猫の異食症はなぜ起こる?原因と対処法について

猫の異食症はなぜ起こる?原因と対処法について

大切な愛猫が、食べ物ではないものを食べるようになってしまったら心配になりますよね。異食症は人間だけではなく猫にも起こります。異食症になる猫なりの理由と対処法についてご紹介いたします。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

異食症とは(人間の場合)

異食症という症状をはじめて聞く方のために、まずは人間における異食症について簡単に説明させていただきます。

異食症は、本来食べ物ではない紙や壁、土などを食べてしまう症状のことをいいます。原因は主に栄養不足やストレスなどがあります。また、妊娠中の妊婦さんにも異食症が出現する場合があります。

猫の異食症とは?

猫における異食症もイメージ的には人間に現れる症状と似通っています。しかし、原因は少々人間とは異なる場合があるので注意が必要です。

猫が異食症で食べてしまうもの

次に挙げるものは猫の異食症においてよく食べてしまうものです。

  • 布(毛布やブランケット、クッションなど)
  • ビニール袋
  • ダンボールなど

猫の異食症の原因

1.ウールサッキング

ウールサッキングとは毛布やブランケットなど、繊維質のものを食べてしまう猫特有の症状です。この症状は統計的にシャム猫やバーミーズに多いといわれています。何故これらの猫種に多いのかはまだはっきりと解明されていません。

2.遊びの延長

紐や紙などで遊んでいるときにたまたま口に入れてみたところ、その食感が気に入ってしまい異食症に移行してしまうケースがあります。このような場合、好んで食べてしまう質感以外のもので遊ぶようにしましょう。

3.病気や寄生虫によるもの

まれに内臓疾患や、いわゆるお腹の中の虫が原因になり栄養不足が起こる場合があります。不足する栄養素を補うために急に異食が始まることがあります。他の原因に全く心当たりがない場合は獣医さんに相談しましょう。

4.食事量が少ない

猫に必要な食事量や栄養価はかなり個体差があります。キャットフードに記載されている一日の摂取量はあくまでも目安であり、必ずその量を守らなければならないというわけではありません。

運動量の多い活発な猫や、育ち盛りの猫の場合は少しもの足りない場合もあるのです。食事の量や回数、キャットフードの種類などを一度見直してみることも良いと思います。

異食症になりやすい猫の特徴

先に述べたシャム猫やバーミーズ以外にも異食症になりやすい猫には特徴があります。ここではその特徴についてご紹介いたします。

甘えんぼうな猫

遊んでアピールをする猫

母猫から早く引き離されてしまった猫や、甘えん坊な性格の猫は異食症を起こしてしまうことがあります。飼い主さんの気を引きたくて異食をする場合もありますが、不安なときにたまたま毛布を噛んだら落ち着き、それがエスカレートして異食症になる場合もあります。

甘えん坊な猫の異食症に対する対処法

1.叱るのではなく見直す

飼い主さんが望まない、いわば問題行動のような異食症はただ叱るだけでは治りません。叱られればさらに不安になり、その不安を解消するために異食をするという負の連鎖に陥ります。

不安や退屈を紛らわすために何気なく口に入れたものが、結果的にはそれらを和らげる手段となったと考えれば叱るよりも負の連鎖を断ち切る方法を見つめ直すことのほうが大切です。

2.猫と一緒に過ごす時間を大切にする

甘えん坊な猫は飼い主さんと一緒に過ごすことを好み、それを誰よりも望んでいます。十分遊ぶ時間を確保できる飼い主さんは、一日の中で猫と遊ぶ時間をつくり、猫が望む遊びに付き合ってあげましょう。

多忙で遊びまでは難しいという方は、積極的に声をかけてあげるようにしましょう。例えば、猫が遊んでいる様子を見て「上手だね」や「かっこいいね」などと褒めてあげるだけでも猫は安心します。難しく考えず積極的に猫に愛情を伝えていきましょう。

まとめ

羊のかぶりものを被る猫

異食症は放置すると、異食したものが胃腸に詰まり外科手術が必要になったり命に関わる事態に陥ることもあります。そうならないように日頃から猫の様子をよく観察するように心がけましょう。

猫の異食症には様々な原因があります。すぐには改善出来ないこともあると思いますが、なぜ愛猫が異食してしまうのかを考え、猫と過ごす生活を見つめ直し、向き合っていくことが大切です。

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