猫の去勢方法や費用、準備しておく事

【獣医師監修】猫の去勢方法や費用、準備しておく事

猫の去勢手術を受けさせる場合、手術の方法や費用、注意点などについて知識をつけておく必要があります。この記事では、猫の去勢手術に関する方法や費用、ケアの仕方、メリットやデメリットなどについて詳しく解説していくので、去勢前のオス猫を飼っている人はぜひ参考にしてみてください。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫の去勢手術の方法

エリザベスカラーをしている猫

オス猫を子猫の頃から飼っている場合、ある程度の年齢になったら去勢手術を受けさせるかどうか悩むと思います。猫を繁殖させる計画を特に立てていない場合や、発情期特有のストレスやスプレーなどの行動を回避したい場合は、去勢手術を受けさせることをおすすめします。

とはいえ、初めての飼い猫の去勢手術となると「どんな方法で手術するの?」「費用はどのくらい?」といった疑問が当然出てくることでしょう。

そこで、今回は去勢手術の方法や費用、準備しておくべきことなどを詳しく解説していきます。まずは、猫の去勢手術の方法について見ていきましょう。

ステップ1:動物病院で事前に受診

去勢手術をする場合、いきなり猫を動物病院に連れて行っても手術を受け付けていないことがほとんどです。そもそも、本当に去勢手術をしても大丈夫なコンディションかどうか診てもらう必要があるため、手術前に一度病院で診察をしてもらいましょう。「去勢手術をしても問題ない」と診断してもらったら、病院と相談して手術の日を決めます。

ステップ2:手術当日病院へ

手術当日になったら、猫を病院に連れていきましょう。手術といっても、オス猫の去勢手術の方法は複雑ではなく、全身麻酔をした後に精巣を摘出し、止血と縫合をしたら終わりです。そのため、手術自体は10~20分もあれば終わります。

ただ、去勢手術が終了した直後はまだ麻酔が体内に残っているためにフラフラしたり嘔吐したりすることもあります。夕方には一緒に帰ることができる病院もありますし、念のために1日入院する病院もありますので事前によく聞いてください。

ステップ3:手術後傷口が塞がるのを待つ

去勢手術が終わり、自宅に帰っても大丈夫だと診断されたら、猫をお迎えに行き帰宅します。ただ、猫が術後の傷を舐めてしまう可能性があるため、帰宅許可が出た後もしばらくの間は「エリザベスカラーを装着する」といった方法で、傷口が塞がるのを待ちます。

手術当日~2日後くらいまでは元気がなかったり、食欲がなかったりしますが、徐々に元気を取り戻すので、そこまで心配する必要はありません。術後の傷が開いてしまわないように、エリザベスカラーをしている間はできるだけ安静にしておくことが大切です。

ステップ4:手術の1週間後に再診

手術が終わってから1週間ほど経ったら、去勢手術を受けた動物病院に猫を連れて行って、再度診察をしてもらいます。術後の傷が塞がっていたら抜糸をして完了です。病院によっては抜糸が不要な方法をとっている病院もあります。自然にとれる糸や溶ける糸を使っている場合は、抜糸する必要はありません。

猫の去勢手術でかかる費用

お金の計算をする猫

オス猫の去勢手術の場合、病院によって費用は異なりますが、約1~2万円以内で手術できるところが多いです。他に内服薬やエリザベスカラーの費用などが追加になる場合がほとんどですので事前に見積もりを出してもらうのも良いでしょう。

ちなみに、地域によっては猫の去勢手術に対して、助成金を出してくれる場所もありますが、ほとんどの場合「飼い主のいない猫が対象」という条件になっているので、助成金に期待する方法は飼い猫の場合は考慮しない方が良いでしょう。

猫に去勢手術を受けさせる準備

真上を見つめる猫

猫に去勢手術を受けさせると決めた場合、いくつか準備すべきことがあります。特に、以下の2点は手術前に把握しておくようにしましょう。

去勢手術を受けられるようになる年齢は?

そもそも去勢手術には、適齢期があります。オス猫の場合は、大体生後6~8か月目頃に性成熟を迎えるため、その時期に合わせて去勢手術をすると良いです。

生後6~8か月目の時期を逃した後でも、去勢手術を受けることができますが、性成熟を迎えた後は室内でマーキングをしたり、攻撃的な性格になったりといった、問題行動も増えていく傾向にあります。

長い間そのような行動を放置しておくと癖になってしまい、去勢手術をした後も変わらず問題行動を起こす可能性が高くなるため注意しましょう。

手術当日までに準備しておくこと

去勢手術を受けられる時期になったら、先ほど紹介した方法に沿って、まずは動物病院で事前の診察をしてもらいます。

手術の前日の夜からは、猫に水や食事を与えないようにしましょう。手術直前に水や食事を与えてしまうと、術後の麻酔がとけた際に嘔吐してしまい、嘔吐物が肺に入って詰まることもあります。そのような事態を避けるためにも、手術前夜の水や食事は控えましょう。

また、手術後に食欲不振になる可能性も考えられます。いつも与えているドライフードを食べてくれないかもしれないので、そのような事態も考慮して、嗜好性の高いキャットフードを用意しておく方法もあります。

猫に去勢手術を受けさせるメリット、デメリット

エリザベスカラーをして横たわる猫

猫の去勢手術には、メリットとデメリットの両方があります。
以下のメリットとデメリットもきちんと把握した上で、去勢手術を本当に受けさせるかどうか決めましょう。

メリット

去勢手術を受けさせるメリットは、主に以下の4つです。

  • マーキングなどの問題行動をなくせる可能性が高い。
  • 睾丸の腫瘍や前立腺肥大といった病気を予防できる。
  • 性格が穏やかになる。
  • 避妊手術していないメス猫を一緒に飼っている場合、望まぬ妊娠を避けることができる。

「手術を受けさせる」という方法を選択することにより、オス猫特有の病気を予防できたり、問題行動をなくせる傾向にあります。

それだけでなく、メス猫の望まぬ妊娠を避けることもできるため「子猫が産まれたけど、面倒を見ることができない…」といった最悪の事態を回避する方法をとることができるのです。

デメリット

メリットが多い一方で、去勢手術には少なからずデメリットもあります。主に、以下の2点が去勢手術を受ける際のデメリットです。

  • 肥満になりやすい。
  • 全身麻酔にはリスクがある。

去勢手術を受けると闘争意識が低下する関係で、運動量が減る傾向にあります。また、異性よりも食べ物に興味を示すことが増えるため、手術前よりも太りやすくなってしまうのです。

猫の肥満が不安な場合は、去勢手術後の猫に合わせた、カロリーの低いキャットフードも販売されているので、そのようなフードへ切り替えるといった方法をとりましょう。

そして、手術の際に使用する全身麻酔のリスクについて把握しておく必要があります。実は、全身麻酔は猫にとって100%安全な方法というわけではないのです。非常にレアなケースではありますが、全身麻酔で手術を行った結果、死亡してしまったという報告も過去にいくつか挙がっています。

健康な猫であれば、麻酔によって死亡する確率はわずか0.11%だといわれていますが、それでも絶対に安全な方法というわけではないため、そのことを理解した上で手術を受けさせましょう。

まとめ

エリザベスカラーをしながら遊ぶ猫

猫の去勢手術はとても簡単な方法のものですし、基本的にはメリットの方が多いのですが、それでも事前の準備や術後のケアは欠かせません。

これから猫の去勢手術をするという方は、必ず手術の流れやケアの方法などをしっかりと把握しておきましょう。