会いは、そんな私の生活にまた灯りをともしてくれたような気がしています。

また、ミルクを飲まなくてはいけないほどの子猫を迎えたのは初めてだったので、一生懸命に哺乳瓶からミルクを飲む姿を見て、胸が熱くなることもありました。トビーは私にとって、我が子と同じ、唯一無二の家族です。

トビーちゃん、飼い主さん、素敵なエピソードをシェアしてくださり、本当にありがとうございました!

※この記事は、取材協力者さまのご了承をいただいたうえで制作しています

取材・文/サトウ ミジー

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