愛猫が末期癌を宣告されたら?飼い主としてできること4つ

愛猫が末期癌を宣告されたら?飼い主としてできること4つ

猫に症状が現れてから、病院で末期癌と宣告される事も少なくありません。なぜなら、猫は病気を隠そうとするので、早期発見が難しいと言われています。もしもあなたの愛猫が宣告を受けたら何がしてあげられると思いますか?末期癌を宣告されたらできることについてまとめました。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫のため後悔しないようにする4つのこと

人の手の上に置かれた猫の手

人間は後悔した経験があれば、同じことを繰り返したくないと思うでしょう。私自身も、これまで後悔を経験したことがあります。

命の儚さを知り、悔しい経験をしたから、後悔しないように生きたいと思えると思います。経験をもとに、後悔しないためにできることを伝えていきたいと思います。

1 時間を大切に生きる

猫を大切に抱く女性

人間は、死を恐れながら生きています。しかし猫は死を恐れて生きてはいません。今を生きることに専念し、未来に起こることを恐怖に思いながら生きると言う概念がないのです。もしも愛猫が、余命を宣告されたらどう反応しますか?

私たちは常に「愛猫がいなくなったら…」「この子は後どれくらい生きるのか…」などと悲観的な気持ちになってしまいます。猫が死を恐れて生きていないのは、「今」を大切に生きているからです。私たちも、猫といる「今のこの時間」を大切に後悔しないように生きていかなければいけないのです。

2 猫にできることをする

猫と笑顔の女性

猫に何がしてあげられるのかを考えて行動しましょう。猫が喜ぶこと、好きなことをたくさんしてあげたいですね。例えば、遊んであげる、好きな物を食べさせる、リラックスさせてあげる、ストレスをかけないであげることなどをして過ごしてもらいましょう。

私の経験から、残り時間を一緒に過ごしたり、力になれることが少なかったりして、とても悔いが残りました。自分が今、猫に何がしてあげられるのか、何を優先するべきかを重く考えて行動するべきなのでしょう。

3 治療費用のイメージ

ペット保険の申込書

猫は人間と違って、医療費に保険がありません。もし病気にかかっても、治療費は全額負担になってしまいます。もしものときに備えて、猫の積立てをするか、ペット保険に入っておくことをおすすめします。

猫の命を救ってくれるのは、人間の力が必要です。現在では、治療設備や技術も進化している時代です。「費用さえあれば助かったかもしれない」「治療費が高いから諦める」と言う後悔はしたくありません。

「できる限りのことをしてあげたい!」と思うのは当たり前のことですが、それができない後悔ほど辛いこともありません。

監修獣医師による補足

最近、ペット保険が認知されるようになってきました。ワクチンやフィラリア予防、ノミダニ予防、避妊・去勢手術などについては保険に入っていても病気ではないという理由で保険適用になりませんが、病気については保険適応になります。掛け金によって負担額が違ったり、通院できる回数も年間20回と制限のあるものや無制限のものっまで様々です。ペットには保険がないといわれていましたが、現在は様々な種類のペット保険があります。内容をよく確認して加入しておくと大きな病気や、複数回通院が必要な時に役立ちます。

獣医師:平松育子

4 治療のイメージ

猫と獣医師

猫の病気の進行具合や、症状の重さなどから「治療をどうするのか?」と言う決断が任される場合もあります。もちろん最善を尽くしてできることをしてあげたいと飼い主さんは思いますが、猫の気持ちはどうでしょう?

病院で治療する方が良いのか、家で看病しながら過ごすのが良いのかどちらが良いのでしょうか?もちろんどちらも必要なことで選択するのは難しいですね。

一日でも長く生きてほしいと治療に専念するのは、猫が望むこととは言いきれないのです。余命を宣告された猫が長く生きた例には、飼い主さんの看病があったからと言うのがあります。最期は、猫も飼い主さんに看取られたいと思っているのではないでしょうか?

もしも猫に末期癌と宣告されたら?

目を閉じて獣医師の診察を受ける猫

1.飼い主が猫にしてあげられること

もしも愛猫に末期癌と言う宣告がされたら、最期まで諦めないことです。何がしてあげられるのかと言うのは、痛みや苦しみを和らげてあげることです。猫が病気と戦っている分、飼い主さんもより良い病院と獣医師さんを探しておく必要があります。

ここでは治療ができない、設備がない、獣医師さんの経験が少ないと言う所よりも、知識や経験がある獣医師さんが重要になることもあります。猫の病気を詳しく知ることも大切ですし、進行具合によっては、病院を変えることも想定しておきましょう。

2.猫が飼い主に望むこと

余命を宣告と言うのは、心にずしっとくる言葉です。余命を受けてそれより早くなることもありますが延びることもあります。

薬の治療で生き延びることさえもあります。余命を宣告されても必ずその通りになるとは言いきれません。猫が望むことは、飼い主さんがそばにいてくれることを望むでしょう。

猫は、どんな状況になってもいつもと変わらない環境が幸せなのかもしれません。飼い主さんの懸命な看病は、生きようという力を与えるでしょう。飼い主さんがずっとそばにいてくれることを願っていると思います。

3.相談できる人に話す

猫も大切な家族です。命の重さに人間も動物もかわりありません。毎日猫の辛そうな姿を見ていたり、弱っていく姿を見たりして、一人で苦しまないでください。家族や身内、又は信頼できる人に相談して自分の気持ちを聞いてもらうのも大切です。

「自分の選択肢が間違っているのかも」とか「このままでいいのか」など、心の内を話せる相手に話す、意見を聞くことで楽になる場合もあります。不安なときは相談してパワーをもらいましょう。

まとめ

悲しげな瞳で見つめる猫

末期癌を宣告されたら、猫のためにできることについてご紹介しました。猫の寿命がのびてきているとは言いますが、若い頃に病気になる猫、病気にならずに延命を全うする猫など、いつどうなるか予想もつきません。つまり猫も定期検診が大切と言えます。早期発見なら、と言う後悔もたくさんあるからです。

今愛猫が元気でも、末期癌と宣告されたらと言うのは、他人事ではありません。もしも末期癌を宣告されたら後悔しないように過ごすこと、猫も最期まで幸せでいられることを考えて、悔いのないようにしたいですね。猫からも、きっといろんなパワーを受け取ると思います。

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